【感想・ネタバレ】聲の形(7)のレビュー

あらすじ

「じゃーな、西宮(にしみや)」。硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。繋がる想い。そして、再開した映画作り。時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。

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あなたは何のためにマンガを読むだろうか。娯楽?暇つぶし?感動したい?
それらを求めている人には、このマンガは不向きだ。

退屈を嫌う主人公・将也が、聴覚障害を持つヒロイン・硝子をいじめるところから物語は始まる。「障害といじめ」という、少年誌にしてはディープなテーマを描いているが、「いじめる側」と「いじめられる側」は固定化されず、あるきっかけで逆転する。いじめられて初めて、将也は自分のあやまちと、硝子の強さに気付く。

この話に説教臭さはない。むしろ淡々と2人と周囲の関係が描かれ、第2巻で少しずつ将也の変化が見えてきたところだ。「障害者にも分け隔てなく」と、声高に叫ぶでもなく、泣くでもなく、無理に感動を誘うわけでもない。「さあ、どうする」と、読みながら宿題を出されている気分になる。

元となった読切版は、かつて新人賞を受賞したものの、その内容のために掲載が見送られてきました。しかし『別冊少年マガジン』に掲載されるやいなや、その号の読者アンケートで『進撃の巨人』や『惡の華』を抑えて1位になったというから、この作品の影響力がいかほどか分かります。
私は読切版を読んだ時に、久々にいい作家に出会ったと感じました。それだけに、連載版を今後も大切に描いてほしいと、切に願っています。(書店員・鮭)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

元から持ってたけど、あんまり印象に残ってなくて、映画を機に再読。なんでか涙が止まらなくて…

人生は、人間は、みんな、みんなだ。みんなそれぞれ偽善者で、からっぽで、おせっかいで、いじっぱりだ。
この物語の中で、キャラクターだけ抜き出したら好感が持てる人物なんてせいぜい主人公の母だけなのではないだろうか?
みんな、みんな、どうしようもない。
どうしようもなさの果てに死を企図してしまいさえする。

でも、それでもみんなそれぞれ一理あるようなことを言うし、それぞれ気持ち悪いような言葉を吐いたりするし、なにを考えてるのかわからなかったりする。

みんな、みんなそうなのだ。
ただ一つ言えることは、話してみないとわからないということ。
ちゃんと顔を見て、声を聞いて、向き合おうとしなければなにも得られない。たしかに、得るものは罪や恥でもあるかもしれないが、でも、可能性もすぐそばにあるのだ。いつだって。


いろいろなことがあった。いろいろな苦悩があった。
でも、でもやっぱり、まだ死ぬには値しない。

1
2020年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石田が抱えた少年時代のトラウマ。それを克服するためにしてきた行動が、登場人物それぞれに抱えた問題を掘り起こし、ついには爆発してしまう。
しかしそれは決して後ろ向きなことではなく、人は生きていくためには傷を負いつつ、周囲を巻き込み支え合いながらも前に進んでいく。
意識を取り戻した石田は、硝子とその家族と触れ合い、そして失われたと思っていた友情にも触れる。みんな不器用ながら、それぞれの道へを歩みを進めていく。
最終巻。

0
2021年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読してこんなにしんどい話だったかな…と再度衝撃を受ける。登場人物それぞれがなんとなく不安定で、初めて読んだ時はとにかく続きが気になってしょうがなかった。
3巻の植野再登場シーンは個人的名シーン。「持ってなるものか…興味など!!」こういうちょっと可愛げのある所が主人公の魅力で、嫌いになれないところ!

