あらすじ
ついにカザンの町への入植を許されたクースラたち。鍛冶屋組合の少女イリーネと共に、旅に出る準備を始めることに。 しかしその最中、ウェランドが“錬金術師ではない”という疑いを掛けられ、町を出られない危機に陥ってしまう。最初ウェランドを放っておこうとしたクースラだったが、フェネシスの熱意を汲み、ウェランドを助け出す決心をする。そして、“自分たちが錬金術師であること”を証明する方法を探り始めるのだが──。 眠らない錬金術師が贈るファンタジー、コミック化も決定で、絶好調の第3弾!
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「マグダラ」という地名、ご存知でしょうか。あるいは、「マグダラのマリア」という人物。
新約聖書において、イエス・キリストの復活を目の当たりにした女性の名です。
この作品において、「マグダラ」とは「錬金術師の夢の先」を指す言葉。
新約聖書のそれとは異なる意味で使われていますが、尊い概念であることは変わりありません。
主人公・クースラは髪の冒涜をも恐れぬ錬金術師。
教会の教えに背いた罪で、馴染みのウェランドと共に物語の舞台・グルベッティに送られてくる。
その町でクースラたちを監視する修道女・フェネシスと出会うが、彼女は何やら秘密を抱えていて……?
表紙を見ていただければ分かるように、フェネシスはめちゃくちゃ可愛いです。
物語の面白さもさることながら、女の子の可愛さも大事なこと。
読んでいただければ分かりますが、フェネシスは中身も魅力的。
皆さんも、「マグダラ」を目指す男女の物語、追いかけてみませんか?
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Posted by ブクログ
2巻まででトントン拍子に新天地に行く所まで話が進んだが、ここで閑話休題、新天地に飛ぶまでに問題が発生したよ、という話。ということで話はあまり進まない。
話の中の主要なネタは常に何かしらの考古学から根拠を持って持ってきているようで、そこらへんを読みながら知れるのは楽しい。
3巻になって、フェネシスが徐々に優秀になってきているようで、主人公の役割変わってきてない?とも思うところではある。最後、主人公が騙されて悔しがってる所とか特に。
Posted by ブクログ
第3巻を読破。
前回で無事新たな土地へ行けることになったクースラたち。
そのための引っ越し作業で忙しい錬金術師たちの工房では、クースラとフェネシスがまたしてもひと悶着起こしていて。
財産隠しに怒っているフェネシスは、本当に修道女さまなんだなあ、と思ったり。
私だったら喜んでクースラのお手伝いしてるだろうなあ。
それが人間の心理だと思うし。
払うべきものは払うべきだとは思っているけどね。
出来る限り節約したいじゃん? と。
笑
怒っているフェネシスの失敗で、水銀が爆発。
フェネシスをかばったクースラが火傷を負ってしまって。
水銀って粘り気ありそうだからやばそうだ……。
フェネシスはクースラを心の底から嫌っているわけでもなくて。
むしろその逆だから怒ってるのかなあ。
好きな人が嬉々として、後ろめたさもなく悪事(フェネシス視点)を行っているのは、うん。
嫌だよねえ。
なんだかんだ言いつつも、フェネシスを庇ったり守ったり、彼女の心が離れていったら困ると思っているクースラ。
くっそ、爆発しろ!
あ、爆発していた(水銀が)
そんな中、ウェランドが手を出した娘さんが、ウェランドと離れたくないために手を尽くして。
そういえばウェランド、第1巻でも人殺っちゃっていたけれど、それは修道女に対してひどいことをしていた相手だったよなあ、と思い出しました。
錬金術師って本当によくわからん。
いいやつなのか、ばかなやつなのか。
まあ“マグダラ”に一直線ってところはばかなやつ、だろうなあ。
クースラたちは“マグダラ”に向かってなんでもする、とまではまだいってないからな。
私もフェネシスも「こいつら、実はいい奴なんじゃ……」って思ってしまいますね。
それにしても今回はフェネシスがすっごくがんばっています。
旅の支度ではめちゃくちゃ役に立って。
でも新しく入った鍛冶屋組合の組合長だったイリーネさんの存在に戦々恐々したり。
前回で散々振り回された組が今回はクースラに一矢報いています。
そこんとこは読んでいてニヤニヤしてしまいました。
一筋縄じゃいかない錬金術師相手にぎゃふんと言わせようとがんばってる二人。
ってところを考えるとニヤッとしてしまいますね。
自分の“マグダラ”のために、自分のやり方などを変えることは、敵国が改宗すると同じくらい「あり得ないこと」と言っていたクースラ。
その「あり得ないこと」が起こったり、これからの彼もどうなることやら。
第4巻も楽しみですね。
Posted by ブクログ
評価:☆4.5
眠らない錬金術師と白い修道女が贈る本格ファンタジー、第3弾。
イリーネと共にグルペッティの街を出る準備をするのだが、その際にウェランドが錬金術師ではないという疑いをかけられたり、流浪の民の黄金の羊伝説を調査しにいったりという話。
ミスしてクースラを火傷させたり、イリーネに気後れしてしまったりとまだまだ足を引っ張ているフェネシスがクースラに一発お見舞いするという展開にはしてやられた!
