あらすじ
W不倫の果てに―――。いくえみ綾が描く渾身の底無しW不倫劇、ついに完結!!
離婚届を書いた美都と涼太。家を出た麗華と、別れたくない光軌。「これで本当にさよならですね」離婚届を提出したという涼太の言葉をにわかには信じられない美都。誕生日だからと最後の乾杯をして別れた矢先、涼太から母が倒れたと聞かされる。一方、光軌は家を出た麗華から「今は離れていたい」と突き放され――。夫婦2組、それぞれの選択とは。出口なしのマリッジライフ、完結。
このマンガの怖いところは、なんといっても主人公の美都とその夫・涼太のイカれっぷり。
主人公の美都は、優しい旦那と幸せな結婚生活を送っているにもかかわらず、ひょんなことで再会した初恋の人・有島と、いとも簡単に関係を持ってしまう。しかも、有島が既婚者だと知っても全くひるまず、逆に「私も結婚してるから大丈夫」と笑ってみせる。
ある意味どこまでもピュアで夢見る乙女の美都には、あきれを通り越して清々しさすら感じます。
美都の夫・涼太もすごい。一見地味だけど優しい、人畜無害の良い夫風のくせに、美都の浮気の兆候を感じると態度が一変。
何の躊躇もなく妻の携帯電話のアドレス帳を開き、その日から毎晩、あ行から「有島」の名前を検索する。でも直接は何も言わない。
何も言わないところが、逆に何を考えているかわからず、怖さを増倍させます。
こんなイカれ夫婦だけれど、他人から見たらきっと穏やかで幸せそうな2人なんだろうかと思うと、なんだか身の回りの既婚者カップルたちを素直な心で見れなくなってしまいそうです。
「不倫」とか「束縛」とか、現実味がないなというそこのあなたも、実は今心がドキドキしているあなたも、イカれ夫婦の未来に目が離せなくなること間違いなし!
感情タグBEST3
すごい漫画
すごいよほんと。
すべてが当てはまるわけはないけど、W不倫を解消したいなら、この本を見るべき(笑)
私はこの本に背中を押されて抜け出せたよ。
許せない人は
うーん面白い…
不倫する人のことをクズだカスだと言う人がいますが
人間弱い生き物です、みんながまっとうに生きれるわけありません。
なのでこの話はどこにでもあり得るし、誰にでも多少の成分はあること。
そんなにこの漫画をせめれる人は正義の味方か何か??
Posted by ブクログ
完全に健全な人間なんていない。誰でも何かしら歪みを抱えている。
運悪く相性の悪い人間と親密な関係になった時にその歪みが酷くなるのだと思う。
美都が有島と再会しなければ、そもそも涼が美都と結婚しなければ、異常行動することもなかった。
確固たる自分があるようで、周囲の人間や環境に影響されて、いかようにも変容するのだ。
正しさが揺るがないはずの麗華が心乱れる自分を発見して驚いていた。
誰のことも”それほど”と思えれば楽に生きられるのにね。
面白かった
色々と考えさせられた全6巻でした。渡辺さんに幸せがきますようにと思いました、、、。人の幸せ、難しいですね。本当に秀作でした!
Posted by ブクログ
共感出来ない、て声をよく聞くけど、
そもそも漫画や物語は共感出来なきゃ駄目なのか。
私はとにかくこの作品にリアリティを感じました。
初恋に飛んでっちゃう美都、なんてことない始まり方、
罪悪感や後ろめたさより勝る恋心への満ち足りる想い、
不倫といえども美都にとっては恋愛だから始末に悪い。
でもなんといっても印象的なシーンは、終盤の方での、
美都の回想『「有島くん」て 誰だっけ」
全てを失うまであんなに恋焦がれた相手でも、
結局は自分自身の生活が最重要事項なわけで、
一時の燃え上がった感情など過ぎ去ってしまう。
思い込み激しい美都の性格所以なんだろうけど、
なんて愚か。そして哀れ。実に滑稽。少し切ない。
不倫を軸に話は進むけどそれぞれ生きてきた環境や
思想や経験から自分がどうあるべきかを見つめ直し、
模索しながら生きていくという終わり方は良かった。
涼太の最後の手紙(メール)は私にとっては救いでも
美都にとっては足枷になるものなのかもしれないな。
まあ枷を背負って生きていかなきゃとは思うけど笑。
まとまってる
まとまったしまだ余韻のあるかんじ、それぞれのキャラのこの先の想像ができる余白を用意してくれたかなと言う感じ。
絵が綺麗なので重くなりすぎてないけど、表情や表現はとても刺さるとても見応えのある最終巻でした。
ミツの
女の子のように天真爛漫なところがあるのに、どこか寒々しい程に冷たいところが女性らしくて好きだなぁと思います。
きっとほとんどの女性が持ってる冷たさだけど、ほとんどの女性が他人には見せないところ。
不倫の渦中は読んだ事を後悔して嫌だったけど、清算した後は清々しく読めました。
やっぱりいくえみ先生はすごい。
もやもや
ズシンと心にくるストーリー。不倫で幸せになることはない。必ず傷付けたら自分にかえってくるし、自分が自分でなくなる。その疑似体験をさせてもらった。心が傾きそうになったらこれを又読みたい。
Posted by ブクログ
ドラマ化もされた本作、ついに完結。
6冊で完結。
不倫が発覚からがけっこう長かった…と私は感じていたので、今回完結の文字を見てこれくらいで終わりだよねと納得。
このお話の登場人物、みんなちょっと好きとは言い難かったんだけれど、嫌悪感で読むことができない…とまではならなかったのはいくえみさんの描き方かなぁ。
涼ちゃんは途中かなり怖かったけれど…。
あ、香子ちゃんは好き!