0
2021年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このマンガが合わなかった人、嫌いな人と話してみたい。
このマンガのテーマはコミュニケーションだ。だから、このレビューでもコミュニケーションを試みたいとおもう。

(まだ書き終わってません。もし読む人いたらちゃんと文書まとめて続き書くます)

よくある批判として、こんな展開はありえないだとかこんな思考はおかしいだとか、登場人物と読み手の小学生時代を重ねたときのズレをもって強い反発心を抱いているようなレビューが散見される。もちろんその負の感情は大切な感想だし、狙いどおり強い感情を起こした作者冥利に尽きることだとはおもう。しかし、本当の学びはその先にあるはずだ。
なぜなら、そのような負のレビューは、小学生時代の石田将也や植野直花のスタンスと変わらないからだ。つまり、あなたは本当に理解しようとしたのか?自分の論理で突き放しただけではないか? 、ということだ。

この物語の登場人物はすべて実在の人物だと考えることはできないだろうか。
そこには、石田将也という一人の人間がいる。
そこには、西宮硝子という一人の人間がいる。
「いじめの加害者と被害者」や「障害者」という理解では本質から遠ざかる。
彼らはあなたの想定外の感情と行動を起こしうるし、何があってもそれは起きてしまう事実だ。


このマンガに聖人はいない。見方によっては全員クズだとも言えるし、全員悪くないとも言えるだろう。
つまり、もし、強い負の感情を起こさせるキャラクターがいるのなら、その肩入れするだけの読み手の偏りがある。


0
2018年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
「じゃーな、西宮(にしみや)」。硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。繋がる想い。そして、再開した映画作り。時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。

【感想】
たくさん泣いて、たくさん笑って、たくさん辛いことがあって、たくさん嬉しいことがあって…それでも生きるのことをあきらめないで、前に進もうと足掻いているみんなを見たら、自分もがんばろうと思えた。

0
2017年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

漫画喫茶で流し読みしました。
登場人物がみんな、嫌なところや弱いところを抱えていて人間味があった。むしろ一貫していい人なんてほとんどいなかったのでは。。
イジメをやってしまったという過去の過ちにとらわれ、なかなか1歩を踏み出せずにいる主人公にもやもやしてしまった。過去は変えられないのだから、環境を新しくして心機一転がんばれば良いのに…と思ってしまったけれど、学校という狭い社会ではそれは難しいのですかね。私はこれまでイジメたことも、イジメられたこともなければ、作中にあるような激しいイジメを目の当たりにしたことはなかった。でも現実にはあるんだろうな。そういう人たちは今どうやって生きているんだろう?後悔しながら生きているのでしょうか?

0
2021年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻。なんか思ってた感じの終わり方ではなかった。最初の読み始めたときはケガで石田も耳が聞こえなくなったりとか話せなくなったのかと思ったけど、ただ水飲みたかっただけなのか、ってちょっと期待ハズレだった。石田と西宮さんはもっとしっかりくっつくなり告白するなりして欲しかったなぁ。川井さんのあの感じはそのままなのか〜とか。でも1〜7巻まで通して読んだらとてもいい話だったんだと思う。すごくいいテーマ。正解はないと思うけど。

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2017年08月26日

ネタバレ 購入済み

あれ?

ラブは未消化である

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2022年05月28日

匿名

ネタバレ

すっきりしないが教師は

これで完結でいいのか…。
すっきりしないが教師は見るべき作品だと思った。

結局いじめに加担した連中の中で悔い改めたのは主人公くんだけ。
まともに改心せず、これからもなぁなぁのまま何となく関係続けてくのか…。

命を絶とうとした彼女のことをよく殴れたなぁ。大怪我をしたのは主人公くんだけど、心に大きなケガを負ってる彼女の心は変わらず無視か?好きな人を傷つけたやつのことは好きなだけ傷つけていいのか?
まじめぶりっ子ちゃんは結局自分が悪い自覚すらない。「気持ち悪い」について考えたのか?
落ちた主人公くんを引き上げた二人は、過去に傷付けたけど、助けた…けどそれで何?

命を絶とうとしなきゃ改められない?
命を絶とうとした人を目の前にしても改心しない?
世の中を写実した作品ということ?
これを読んだ方がいいような人たちは手にとるだろうか。


おばあちゃんが亡くなってしまったところは泣きました。あったかいおばあちゃんでした。

0
2024年01月30日

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