あらすじ
東京の大学に進学した小熊。木造一軒家を少しずつリノベーションして新たな生活を始めようとした時、追突されてスーパーカブ50に乗れなくなってしまう。代車として用意されたのは「スーパーカブ90」で……。
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ホンダのオートバイ・スーパーカブを題材とした友情・青春ストーリー!
親なし友達なし、ついでに趣味もなし。
ないないづくしの女子高生・小熊の日常はスーパーカブとの出会いによって変化する!
小熊の生活はすぐにカブを中心としたものとなり、それは彼女に様々なものをもたらした。
運転免許を取得し、公道を走るとことで社会の一員であることを自覚する小熊。
教員の紹介でバイクを使うアルバイト(労働)を経験する小熊。
ガス欠・タイヤのパンク、天候や季節への対応などなどを経験する小熊。
そしてカブをきっかけに、次第に同年代の女の子たちとの関係を構築していく小熊。
超遠距離ツーリング・バイクで登山など、ちょっとした冒険もあり。
これは何もなかった少女が、素晴らしい日常を手に入れる物語だ。
読後はきっとスーパーカブに乗ってみたくなるはず。
(ちなみにバイク整備の様子はとても詳細に描かれ、著者の並々ならぬカブ愛が満載となっている。)
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Posted by ブクログ
天涯孤独で清貧な生活を送っていた高校生が一台の中古カブに出会って乗りこなしているうちに人生が充実してきて、遂には20フィートコンテナ(!)付きの一軒家を借りる女子大生にまでなった主人公が、最貧な境遇から必要に迫られてカブに乗る仕事をするしかなかった同級生にひょんなことから遭遇する。バイトで使うことはあったもののカブに乗るのは趣味でしかない小熊が生死の境目において直面させられる「仕事」でカブに乗る覚悟と凄みを描く41章(ミルクラン)は本シリーズの白眉と言える。ホビーで乗るのも楽しいけど本来はお仕事用だったよね、カブは。
新生活スタートということで、作品初期のような良い雰囲気が戻った感がある。
その一方で、特異な属性を持ったキャラクターが変なエピソードを展開する悪い部分も継続しているのが残念。
孤独感を打ち明ける小熊に対する椎の返答が素敵。
初代カブの継承も、そこに至る経緯の強引さを別とすれば悪くない。