クースラは錬金術師としての自分とフェネシスが期待する自分との間で葛藤し、自分が求めるマグダラとは一体何なのかを改めて見つめ直す。
個人的に、クースラはこれまでずっとマグダラを叶えるためだけに手段を選ばずに生きてきたから、フェネシスの純粋な期待が受け入れにくいんじゃないかなって感じる。
「俺はそんな優しい人間なんかじゃない」と思い込んでるというか・・・そう思うことが過去の否定になるような気がしているのかな。
でも今巻で答えに近いものは出たと思う。
将来マグダラを手に入れるクースラの横にはきっとフェネシスがいるのではないだろうか。
続刊も楽しみ。
「そりゃあ、理屈が明白だからだ。こういうことが百回起きたら、同じ対応を百回取る。ウェランドを助ける選択なんて、万に一つもない」
「同じことをして、異なる結果を期待するな」
「私は、あなたがもっと優しいと思っていました」
「わ、私と引き換えなら、あなたはきっとあの人たちを見逃してくれるだろうって……」
Posted by ブクログ
マグダラどんな本? と聞かれたら「ツンデレ主人公のベタ甘ラブコメ」としか答えようがないですはい←
何故か今までの二冊と比べると格段に軽くなったというか読みやすくなったと言うか……。良い悪いはともかくとして色々と変化のある3巻でした
Posted by ブクログ
ウェランドを助ける話と黄金の羊を追う流浪民の話。
一応話は繋がってはいたものの、トピックが二つある感じ。狼と香辛料だったら、二巻に分かれててもおかしくない。
ウェランドを引きとめようとしてた貴族のお嬢様の描写とかもあっても良かったんじゃないかと思う。
ストーリーは少しあっさりしすぎてた感じ。オチも後半はまだ良かったけど、前半のは少しイマイチ。錬金的な話では前の二巻より落ちるかも。
フェネシスの成長という点では、中々良かった。フェネシスに騙されたクースラが怒るべきか褒めるべきか悩んでるシーンなんかニヤニヤしてしまった。次回は結構大きめの問題がおきそうなので期待です
Posted by ブクログ
マグダラを求める錬金術師 クースラが様々な困難に挑みながら目的のために進んでいく物語。
今回クースラが挑んだのは死者の蘇生、クースラの相棒であるウェランドが捕らえられ、彼のカザンへの移入が不可能となる。解放条件として提示されたのは錬金術師を証明すること、そのためにクースラは試行錯誤を繰り返していくが…。
今巻の見所はクースラが圧倒されるほどのある分野におけるフェネシスの知識と彼女の成長だと個人的には思う。また今巻はフェネシスがクースラに一杯食わせるような場面があり、両者の関係性に変化が訪れているなと感じる。
今巻のラストではカザンへと向かう途中である問題が発生してそこで終わったので次の巻ではどんな展開になるのか楽しみである。
Posted by ブクログ
後半、必要なのかなぁ?
今巻だけの話をすれば妖しい儀式で終われるとおもうのだが。
まあ、ヒロインと主人公の関係を浮き彫りにするとか今までのヒロイン像を少し崩すとかあったのかもしれないが。
正直蛇足に感じた。
これが後で生きてくるのかもしれないのでなんともいえないけど。
Posted by ブクログ
後半のあたりで持ち直したものの、
正直起伏に乏しい日常系の様な作品だなと。
キャラの好みが作品の好みにダイレクトで
影響しそうな作品。
で、
個人的にはフェネシスを見てるとイライラする。(見ては無いけどw)
個人的にはこーゆー娘いじっても
ほんとに虐めてるみたいになるから
いじり甲斐があるとは感じないのです。
クースラもなんか中途半端だしなー。
キャラの根幹が据わってない感じ。
狼と香辛料のがキャラよかったなー
最後は面白かったけどね。
Posted by ブクログ
錬金術というよりもそれぞれのキャラクター達の関係を表した巻。
自分が求める目標のために相手が思う何かを考え、行動し、利を得る。現実的な錬金術で大切なそれはこの世界でなくても大切な事だと思った。
フェネシスの努力や嫉妬は共感できだし、その分、経験則による錬金術とは違う知識をクースラに披露した場面は嬉しくもあった。
人には人の強みと弱みがあって足掻きながらも進まなければならない。
誰かの強みばかり見て、自らの弱さを隠していたらその溝は広がっていく。
大事なのは自らの弱さを自覚して補うように立ち向かうことなんだと思わされた。