【感想・ネタバレ】機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上)のレビュー

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映画見てきました。

2021年06月22日

中学時代に近所の図書館に稀にしか借りられず、読み漁っていたガンダム小説。この閃光のハサウェイだけはなかなか見つからず、読まずにいました。その後、悲しい結末であることを知り、キャラやモビルスーツを知りながらも読むのを避けてきていました。映画化されると聞き、先週見に行って、読んでみました。やはり、小説を...続きを読む読んで映画のあの場面の言動の意味はこういうことなのかとわかる楽しみを思い出した。例えばハサウェイのホテルを後にした後の「夕方の便にしようかな」の言葉、映画では何気ない一言、ただ意味のある一言だあることなど、奥深さは小説読んで初めてわかるところ。また来週2回目見に行こうかな。久しぶりに楽しめたガンダム映画で中、下巻も読んで、映画を見に行こうと思う。

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Posted by ブクログ 2011年05月23日

このレビューに辿り着くということは、貴方はよほど熱心なガンダムファンか、あるいは熱心な富野信者でしょうか。
であるなら、本作のストーリー・面白さ・悲劇性・あるいは富野成分の濃さ(笑)については、今更解説する必要はありませんね。

本当に、誰も救われない話です。登場人物がその無慈悲な運命に翻弄され蹂躙...続きを読むされるような話は、私の好みですが、この「閃光のハサウェイ」はかなりキツい。下巻にてハサウェイが捕縛されてから処刑執行までの展開には、辛くなって何度も本を閉じてしまいました(結局また開いてしまいますが)。

ハサウェイが辿る人生の軌跡は、かつてのシャア・アズナブルを彷彿とさせます。恵まれたニュータイプの資質を持ちながら(本人たちは謙遜していますが、ことMS戦闘においてはシャアもハサウェイも優秀なニュータイプといえます)、不思議な少女と出会い、悲しき別れを経て、革命を志しテロ組織の首魁となりますが、やがて破滅的な最期に向かって転がり落ちていった…
こんな風にまとめると、二名は同じ轍を踏んでいます。明らかに著者の意図したところでしょう。歴史は過ちを繰り返すとはいいますが、これではあまりにやるせない。

ハサウェイとブライト・ノアのすれ違いも、今作の無常感を高めていますね。ブライトについての描写は控えめですが、撃墜されたガンダムを眺める時の台詞などでストーリーを引き締めているし、ハサウェイ処刑後のノア一家についても、あえて書かれないことが想像力を掻き立てます。

それにしても、今作を書き上げた時富野氏はどんな心境だったのでしょうか…日々明るい気分だったら、こんなストーリーにはなりませんよ。ララァ・スンとかギギのようなスピリチュアル少女をよく出させるのも、考えあってなのか、ただの好みなのか、気になるところです。本当に面白い人ですね。

ガンダムと長く付き合っていてまだ未読の人は、是非手にとってみてください。きっと、あなたのガンダム観をより広げてくれると思います。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

宇宙世紀で一番女難の相が出ているのはハサウェイ・ノアではないだろうか…。

クェスに人生曲げられ、ギギにとどめを刺され…。

まあ、そんなことはどうでもいいんだけどね。

ガンダムという一連の作品は人という種がいかに地球と共存していくかということにあると思う。
そして、その両極端にあったのがアムロと...続きを読むシャアで。
それは極端だからこそ、一般的に普通に生きていこうとする「地球の重力に魂を引かれた人」たちにはどちらも受け入れられなかったんだろうなあ。

そして、そのどちらもを受け継いでしまったハサウェイは…。

どいつもこいつも純粋過ぎるんだ…。

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Posted by ブクログ 2020年06月21日

テロリズムを考えるための作品。今年映画が公開される、富野監督による『閃光のハサウェイ』の原作小説。大昔、確か中学か高校の頃に読んだはずだったのに、当時はガンダムが出てこないことにしびれを切らして楽しく読めなかったことしか憶えてない。今回再読して唯一、ああ、昔読んだなと思い出せたのは79頁でハサウェイ...続きを読むがジンジャエールを頼む行だった。確かここを読んでから、それまで飲んだことがなかったジンジャエールを積極的に飲むようにしたことを今も憶えている。

