あらすじ
夜から次の日の朝まで開いているビストロ「キッチン常夜灯」。同期の南雲みもざに連れられて、34歳のつぐみは初めて店に足を踏み入れて以来、「今日は常夜灯に行く」ことを、仕事のモチベーションにしている。つぐみは、みもざが店長を務めるチェーン系レストランを経営する株式会社オオイヌ・本社営業部に所属している。「女性活躍」の目標のもと、女性が店長になった代わりに、ベテランの男性社員が本社勤務になった。そんな彼らに気を遣いながら、日々仕事に忙殺されているが、直接お客さんと接するわけではなく、やりがいを見出すことが難しい。結婚を意識する彼氏とも、最近ぎくしゃくしはじめている。仕事で疲弊する分、オフを充実させようとするものの、充実が何なのかが自分でもよく分からず、毎日不満とストレスだけが蓄積されていく。そんなある日、秋のデザートメニュー開発を頼まれてしまい……。
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Posted by ブクログ
かなり性格的に自分と重なる部分が多くて、つむぎが自分の落ち度に気づく度私もぐさっときてありがたかった。これから社会人になっていって、何度も読み返して忘れないようにしたい。人はしっかり見ているし、気持ちがこもっているがどうかは伝わって、信頼につながる。みんな愛すべき「人」なんだ。
「私は他人から羨まれたいと思っている。いつも主役でいたい。だからこそ何かにつまずく度、こんなにも焦り、腹を立ててしまう。いったい私は何様のつもりだ。」
「私は迷うことから逃げてきたかもしれない。じっくりと取り組むことを拒否してきたのだ。」
「これまでの大先輩たちだって、悩みに悩んで、今の「シリウス」を築きあげてきた。それをないがしろにしては先に進めない。」