あらすじ
夏の初戦、連合チームに予想以上の苦戦を強いられた新越谷ナイン。しかし、何とか勝ち越しに成功し試合の主導権を奪い返す。このままの勢いで勝ち進めるか…!?TVアニメ化もされた、本格美少女野球物語第18巻!!!
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1年生組の活躍が光る
3学年が揃い大所帯になった新越谷高校野球部。詠深たちに比べて1年生組の力が劣るのは当然だが、スタメンではなくても活躍の場を描くところに作者の各選手への愛情を強く感じる。この巻の中心は表紙の美咲。芳乃もお手上げの状況から流れを変えるアドバイスが大変素晴らしかった。
Posted by ブクログ
大場の思考がまさしく追い詰められた者のそれで少し可哀想に思えてくるけれど、他方でその考え方は最後の瞬間まで諦めないだとか価値ある何かを手にしようとするものであって、哀れみを向けるものではないね
だからか連合チーム全体もこの試合から何かを得ようとしている。そう考えれば樋口と高濱がまるで和解するかのようなチームプレーを見せたのは良かったし、新越谷の勝負強さから得られるものも有ったのだろうね
そうして、負けてしまっても新しい連合チームへ向けて早くも動き出そうとする様は爽快感が有ったよ
新越谷は大会を危なげ無く勝ち進みまさしく好調……なのだけど、ここに来て攻撃面に何とも言えない不満足を覚えるようになりましたか
この点に関しては稜が言及した通りなのかな?今の新越谷は他校から警戒されるレベルの注目校だし練習試合では強豪と渡り合えている。だからこそ、警戒感が薄まってしまう相手との試合では無意識レベルでバッティングにズレが生じてしまうと
これはちょっとやそっとじゃ解決できない問題だね
そんな調子の時にぶつかるのはあの姫宮ですか
以前試合した時に禍根は消せたとは言え、因縁がある相手であるのは変わりない。こちらも無意識レベルのズレが生じてしまうのはやむを得ない相手
と、思っていたら打撃の下振れだけでなくアンラッキーまで固まって起こるとかとんでもない展開だね
スポーツである以上は悪い流れだとか時の運はどうしても存在する。であるならば、どれだけ戦略や計略を固めていたとしても通用しないなんて言えてしまうのか……
ただ、これって単純に悪魔的な采配に拠って新越谷に不運が集中しているだけとも言い切れないのも明らか
怜と金子による試合前の会話から見えるように、怜は軽やかな気持ちで試合に入ってしまっている。主将である彼女がその調子ならチーム全体が同様の調子であるとも言えて
でも、だからって心理と運の隙を突くが如く初回で3失点もするなんて、驚きの展開ですよ
これまでも芳乃が展開の読みを間違えるとか、相手の読みが上回った等の理由で新越谷が追い詰められる展開はあった。けど、読みで追い詰められているならそれは芳乃が納得できる展開でもある
だから度重なる不運に遂に折れかけた時に美咲があの状況において必要な言葉を放てた点は非常に大きいように思えたよ
これまでも美咲って分析的に試合を見ているシーンが多かったけれど、今巻はその面が強く出ていたね。その最たるものがあの喝入れで
てか、スタメンでもない一年生が「いつも通りを貫いて欲しいと思います。このまま終わることになっても!」なんて凄い台詞だ…!美咲自身は緊張から泣いてしまっていたけど、あれは本当にチームが欲していた台詞そのものであり、あのような事を言ってくれえる人材がチームに居ると知れたのはとても大きな意味を持つように思えるよ
……その後の稜の三盗はまさしく空気を変える好プレーなんだけど、若干の空気の読めなさを感じてしまうのは、あれをやったのが稜だからなんだろうなぁ(笑)
でも、本当の意味で空気を変える役割を持つのはやはりチームの主将であるべきで
後輩達の奮闘を見て、怜が気持ちを入れ直すかのような場を設けたのは良かったね。実際は大会や試合が始まる前にしておくべきだったかも知れないけれど、少しの甘えが見えるかのような試合に直面したから意味を持つ言葉とも言える
「みんなと少しでも長く野球をしたい」、その心構えは今の新越谷にとって最も必要なものですよ