【感想・ネタバレ】裏世界ピクニック 7 月の葬送のレビュー

あらすじ

閏間冴月。裏世界の研究を続けるうちに“向こう側”へ姿を消した鳥子の大切な人。これまで何度も怪異として脅威をもたらしてきた存在が、かつてなく大胆に空魚のもとへと迫る。ついにブチ切れた空魚は、自身の知識と人脈を総動員して冴月を「祓う」ための葬送計画を開始する!/電子書籍特典として、カバーイラスト完全版を収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一巻から六巻はぜんぶ七巻のためだったと思うくらいに、今まで読んできてよかったくらいに面白かった。

これまで語られてきた怪談の文法やフレームというものに文字通りの中間報告がされていて興奮したし、牛の首やこっくりさんの攻略方法もすごく楽しかった。
そのあたりはもともとこのシリーズで一番買っていた部分で、今回はさらに、ある意味信用できない語り手、過酷な人生を単独で生き抜いてきて、一人称の視界に歪みやぼやけを持っている主人公だと一巻で明かされていた空魚の、周囲の人間への・からの解像度がじりじり上がっていま閾値を超えた感があるのが、これまでになく明確になっている気がして感慨深かった。

既刊分に好きな場面や文章はたくさんあるけど、今から思えば全部「月の葬送」にたどりつくまでの道のりだったな、と振り返ってしみじみするような、今までの裏世界ピクニックにないしんみり清々しい終わり方ですごくよかった。特に小桜。

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2021年12月17日

ネタバレ 購入済み

面白かった!

アニメを見てから原作小説を読み追い続けてましたが、ついに完結………という訳ではなく、ひとつの物語が終わったって感じでした。次巻が凄く楽しみです!

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2023年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 今まで存在が仄めかされてきた、というより存在感を主張し続けてきた閏間冴月が漸く本格的に関わってきました。
 実際、出てきたら紙越空魚ですらクラッとくる様な人たらしだったり、仁科鳥子の左手では触れるのに紙越空魚の右目では見えなかったりと、かなりの難敵で流石としか言い表せませんでした。

 そんな閏間冴月に対峙する方法が葬儀というのは意外性がありました。けれども、裏世界で相手が人では無くなってはいましたが、故人への思いを全て吐き出して決別するのが葬儀だと考えれば強ち間違ってはいなかったのだと思います。
 仁科鳥子や小桜さんにとっても、故人との別れを済ませるよい機会となったのではないでしょうか。

 また、潤巳るな様が母親の死や自身の行いに思うところがありそうで、今後どう関わってくるのか気になっています。



 大宮での一件や、前々巻の鏡の件で過去の2人との関わりが増えてますし、次巻はそろそろドッペルゲンガーと対峙する事になるのでしょうか。

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2022年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 葬儀式場はこちらになります、な7巻である。
 あらすじでも明示されているが、この巻はここまでの物語に大きな一区切りを置く一巻であり、6巻同様に一巻を通じて描かれる中編となっている。
 章立ては以下の通りだが、これ自体にはあまり意味はないかもしれない。(少なくとも連作短編形式ではない)

 ファイル21 怪異に関する中間発表
 ファイル22 トイレット・ペーパームーン
 ファイル23 月の葬送

 誰の葬儀であるかは一応この感想では伏せるが、あらすじにも明記されているので特に意味のない配慮だろう。
 表紙に登場した彼女は、物語上でもきちんとした形で登場している。
 そのおぞましい存在感は読者にも伝わり、そのおぞましさゆえに祓うべく空魚が決意することになる、そうした物語である。

 一つ述べておくと、この巻は前巻同様に「裏世界ピクニック」としてのニュアンスはほとんどない。
 だが、それでもこの巻は名作回と言っていいだろう。
 関係が深化したキャラ同士の絡みは面白く、シリーズで一番笑ったようなシーンも含んだコミカルさもある。
 その一方で、メインとなる葬儀のシーンにおいては、描かれるべきシリアスがふんだんに描かれて、まさに葬送に相応しい密度の描写が置かれている。

 百合ファンが喜ぶだろう内容も大いに含まれている。
 またSFファンにとっても、今回の葬儀が持つ儀式的怪異対応は面白さがあるに違いない。
 オールキャスト型の物語もまた魅力的である。
 そして、すでに述べたように、肝となる葬儀が読ませる内容だ。

 裏世界ピクニックという主題から外れていて、そこで減点しても、星六つ程度で評価したい一巻である。
 率直に面白かった。良い読書をさせていただいた。

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2021年12月16日

匿名

ネタバレ 購入済み

うるまさつき

またもや空魚の前に現れて、ちょっかいをかけて来たさつきに対し、ケリをつける為に動きます。

今回でうるまさつきとの因縁に決着か!

#怖い #ダーク

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2023年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ第7弾!
1巻からの宿敵、閏間冴月
閏間冴月vs空魚、鳥子、小桜、潤巳
4人での弔い、お葬式
今巻は怖さよりも、切なく、そして清々しく開放された感じがする
それぞれの閏間冴月への想いを抱えて裏世界へ!
潤巳ちゃん……倒れちゃうなんて最後まで何か可哀想…残念な子?に感じてしまう苦笑
空魚ちゃん、人間に興味無いと言いつつ凄く人間らしく成長しているなって、良い方に変わってきてるなってとても思う
閏間冴月という人間との決別後、どんな物語が展開されていくのか気になってしょうがない

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も安定の面白さ。
シリーズ7作目だけど、飽きずに読ませる力量はさすが。

不気味な存在だった閏間冴月との決着。
葬儀、すなわち別れの儀式がもたらす効果。


空魚の大学での講義のシーンもよかった。
文化人類学のゼミでテーマを掘り下げていく様子はなじみがないから新鮮に感じた。

「そのテーマに興味を持った自分の情熱にも、同じくらい率直に向き合うべきかもしれない」

教授の言葉が、本巻の総合テーマにも思えた。

鳥子や茜理、夏妃、るなに対する感情に、空魚自身が率直に向き合おうとする。
人が人として存在し、かかわり、生きること。
空魚の生き方が変わっていくことと学問的興味とがリンクしていくのが面白い。

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2022年04月17日

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