あらすじ
都市の最上層にたどり着き、さらにその最上部を目指すチトとユーリ。人工知能が残した地図を頼りに旅を続ける中、ふたりはロケット発射施設や膨大な蔵書を抱える図書館に立ち寄り、世界が終末を迎える前から連綿と続いてきた人々の行為に思いを馳せる。その後、再び最上部へと進路を取るふたりだったが、旅の行く末に影を落とすトラブルに見舞われてしまい……。終末世界を生きた少女ふたりの旅路がフィナーレを迎える最終巻!
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約束された終末
この結末は最初から見えていた。わかっていた。
物語の中から得られる情報から考えたらこれしか無かった。
それでも確かめずにはいられなかった。
読者の思いとチトとユーリ二人の思いが重なった物語だった。
最後までタイトルに相応しい作品だった。
Posted by ブクログ
最上階にはまだ稼働しているシステムが残ってるなんて、甘い期待だったか…。
でももう少し、残ってるレーションのカロリー分は生きることを足掻いてみたと思ってる。
階段以外にもどこかへ続く通路があったかもしれない。
ふたりの終末旅行は続いていく…。
Posted by ブクログ
とても文学的な作品だった。
そしてとても美しい作品だった。ひたすらに。
誰もいない終わりの世界でずっと「上」にあるものを目指し続けたチトとユーリ。
そんなふたりが最後にたどり着いた「一番上」。
持っていたものはすべて使い果たして失って、たどり着いたそこには何もなかったけれど、
「生きるのは最高だったよね…」「………うん」二人がそう言いながら見上げた星空は涙が出るくらい美しかった。
私が見てきたマンガ作品の中でこんなに美しいシーン、あっただろうか。こんなに美しくて、切ないシーン。
(この巻はふたりがケッテンクラートとお別れするあたりからずっと泣きながら読んだ。)
たぶん生きるってそういうことなんだろうなって思う。この作品のふたりの旅、そのもの。
絵が細かい。
絵が繊細で綺麗で雄大な世界観を表現しているからこそ、2人の行動の何気なさが際立つ。
上を見たい、2人ずっと一緒にいたいというだけでよく食料も水ももっているなー。と感心。人がいろんな欲を持つからこそ文明を発展させて行ったのだと理解できる。2人が生きる事に執着していたら確実に違うものになってた。