閑話休題。『閃光のハサウェイ』は、富野監督のガンダムにしては珍しく、最初からテロ組織が主役の作品である。1stガンダム、Zガンダム、ZZ、逆襲のシャアは全て、地球連邦軍(正規軍)の独立行動部隊、ホワイトベースだったりエゥーゴだったりロンド・ベルだったり、色々あるけれども、とにかく官軍のはぐれ部隊だった。『閃光のハサウェイ』でハサウェイが指導者を務めるマフティー・ナビーユ・エリンは腐敗した地球連邦政府の高官の粛清(暗殺)を任務とする秘密組織、革命運動でもテロ組織でも呼び方は何でもいいけど、とにかくテロリスト集団である。尤も、マフティー結成の背後にいたクワック・サルヴァーなる人物は元地球連邦軍の将官で、連邦政府に反旗を翻してマフティーを結成したという背景が語られているので(234-235頁)、実態としてマフティーはZとZZのエゥーゴに限りなく近いのかもしれない。因みにマフティーの語源が本書28頁でスーダン語だと説明されている通り、19世紀にイギリスのゴードン将軍によるスーダン侵略を打ち破ったマフディー(救世主)・ムハンマド・アフマドに由来している。ZZでやたらアルジェリアの話や、グレミーの科白からカミュの言葉が出てきた辺り、80年代後半の富野監督はアフリカに特別の関心があったらしい。

さて、本書の上巻では、このテロ組織マフティーが地球の人々から広汎な支持を集めていることが何度も何度も描写されている。本書第10章(118-135頁)の「ハンター」では、地球に滞在するための正規の居住許可証を持たない宇宙出身者を強制送還させる地球連邦の軍警察組織「ハンター」が、地球(本書で舞台になっているのはフィリピン南部のダバオ)の人々の怨嗟を集め、地球連邦政府へのマフティーのテロリズムを人々が支持している様子が描かれている(125-126頁)。また、地球連邦軍がマフティーを制圧する際に、連邦軍の武力行使の方がマフティーよりも多くの民間人を殺傷している描写もある(連邦軍による市街地への被害を考慮しないミサイル使用。155-156頁)。特に前者のビザ無しの不法滞在民を2000年代以降の先進資本主義国がどのように扱っているかを思えば、本書が30年前に書かれていたことの先見性には舌を巻く。

にもかかわらず、富野監督が偉いと思うポイントは、富野監督が決してマフティーことハサウェイを、大義のためならどれだけ犠牲者を出しても問題ではない、と考える人物には設定していなかったことであろう。


“「マフティーの言う正義の爆撃で、いったい何人の民間人が、死んだと思う? 三百人をこえたんだぞ…?」
「そうか……」
ハサウェイは、憂鬱になって、自分の部屋にもどろうとした。
「そっちじゃない。民間人は、そっちは出入り禁止だ。」
「あ……? ごめん……」
「どうした?」
「いや、マフティーがはっきりとした戦いの目標をかかげても、そんなに人を殺していれば、いつかはマフティーが生贄になるなって、そう思って……」
 それは、ハサウェイの実感である。
 ケネスは、ハサウェイとの会話のなかから、なにか危険なことを感じたにしても、ここまで会話をしてしまえば、ハサウェイは、彼との関係は、どうでもいいことのように思えた。
 しかし、その上でも、この結論にたどりつくのは、切ないものであった。
「そうだよ。おれが、奴の首を刎ねてくれる」
「……頼むよ。大佐…全面的には賛成はできないが……」
「それはそうだ。おれだって、同じさ。自分の立場に、全面的に賛成しているわけじゃない……」”
(本書205-206頁より引用)


自ら選んで腐敗した地球連邦政府打倒のための革命家・テロリスト・ゲリラ戦士となったハサウェイは、しかし、自らが行うテロリズムの犠牲者に心を痛めてしまう完成の持ち主だった。というよりも、現実のテロリスト達の少なからぬ人々がそうであった通り、そういう感性の持ち主でもなければ思想で武装闘争を始めようとは思わないだろう。「マフティーがはっきりとした戦いの目標をかかげても、そんなに人を殺していれば、いつかはマフティーが生贄になるなって、そう思って……」。1954年に滞在していたグアテマラの民主的に選出されたアルベンス大統領がCIAによるクーデターで倒されたのを目の当たりにしたことを契機に、医者からゲリラ戦士へと転じたチェ・ゲバラは、革命は愛の実践であると語りながらもキューバ革命勝利後に旧バティスタ政府軍の要人を大量処刑した。だからこそゲバラが『ゲリラ戦争』で示した自らの極左戦術の無効性を証明する形で、ボリビアで処刑されたことには、一応はテロリストとしての筋は通っているのである。本書のマフティーことハサウェイもゲバラと同様だったのであろう。自らの行うテロリズムに胸を痛めながら、大義のために手を汚す。長生きできるタイプではない。本書130頁でマフティー=ハサウェイが憧れる人物としてシャアを回想しているが、遥か昔に小説を読み、映画を観た『逆襲のシャア』で描かれたシャアは、独善としか言いようのない発想で地球に隕石(アクシズ)を落とそうとするオウム真理教のような人物にしか見えなかった。本作でシャアと同様の問題意識(地球連邦政府の腐敗と、地球環境の破壊)を抱きつつも、テロリストであるハサウェイを大義に狂った人物にしなかったのは、大きな救いになっていると、私は思う。

