あらすじ
朔太郎、白秋(はくしゅう)、犀星(さいせい)らの作品からイメージされたキャラが大活躍! 膨大な資料を下敷きに創作の喜びや絶望、詩人たちの戦争責任にまで言及し、近代日本の歴史をも活写! 漫画にしかできない表現で漫画というジャンルを超えた傑作をぜひその目でご覧ください!!
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近代詩歌俳句、と聞いてみなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。正岡子規?与謝野晶子?中原中也? そもそも学校の授業では、近代文学そのものに接する時間をそう長くは持てなかった方も多いかもしれません。
本作は、□街(詩歌の「し」・短歌の「か」・俳句の「く」で「しかくがい」!)という近代日本のような架空の街に住む、萩原朔太郎や北原白秋、室生犀星、三好達治、正岡子規などの詩人や作家本人ではなく作品イメージをもとに創作されたキャラクターたちが、詩を作ったり、作れなくて苦しんだり、街はずれの丘の上にある天上松にかかっている身元不明の縊死体を見つけて検証したり考察したりしながら、ひいては文学と戦争の関係が匂わされたりする、詩歌俳句ファンタジーマンガです。読んでいて次から次へとジェットコースターのように話題が転換していくので、支離滅裂なようにも見えますが、史実とフィクションのバランスが非常に絶妙で、読み進めずにはいられないほど先が気になるのです!
キャラクターとして登場する詩人に全集があればすべて読んでいるという作者の知識がふんだんに生かされた本作、すべての文学少年少女&元文学少年少女必読の書です! 作中にちりばめられたいろいろな作品が気になった方は、それぞれの詩人の詩集なども是非ご一緒にどうぞ。
感情タグBEST3
⬜︎街とは?
石川くんがトリップして、いくつかの時代を経験します。
そこで未来の日本や自分が何者なのかを知るのですが、そもそも⬜︎街とは何なのかと疑問を持ちました。
キャラクター達も歴史上の人物そのままではないですし、白さんガールズもどういった役割があるのか今後の展開が読めないです。
読んでいて情緒が安定しませんが、どの話も楽しいです。
Posted by ブクログ
辛いサイパン編終えて一部時代戻りました。
重い。もう読んでられないと重いながらも啄木キタ、とか、三島ー!とか、思う自分はきっと毒されてます。
朔太郎の病みっぷりが普通に見えてきました。
Posted by ブクログ
3巻では、室生犀星、石川啄木らがそれぞれ時空を超えて少女と恋(?)に落ちる。淡々と描かれているのに、なぜかせつない。相変わらず狂った世界なのに、だんだんそれが心地よくなるから不思議。
Posted by ブクログ
"犀 だいじょうぶだよ
言葉は現実を覆すことはできないけど
同じ夢はみせられるよ"
核心に近づいているような気がしてもよくわからなくて。
言葉と絵に良くも悪くもくらくらとさせられる。
"「兄さん
巻き戻してもまた9月1日は来ますよ
1940年もまた来るんですよ」
「それでも
何度も 何度も巻き戻して やり直したら
違うところに行けるかもしれない」"