【感想・ネタバレ】人類資金Vのレビュー

あらすじ

資本という魔物に食い尽くされつつある世界を救うには。呪われた遺産『M資金』の継承者たる自分がなすべきことは。求道者のごとく問い続けながら世界を彷徨していた笹倉暢人は、流れ着いたアジア辺境の小国でついにその答えと出会った。自分がしたことの真の意味を知った真舟の前に立ちはだかるものは。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

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資本主義の限界というか制度疲労というか暴走というか本質的に抱えている問題の露呈、といったことをエンターテインメントのなかで語られている。僕はこういう小説、好きです。

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2014年09月14日

Posted by ブクログ

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福井晴敏によるM資金にまつわる長編第5弾。
「M」が正体を明かしたことにより、ついにその計画も明るみに出、暢人もローゼンバーグの囚われとなってしまう。その時、石は、真舟は、なすすべもなく見送るしかなかった。
一方、清算人として生きてきた遠藤はある特質により優れた清算人となった。彼の父ハリー遠藤、暢人の祖父、ハロルドの祖父との関係も遠藤の回想の中で語られ、複雑な人間関係もようやく形が見えてくる。
いよいよ先が気になるが、ストーリーがどこに落ち着くのか、福井晴敏だけにありきたりな終わり方はしないだろうと期待したい。後2巻、じっくり楽しみたい。

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2015年08月22日

Posted by ブクログ

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暢人らの目的は、未開の国に通信インフラとPDAを配置し、情報格差のない世界を作ることであったと明かされるが、犯行が露見してしまった以上、メンバーは捕らえられて尋問を受ける。

「始めた者はいい。どんな目に遭っても、自分で選んだことだとあきらめがつく。だが、最初からその結果を生きなければならない者はどうなる?」と言うように、終戦当時の遺産であるM資金を守ることを宿命付けられた日米の家系の物語でもある。

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2015年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

思ったより面白くない。
描写が長く長く細かく、うまく作ってあるけど肝心の答えがそこかぁ。
いっそ宇宙にでも飛び出せる額なのに、PDAどまりか。
ハロルド・マーカスの言うほうが真実味がある。
PDAじゃなくて、せめて水濾過装置とか砂漠化を止めるとか空気浄化装置とか、生命へのインフラ装置じゃダメだったのか。
人への投資と言うけどもう少し別の答えはなかったんだろうか。

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2015年07月12日

Posted by ブクログ

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まさかここで性善説、性悪説について考えさせられるとは思わなかった。
M資金の使い道、M資金が生まれる経緯が明らかにされるのだけれど、実在の人物、出来事が織り込まれて話が進んでいくものだから、なんだか小説を読んでいる、というよりは歴史書を読む気持ちになって、「え……これ全部本当のこと……?」と思っちゃいそうになって非常にアブナイ……。ドンパチが起こる巻ではなくて、M資金誕生時の人びとの思いが、それはもう熱く語られる。世界を変えるためにMの考えた方法は本当に価値があるのかを考えること、それは人間をどうとらえるかというその人の思想が関わってきて、私も「人間って……?」と思わず一瞬考えてしまった。

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2015年01月07日

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