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Posted by ブクログ
ぬりかべの娘の七作目。
「仇討ち」が良かった。
敵持ちだったが仇討ちされるはずの敵だったが、
きのこの食あたりで死んでしまった男。
敵討ちのために、幽霊ではなく骸骨姿となって、
るいに頼み込む。
相手の男はちょっと粋な油売り、
だが、仇討ちをするつもりは全く無いときた。
と言うのも、それぞれの事情を抱えていて…。
好きな作品「あやかし同心捕物控」に通じる、
可笑しさで良かった。
ポンポンと調子よく畳みかけるように台詞がでて、
でも最後にはしんみりとさせてくれる。
骸骨の幽霊が成仏してしまって、ちょっとさみしかった。
早く続きが、読みたい。
妻子に死に別れて寂しい男、仇討ちをされたがっている侍、一人ぼっちだと思い込んでいる女、それぞれの哀しみ、気持ちが、心にしみる。冬吾と周音の兄弟、るいと作蔵の親子、ナツ、登場人物(人物じゃない者も居るけれど)が、みんな良い。話が、どんどん続いて欲しい。