唯一まとも、しかも何だかんだでお人好しなところが。
終わり方もいくえみさんらしいラスト。
主人公である美都の未来はどうなるんだろう。
みんな、それぞれ生きていく、それはしっかりと伝わってくる終わり方だった。
このキャラクタたちの未来を描くならこういう終わり方がマッチしているように感じた。
おしまい。
Posted by ブクログ
主要キャラクター
渡辺美都(みつ)有島光軌(こうき)
渡辺涼太 有島麗華 飯田香子(きょうこ)
不倫が軸になっている作品だけれど、それを機にそれぞれの生きる道を再確認する物語。全6巻。
既婚者同士のW不倫。世間の物差しには当てはまらない、当事者の気持ちが巧妙に描かれていて、悲しい物語を上手く表現している純文学性が高い作品。
渡辺家と有島家、どちらも元々夫婦仲がはかなげで、どこか満ち足りていない感が漂っていて、だからこそ始まってしまった不倫関係。控えめな互いのパートナーたちの心の乱れ様。育った環境が違ったら、再会のタイミングが違ったら、そんなことが頭をよぎる中、結局決断を下すのは自分自身なのだと、人生を受け止めている姿が印象的です。
こじつけのハッピーエンドを求めているのなら、読まない方が良い作品。リアルに心に響く良作と言う意味で、評価の星は4つ。実際に似た様な立場にいる人が読むのも、何かのヒントになって良いかと思います。
Posted by ブクログ
終わりかた、思いの外あっさりしてたなー。自業自得だけど、これから美都には幸せになってほしいなー。
有島くんがなんだかんだでいちばんもうけた感じ?夫婦のきずなも深まったような…。
涼ちゃんのサイドストーリーがおもしろかった!上の階のお姉さんとなにか起きるのかな?それはそれでおもしろいけどw
Posted by ブクログ
あとがきで「不倫をテーマにしたかったわけではなくて」と言われているけれど、最終的には、
「自分の人生にどうケリを付けるか」ということがテーマだったんじゃないかな、と思った。
自分の生まれや、性格や、恋愛や、そういうことはどうあれ、
最終的に自分の人生に責任をとって、折り合いをつけるのは自分自身なんだ、という。
子どもが親を選べないのと同じように、
自分の人生を選んで生まれることはできない(もしくはその逆)。
それでもなんとかやっていかなきゃいけないし、
きっとそのうち、この人生も「それほどには」悪くないと思える時がくるから。
Posted by ブクログ
最後の あなたのことはそれほど… が、本当にそう思っているような、言い聞かせているような、でもやっぱり本心のような、余韻のあるまとめ方で素敵だった。
あとがきで"不倫の話を描きたかったのではなくこういう状況の人々の動きを描きたかった"的なことが書かれてて、なんだかとても納得した。
不倫してる人もされた人も不倫の物語の中を生きてるわけじゃないし、エンタテイメントではないし、人間だし。なんでそんな簡単なことを忘れて暮らしてるんだろうなあ。他人の不幸に興味を持つのもエンタメ視してるからでしょう。
なに考えてるか不明だった涼ちゃんも人の子であり人であるというのを感じられてモヤモヤの残らない最終巻だった。
占い師のでかい物音が何なのか気になるというモヤモヤはあるか。
完結
美都の方は離婚したし正直どうでもいいって感じだった。
有島家の方が再構築どうするのか気になってたけど、麗華もやっぱり有島好きだから別れられなかったのかな。
モヤモヤ…
1巻~6巻まで単行本で読みましたがモヤモヤ。主人公(美都)の生き方には共感出来ないけど実際居るし不倫するとこうなるんだなとも思う。でもさ、ご主人をあそこまで狂わせたのは自分なんだよね…最後は傷付けたって謝ってたけど...もう少し誠意をみせて欲しいな。まぁこの夫婦は不倫しようがしまいが離婚の道を辿りそうではある。しかし有島夫婦は馴れ初めが意味分からない…なんだかんだ学生時代から一緒に居るんだろうけど有島君ちょいちょい違う女の子(自分の好み)に靡いてるじゃんよ!そこからして不倫するな!コイツって片鱗が見えてる。なのに麗華と結婚してるし、お互い『好き』って言った事無いのにただ何となく居る事が普通で結婚したんだになる。何なら麗華に弁解してる言葉が全部何言ってるんだ!!コイツ!だったな私は。美都の事は好きにはなれないけど有島はドクズだと思う。麗華が実家に帰ってからの行動が無理だよ!早めになんとかしなきゃみたいなのが自分勝手過ぎる。麗華に時間をあげなよ!考えて出した答えに有島が納得するしかないのよ!!麗華の頬に伝った涙が全てなのよ…大切で居なくなったらダメな人を悲しませないで欲しい。美都が街で偶然見掛けた有島夫婦は背中は幸せそうに見えるけど、最後に1人で焼き肉食べてる麗華は何を思ってるのか…何回読み直してもモヤモヤする。