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Posted by ブクログ
小林泰三さんと宮部みゆきさんは、このアンソロジーでなく読んでいたのですが、改めて、う! (ーー;)
岩井志麻子さんは日本らしい、湿気たっぷりのホラーで、やはりうまいですよね。
去年から読みはじめて、ようやく完読。
ことしは去年よりも読みたい本がたくさんあるので、出だしは順調でうれしいかも。
Posted by ブクログ
「子供を沈める」
いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。
被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。
被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。
もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越える事が、これ以上ない被害者に対する真摯な反省と償いになるということなのだろうか?
加害者4人が全員、追い詰められて自殺をしてしまっていたら、よくある怖い話。
もちろん、いじめは絶対に問答無用でしてはいけないことだが、加害者が現実を受け止め、これからも向き合おうとする覚悟を被害者も受け入れる展開になっている事で、何か救いのある贖罪の物語に昇華しているような印象を受けた。