最後になるが、本書でもう一点印象に残ったのは、ハサウェイがΞガンダムを受領するための合流地点に向かう際の少年との会話であった。

“「しかし、マフティーは、地球にいる人間はみんな宇宙に住まなければならないっていっているのは、認めるのかい?」
「そこがちょっと賛成できないんだけどね。地球が汚染されているっていう話は、おれにはわからないけど、みんなが宇宙に住んで、地球を自然のままにした方がいいっていう話は、わかるよ。観光だけはやってさ……」
「そうすれば、君は失業しないものな?」
「そうさ……地球連邦政府って、偉い連中は好きに地球におりられて、普通の人は、おりられないってのは、こういう仕事をしているとわかるんだ。連中は、金の使い方や口のきき方でわかるからね。偉い連中は、おれたちをバカにしているもの」
「じゃ、ぼくもそうだな……」
「そうだね……特権階級でなければ、地球におりて来られないものな」
「嫌いかい?」
「……それはいいっこなしにしよう。人は、知らないことは知らないまま、バカはバカのままの方が楽だって……」
「すごいな……君は……」
「宇宙の人間は、地球に住めるだけで、幸せだっていっているらしいけど、そりゃウソだぜ? 偉いさんたちの面倒をみる仕事をさせられて、奴隷みたいなのいるんだから。だから、なにも考えないようにしているんだ」
「フーン……」”
(本書224-225頁より引用)

不法移民に対する先進資本主義国の取り扱いの話を上述したが、不法移民が万難を乗り越えて中央アメリカから北アメリカへ、アフリカや中東からヨーロッパに入ったところで、そこは決して楽園ではない。「宇宙の人間は、地球に住めるだけで、幸せだっていっているらしいけど、そりゃウソだぜ? 偉いさんたちの面倒をみる仕事をさせられて、奴隷みたいなのいるんだから。だから、なにも考えないようにしているんだ」。もし移民の2世、3世が、今後公開される映画のこのセリフを聞いた時(できればここは映画化に際してカットしないで欲しいと私は思っている)、どんなことを感じるのだろうか。

以上、上巻の書評となった。中巻と下巻が楽しみでならない。

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Posted by ブクログ 2012年05月02日

富野由悠季が映像化しないということで書き上げた作品らしく、また好評との口コミもあったので読んでみたいと思い購入。

原作である逆襲のシャアの続編。
ハサウェイがクェスを殺してしまった、その後となる。
が、物語の冒頭からハサウェイはマフティーになっていて、シャアの反乱から今までの話がないため、どういっ...続きを読むた過程でそうなったのかはわからない。
マフティーはすべての人類は宇宙へ挙るべきだと主張するからには、シャアと同じく地球を休ませるべきだと考えている。武力による実行という線からしても、人類の革新を夢見るアムロよりはシャアよりだと思う。
でも、トップというにはまだ幼い気がするな。冷静でもないし、冷酷でもない。祭り上げられているキャストみたいだ。
戦闘能力は高いみたいだけれど。この物語の結末は知っているのだけれど。。。今後、物語がどのように進展していくのか期待。

カーディアスという名前が出てくる。UCの元はこれか?

これに出てくるモビルスーツ、モビルスーツというより、ドラグなーっぽいと思うのは、、わたしだけ?

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Posted by ブクログ 2021年08月01日

中学生のときにどハマりして読み漁った富野さんの小説を久しぶりに手に取った。
ガンダム史上、一番悲劇的なラストを迎えると話題の本作。
でもガンダムって結構悲劇的なラストが多いので、その中でも一番の悲劇ってどのなものか気になるところ。
上、中、下、の3部構成になっており、2021年の6月に公開された映画...続きを読むは丁度本作、上に相当する部分である。

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