あらすじ
イタリアから帰国し息子セリョージャとの再会を果たしたアンナだが、心の平穏は訪れない。自由を求めるヴロンスキーの愛情が冷めていくことへの不安と焦燥に苛まれながら、彼とともにモスクワへと旅立つ。一方、新婚のリョーヴィンは妻キティとともに兄ニコライの死に直面するのだった。芽生えた不信と不満。幸福の絶頂のあとに訪れた、行き違う二人の微妙な心情を、緊張感あふれる訳文で鮮やかに描きだす。
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Posted by ブクログ
ここでもトルストイの筆は冴えている。
巻末の読書ガイドも素晴らしい。今回は読み方。マインドマップと象徴性に注目していて、こういうのを知ると長編の名作を読むのがやめられなくなる。
以下、メモ。ネタバレあり。
・キティ(カーチャ)のニコライの看病。理屈としての死と女性から見た死の違い
・ドリーの妊娠、出産、子育ての苦悩。P390。転じてアンナの生き方への評価のまなざし。
・快活なアンナ。人生の大事な部分に関して、眼を細めてしまう。これは小○今日子や他の不倫した女性にもあてはまる印象だ。あくまで印象だが。
・公爵令嬢ワルワーラの都合のいい、アンナ評。社会的に不健全でも、うわっつらだけ合わせることは、今の時代も結構あるが、それを活写したかのようだ。P463
・ドリーとアンナの距離の突然の認識。P509