あらすじ
【ソーシャルワーカー】再婚した妻の連れ子との距離を測りかねる夫。ある日、その連れ子が友達に暴力をふるってしまう。【NICU part 3】かつてペルソナで「鉄の女」と呼ばれていた新井恵美。彼女が、新たなフィールドで見たものとは?
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出産は、奇跡である──。
出産には、保険がきかない。なぜなら、出産は病気ではないから。
しかし、絶対に安全な出産など、この世には存在しない。
産む側も産まれる側も常に命懸けで、2020年には全世界で20万人以上の妊婦が出産で命を落としている。
そんな“命を授かる奇跡”と“命が誕生する現場”に関わる人々を真摯に描いた『コウノドリ』。
主人公のサクラは、生まれてすぐ母を亡くし、乳児院と児童養護施設で育ちながら「生まれてきたすべての赤ちゃんに”おめでとう”と言いたい」と願う愛情深い産科医。その一方で、情熱的な演奏をする謎多き天才ピアニスト・BABYの一面も持ち合わせた人物である。
そのミステリアスなサクラが、出産のリスクやアクシデントに直面しながらも、お母さんと赤ちゃんの命のために奮闘して、真剣に寄り添う姿に何度も心が揺さぶられる。
2015年、2017年のテレビドラマ化でも話題を呼んだ、奇跡の物語。
母から生まれたすべての人に、読んでいただきたい。
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NICUと在宅医療その一
・身体的、精神的、社会的、経済的理由で、限度を超えて親が孤立すれば、子供の虐待は誰にでも起こり得る。
・子供に病気や障害があって、医療ケアが必要なケースでは、虐待に至ってしまうことが多い。
なぜなら24時間、医療ケアが必要な子の両親は、ゆっくり眠る時間が無いからだ。
睡眠不足になると、どんな人間でも魔が差すし、壊れていく。
・「NICU(ここ)に入院している子供たちには、効果が少しでもありそうならば、良かれと思う治療をどんどんやっています。
ただ・・・NICUを卒業した子は、もう二度とNICUに帰ってくることができません。
なので在宅医療では、効果がはっきりしない治療、止めてもよさそうな治療は続けてはいけません。
NICUをそのまま、お家に持って帰り、お父さんやお母さんに医師や看護師の行う医療を求めてしまえば、
それは子供から両親を奪うことになりかねません。この子たちのパパとママを医療者にしてはいけないんです」
・「コノハを見て思ったんです。この子はずっと私が守ってあげないと死んじゃうんだなって。
…私のことは誰も守ってくれないのに」
・デイサービス:医療ケアの必要な子を日中だけ預かる施設。看護師や理学療法士が常駐。
・「在宅医療は本当にしんどいと思います。でも子供と離れる時間は子供の成長のためにも必要ですし、
母親や家族がその時間を自分のために使うのはいいことだと思うんです」
・「オレにはNICUで本当に人を救っていたかなんて分かんないです。
ただ、オレたちはNICU(あそこ)で誰かを不幸にするために命を救ったことは一度もないっしょ」
「…そんなの当たり前じゃない」
・「家というのは暮らしのある場所ですからね。生活をしながら在宅医療を続けることは、
ご両親やその家族がNICUで想像していた以上に過酷なことです。
でもそんなことは親の愛情があれば乗り越えられるはずだとか、安易に言う人もいます。
しかし絶対に両親の愛情を、その解決策にすり替えてはいけないんです。
医療の進化によってNICUで救われる命は増えたのかもしれません。
だからこそNICUは、その子を含めた家族も一緒に支えられるNICUに変わらなければいけない。
私はそうならなければ新生児科医が本当に、子供たちを救うことにはならないと思っています」
Posted by ブクログ
元DV被害者連れ子と新しい夫。問題が発覚してから和解。
ペルソナを辞めた新井先生が頑張ってる。そんな矢先、新井先生の元患者で3歳の子供が低酸素脳症でずっとケアが必要な状態で限界を迎え、娘を殺す。新井先生母親の独白を聞き続け心が折れかけるが、大学病院に戻った白川先生と再開し奮起。
Posted by ブクログ
向井さんにスポットが当たった巻。できるならばお世話にならない方がいいけれど、お世話になればきっと忘れられない存在になるんだろうな、ケースワーカーって。向井さんのふんわりした温かさが光っていました。コノハちゃんを手にかけてしまった森元さんが痛々しい。夫や義母の不甲斐なさ、当事者意識の無さに本を投げてしまいそうになったくらい。白井先生がずいぶんと雰囲気変えて登場して、次巻はにぎやかになりそうです。