あらすじ
凱帝国皇帝・高勇烈は、皇后・李宝麟を嫌っていた。不仲の皇太后の息がかかった后妃だからだ。一度も床を共にせず互いに顔も見ないよそよそしい関係に嫌気がさしていた宝麟は、気晴らしに氷嬉(スケート)に興じていた時に宦官と知り合う。なぜか彼の前では自分を飾らずにいられる宝麟。だが、彼は実は同じく身をやつしていた夫・勇烈だった。互いに正体を知らないまま惹かれ合う二人は…!?
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Posted by ブクログ
面白かった。
この作家さんの作品は「後宮の花」シリーズで知り、ソチラは全巻読破したが、その前に別の「後宮」シリーズがあると知り、今、少しずつ読み始めたところだ。
闊達さが魅力のヒロインー皇后と年下の少年皇帝が政略結婚で結ばれたものの、皇帝は押しつけられた皇后が冷淡だと思い込み、寄りつきもしない。そんなある時、月光を浴びてスケートをしていた健康的な少女と知り合い、皇帝はひとめ惚れしてしまいー。
この謎の美少女が実は皇后であったという設定は、王道といえば王道ではあるけれど、若い二人が少しずつ距離を縮めてゆくプロセスが丁寧に描かれるとともに、宮廷内に渦巻く皇族・宦官たちの陰謀も赤裸々に活写されていて、単なるラブストーリーとしてだけでなく愛憎渦巻く宮廷絵巻としても楽しめた。
ただ一つ気になったのは、皇帝夫妻が毎朝、互いに顔を合わせていながら、なかなか当人だと気づかなかったことである。これはかなり不自然であると思うのだが。
一度も顔を合わせたことがない相手というのなら判るのだが、毎朝、曲がりなりにも顔を合わせている相手である。幾ら月明かりの下で出逢ったからとはいえ、「よく似ている別人」と思い込む下りは、かなり読んでいて違和感というか、ありえないのではと思ってしまった。