感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
再読。
1〜3巻まで、大波小波、山あり谷あり、
そうやって物語が進んできて、まとまりを持たせて始まった第4巻。
収束に向かっていく物語ではなく、最大の大波が1〜3巻の大波小波、山あり谷ありをスパイスにしてやってきた感じ。
様々な国、民族、立場、宗教etc
そんなものの中で進んできた物語だから、様々な視点で描かれてきたことが、第4巻でどこに結びついているか明確になって輪郭を作り出しています。
↓ネタバレ
p.275で、ホッサルの祖父リムエッルの企みが明らかになった時、「最小の被害で最大の利益を得る」とはこのことだなあと言葉がでてきました。
ただ、その時にはヴァンはヴァンが持てる力でできることをしようと出発した後のことで、
医術を極める者として考える「最小の被害で最大の利益を得る」ことが机上の空論であり、ただひたすらにその身を投じてできることをしようとするヴァンの生き様との違いで浮き彫りになった違和感を感じました。
そんな気持ちを、リムエッルの話を聞いていたホッサルも持ったことが、これまでの話の流れで、大きなうねりの中、知り合って打ち解けて、さらに親しみまで感じてつながっているヴァンとホッサルを読み取ることができてなかなか胸が熱い。
ホッサルに、「病素も自らを生かすために、宿主を動かす」と説明を受けてから、初めてヴァンが裏返るのが、鹿の王となるシーンであることが、なかなか運命的でグッと胸を打ちます。
この感想を書き始めた時に、1〜3巻がスパイスと書いたけど、「鹿の王」に関しても。
鹿の王について説明があるシーンは2回ありました。
1回目は、「こういう鹿を鹿の王と呼ぶんだ」という説明。
2回目は、ヴァンの父が「鹿の王と持ち上げることに反吐が出る」と言うところに焦点を当てて。
ヴァンの父の言わんとしていることが、私はすごく良くわかる。
「できる力を持つ人ができることをすればいい」
「できる力を持つならば、それを淡々としながらも率先してした方がいい」
これが私がよく思うところ。
“できる”から行った。
ただそれだけのことに対して、外野が「素晴らしい」と持ち上げることもあれば、
持ち上げられるという側面があるからか、「エゴだ」「八方美人だ」「格好つけてる」そんなふうに叩かれることが多いなと思うシーンがよくある。
いいじゃん。できるからした。それだけなのに。
と思っちゃうんだよね。
そこにその事実があるならば、その事実だけ評価すればいいのに〜なんて。
ヴァンものホッサルもサエも、
ユナもトマも智蛇も、
そうやって「できることをする」
そうやって4巻が終わったことが何よりでした。
Posted by ブクログ
やはり面白い。最後は想像に任せてという感じだが、ヴァンを取り巻く人々のあたたかさにほっこりする。独角という寂しい哀しいものが背中を覆っていたのに、彼のその人柄が誠実さ優しさが周りの人が彼を放っておかない存在にした。人として素晴らしい人だなあ。もしかしたらそれは妻子を亡くしたことからも来ているのかもしれないけど。
Posted by ブクログ
評価は3に近い4。
世界観は素晴らしく最後まで飽きずに読めて面白かったです。でも、獣の奏者と比べるとエンディングの盛り上がりに欠け、微妙な終わり方でした。
医療の話は、現実世界で誰かがやってきたことなので、それを異世界でホッサルやその一族の手柄として描かれたのも、ちょっとずるい気がして、獣の奏者、守り人シリーズほど世界に入り込めませんでした。
Posted by ブクログ
面白かった。
生物としては逃れられない病に焦点を当てて、人の体内を一つの国とみなして考える。
鹿の王は鹿の群れの殿を務めるようなイメージで、群れはその鹿に感謝するが、双方それに甘んじてもいけない、というものがあった。
ヴァンとホッサルが会ったのがこの巻。
全体的に面白かったです。
あと文庫版の解説も良かった。
Posted by ブクログ
第4巻で物語が一気に加速した
様々な勢力や人がでてくるけど、どれも完全な悪というわけではなく読んでいて心が締め付けられる感じがした。
終盤のヴァンの<鹿の王>、ホッサルの医術師に対する思い。ジーンときた。
ヴァンとヨナやサエのその後も気になるが、これはこれでいい終わり方なのかな。