主人公のジルベールは、パリにある有名シェフのレストランで働く気弱で引っ込み思案なプロンジュール。プロンジュールの仕事は皿洗いと雑用。来る日も来る日も厨房で皿を洗っている。前のレストランからここを紹介されて移ってきたときは料理人だったが、トラブルで降格されたからだ。ある日、そんなジルベールの下に雑用係としてやってきたマルコとの出会いが、ジルベールの人生を大きく変えていく…のですが、とにかく読んでください! 料理マンガとしてもお仕事マンガとしても、とにかくおもしろいんです。登場人物はみんな一癖も二癖もあって、でも全員にちゃんとストーリーがあって魅力的で、そして何よりジルベールがいい人で、読んだ後にあたたかい気持ちになって、また読み返したくなって、そして続きが待ち遠しくなります。
でも、この本を読んでいるとフランスの料理が食べたくなります。気を付けてください。
感情タグBEST3
匿名
優しさと苦しさ
あいかわらず、優しくてあたたかい素敵な作品だった。この漫画はただ優しいだけでなく、現実的である意味グロテスクな苦しみや寂しさを描いてから、人のあたたかみを描くので、読んでいて切なくなることも多い。が、リアルすぎない絵柄や挟まれるギャグで中和されるので重苦しくないし飽きない。
Posted by ブクログ
バカンス!ああバカンス…!わたしたちにもバカンスが、必要。切実に…!!
ジルベールと父の話が掘り下げられるのかと思いきや、じわりじわりと(汗をかくジルの姿にこちらも冷や汗をかきながら…いったい何があったのだろう…)垣間見え…まだ、ない!このもどかしさ。
ここにきて、本当に、ジルベールとマルコの関係性に心打たれる…
歩み寄り、ってお互いがそう感じて、動かないことにははじまらないものなんだよなあ…としみじみ考えたりして、それが奇跡!といえばそうなんだけど、意図された(あの時助けたかったあの子に重なって行われた)ことだということこそが、尊い。だからこそ特別なのだけれど。
人生?生活?をマンネリ化してしまうのって、こういう方面の感情が動かなくなった時だよな〜と改めて思う。パリに出てきたばかりの描写に共感しすぎて首がもげそうだったし、その後の、自分のトラウマに寄り添えるようになったマルコの姿に自分を見たりもした。
距離を置くことは静観する助けにはなるかもしれないけれど根本的な解決にはならないことが多くて、とにかく感情的にぶつかる!のもエネルギー消費はキツイけど結果オーライ!だったりする。よな〜。
アルティストは本当〜に、自分の、仕事への視線とか姿勢とか、ふと一呼吸ついて考え直せるきっかけになるのでそういう方向でも大好きです。あと個人的に美術学校出なのもあり甥っ子パリ散歩はうあああ好きだ〜!!てかわかる〜!!!美術の授業クソ嫌いだった!!!!って独り言喚きながら読んでました。嫌いだったな、美術。でも絵を描くのは大好きで、嫌いになってしまわなくてよかった!そんなきもちも思い出せて、本当に楽しかった。ありがとうアルティスト…。