【感想・ネタバレ】月に吠えらんねえ(2)のレビュー

あらすじ

□(シカク:詩歌句)街。そこは近代日本ぽくも幻想の、詩人たちが住まう架空の街。実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎や北原白秋らの作品から受けた印象をキャラクターとして創作された、詩人たちと近代日本の業と罪と狂気の物語。衝撃的な内容で話題の1巻に続き、近代日本の闇へ踏み込む第2巻登場!

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近代詩歌俳句、と聞いてみなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。正岡子規?与謝野晶子?中原中也? そもそも学校の授業では、近代文学そのものに接する時間をそう長くは持てなかった方も多いかもしれません。
本作は、□街(詩歌の「し」・短歌の「か」・俳句の「く」で「しかくがい」!)という近代日本のような架空の街に住む、萩原朔太郎や北原白秋、室生犀星、三好達治、正岡子規などの詩人や作家本人ではなく作品イメージをもとに創作されたキャラクターたちが、詩を作ったり、作れなくて苦しんだり、街はずれの丘の上にある天上松にかかっている身元不明の縊死体を見つけて検証したり考察したりしながら、ひいては文学と戦争の関係が匂わされたりする、詩歌俳句ファンタジーマンガです。読んでいて次から次へとジェットコースターのように話題が転換していくので、支離滅裂なようにも見えますが、史実とフィクションのバランスが非常に絶妙で、読み進めずにはいられないほど先が気になるのです!
キャラクターとして登場する詩人に全集があればすべて読んでいるという作者の知識がふんだんに生かされた本作、すべての文学少年少女&元文学少年少女必読の書です! 作中にちりばめられたいろいろな作品が気になった方は、それぞれの詩人の詩集なども是非ご一緒にどうぞ。

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感情タグBEST3

30

購入済み

詩の背景

詩人歌人自身のことから当時の社会情勢まで描いていて、改めてその詩が作られた意味を考えさせられます。
詩単体で読むよりも、作られた背景を知ることでまた違った見方が出来ました。

巻末では月吠世界の地理が紹介されていて、他の芸術界隈も今後関わってくるのかな、と楽しみになりました。

#エモい #ドロドロ #ダーク

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2022年09月28日

Posted by ブクログ

よい文学を読み終えた時の虚無感、また己を直視せざるを得なかった時、見てはいけなかった他人の素顔を見せられた時の、孤独感。一巻は前者が強かったけれど、この二巻は後者のほうが効いたかな。ここにあるのは人間の暗部であり、深部だ。

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2014年11月11日

Posted by ブクログ

白さんの子供の頃の話とか中也くんの話が印象に残った。
白さんと朔くんの関係と複雑な世界観にもやもやしつつもそれが楽しい。
それにしても比較的まともかと思ってた三好くんもやっぱりたいがいだった。
犀もどうなるのか…。

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2014年11月05日

匿名

購入済み

作家さんが、ほんとうに詩や詩人のことを詳しく調べて、愛情を込めて描いたのが伝わってくる名作マンガです。

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2021年02月01日

Posted by ブクログ

立ち止まるといつまでも読み進められないから意味のわからないところはそのままに楽しむことにする。
詩人たちとは真逆の姿勢だけれどそうしないとおかしくなってしまうし……

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2017年03月26日

Posted by ブクログ

本文中の詩は実はナナメ読みしかしていないけれど、雰囲気を感じるだけでも面白い作品。
主人公の朔太郎はほんとに狂ってる。好き。

0
2015年05月21日

Posted by ブクログ

1巻は探り探り読んだ感じだけど、この巻で一気に引き込まれた。色恋沙汰と大戦の凄惨さ等々が入り交じり、時代やら精神世界やらを行ったり来たりと目まぐるしい。
そして安定の朔。病みに病んで狂ってるけど時々的を得た事を言う。けどやっぱり狂ってる。
空襲の中、敗戦を経験した作家と日本の敗戦を知らない作家(正確には作風を擬人化した者)が集まっているシーンが感慨深い。

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2015年03月08日

Posted by ブクログ

“「そのために君は自ら望んで心を病んでるんだろう?」
「望んでません
おれは健康になりたい…」
「ほんとうの君は健康体なんだよ
それをわざわざその太く立派な神経の保護膜を削ぎ落とし
剥き出しにしてぶるぶる震えさせている
自ら望んでそうしているんだ 壊れたいから壊れ」
「白さん やめてください」”[P.41]

ぞくりとする表紙。
裏の少年かわいいなーと思ったら白さんだった。しかも作中じゃ怖い。
朔のいじったテレビがタイムマシン的な役割を果たしたの?
ナツメの印税でちょっと笑った。あの猫ちゃんは……。

“「はぁーん…また酔って絡んで殴られたんだね…
君はほんと破滅的だね…おれとよく似てるよね…」
「似てねえよ」
「似てるよぉーそっくりだよー
医者のダメ息子で…神経過敏で厭人症で…
君のそれ 神経症の一種さ…
好きだと思った友達をぶん殴っちゃったり
あべこべのことをしなきゃいけない強迫観念が…
そんなんだからすぐ他人を突き放して
怒って背を向ける相手を追うことしかできないんだよね」”

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2014年10月28日

Posted by ブクログ

内容は凄いんですが、取り上げた時代が申し訳ないながら個人的に嫌いな時代なので評価下げ。
硫黄島とかその他、日本が関わった最近の戦争中心です。
半銀河鉄道風にいろんな時代に跳んでる室生犀星(でいいのか、犀さん)。
どうでもいいですが、白さんも大概病んでいる。
大好きな「金魚」題材に使われたのは嬉しかったです。

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2015年06月08日

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