【感想・ネタバレ】海街diary 8 恋と巡礼のレビュー

あらすじ

鎌倉を舞台に繰り広げられる四姉妹の物語、最新刊。

家のゴミ箱で見つけてしまった妊娠検査薬のことを誰にも相談できず、気持ちが落ち着かないすず。そんなとき、地蔵堂の軒下で眠っている千佳を見つけて、彼女の秘密も知ってしまい・・・。

姉達には隠したまま、千佳とある願掛けに出掛けるすずだが、そこで事件が・・・。

そして姉妹それぞれの恋が、大きく動き始めて!?

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稲村ヶ崎、佐助稲荷、江ノ電のホーム…読むたびに潮の匂いが蘇る。鎌倉・湘南も吉田秋生さんも大好きな私にとって、まさに俺得な作品です。
29歳・22歳・19歳の姉妹と13歳の腹違いの“妹”が、父の死をきっかけに一緒に暮らすところから始まる物語。1995年発表の『ラヴァーズ・キス』と設定が一部リンクしているので、併せて読むのもおすすめです。
エピソードのそれぞれが、誰もがいつか直面する人生のワンシーンです。死にゆく人との向き合い方、実らぬ恋の終わらせ方、抗えない現実を受け入れる方法…と並べると深刻なようですが、吉田先生のタッチと相まって読後感はとても清々しいです。
モノローグの一つ一つが印象的で、中でも「死ぬために故郷へ帰ってきた人と 生きるために故郷を棄てようとする人 どちらもつらく悲しい」(2巻より)という一節は、ふるさとの意味を考えさせられます。それでも鎌倉は山も海もただ静かに在って、人々を見守り見送る街として描かれています。読めばきっと鎌倉を歩きたくなりますよ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ


・乙女の祈り
そういうことかぁ〜〜 これ、店長がヒマラヤで死んじゃったら千佳がシングルとして子どもを育てていかなきゃならなくなるぞ。まさかそのパターンではないよな? やめてくれ〜 


・恋と巡礼
うわぁーーー神回だ〜〜〜 ボロ泣きですよこれは
幸と佳乃、上の姉ふたりの関係がほんとうに好き。やっぱりこの2人ってめちゃくちゃ似てるんだよな。彼氏と破局するタイミングも、新しい彼氏ができるタイミングもだいたい同じだったし。いざという時のふたりのツーカーのコンビネーションが本当に頼りになる。
幸(と佳乃)が千佳を叱るときに、「すずに重荷を背負わせて傷つけた」ことを決め手として使ったのがすごい。この作品が四姉妹モノである意味がここでようやく分かった気がした。
浜田店長を心配して妊娠を伝えないことが、彼の登山家としての誇りを傷つけることにもなること。至極真っ当な意見。何より、千佳を愛している、千佳の恋人としての彼を信じてあげられていない、ということでもある。まぁ実際、妊娠したら平静でいられないだろうからあんまり責められはしないが。そこまで含めて実に生々しく良くできた話だと思う。
すずと千佳の関係もいい。歳が近い千佳がいたおかげですずは鎌倉での「女子寮」生活にすぐ慣れることができた。これまであまりメインの視点人物にならなかった千佳は、「死」と同様に、あまり焦点は当たらないかもしれないが、日常的につねにそこに居続ける、居なくてはならない存在なのだろう。この漫画の基盤には千佳の存在がいるのかもしれない。
千佳、店長と結婚してあの家を出ていっちゃうのかなぁ。そういうのも含めてお姉ちゃん達は「特上」の寿司3つを頼んだんだろうなぁ……と思うとほんと泣ける。



・姉との旅
すずが進学を決めた掛川の高校へ幸と入学説明会に行く。
鎌倉から掛川かぁ 新幹線から天竜浜名湖線に乗り換えて2時間半くらい? 「茶畑駅」のモデルどこなんだろう
一面に広がる茶畑を「海みたい」とすずが言ってくれて嬉しいよ…… 女子サッカー部の友達も出来そうで、高校生編も読みたいな〜と思った。ないのかな
幸が何度も、つらかったらいつでも帰ってきなさい、とすずに声を掛けるのが……泣
それを聴いたすずが「きっと大丈夫」と言って、姉を追い越して走り出すのがまた……泣
一方、妊娠中の千佳が佳乃に付き添ってもらって神社巡りの続きをやるのも「姉との旅」だ。おちゃらけコンビのふたりも、それぞれに随分と変わったなぁと感慨深くなる。
千佳もすずも居なくなったら幸と佳乃だけになっちゃう!? どうなるんや……あの家を取り壊して終幕パターン? それはテーマ的にもすずの帰る居場所を残しておくためにもないか。
オチの付け方おもろい 取っといたかまぼこ板を有効活用できて自慢げな幸姉かわいい


・満月と言霊
そういや三姉妹のお母さんってまだ生きてたな。すっかり忘れてた
娘が結婚妊娠したと聞いてテキトーなお祝い品だけ送りつける母。そういう人もいる。この漫画は基本的にすず達に「縁」があった人たちの群像劇なので、母はほぼ出番がないのだろう。まさしく人生だ。
三姉妹の末っ子である千佳は、そんな母にも良い幻想を抱いており、だからこそ、娘である自分が愛されていないのではないか、という不安が襲いかかる。それを新しく出来た妹・すずの手弁当が救う。
すずと風太がチャリで巡る海沿いの街道の風景が素晴らしい。ふたりの、互いに少しずつ好意を隠さずに伝えようとしている雰囲気がたまらない。
いっぽう幸姉は彼氏・井上と、月夜のせいにして初夜を迎える。こういうときにも幸は佳乃に「今夜は帰れない」メールをサラッと送るんだな。マジでいい関係
めちゃくちゃ異性愛主義・出生主義な物語である一方で、今回のように、「家族の絆」を素朴に礼賛せずに、それに縛られて苦しむ人々もいることをも描く。
ヘテロカップルとなる「恋人」って、はじめはその人の家族でもなんでもない訳で、しかし結婚して「家族」になって子供を作ると、そうして疎んでいたはずの家族主義に自らが取り込まれていく。バランスというか、良くも悪くもというか、「縁」というか……とにかくそういう佇まいのある作品だ。




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2024年11月15日

ネタバレ 購入済み

平和

いろんな事があってみんな不安要素もたっぷりですが、本当に支え合っているし、わかり合っているんだなと思います。まだみんなのわちゃわちゃを見ていたい!

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2020年12月28日

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ネタバレ

すずの2年間は怒涛の2年間。
幸田三姉妹にとっても色々あった2年間。
濃密な2年だろうな。。

ところどころに散りばめられた秀悦な言葉たちに、はっとさせられる。

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2020年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チカの妊娠・結婚、すずの進学、幸と佳乃の恋も進展して、4姉妹揃っての生活もあと僅か。
不安も不満も無くはないけど、それぞれの将来に向かって準備中の幸福なシリーズ8冊目です。
4姉妹が鎌倉の家で過ごす最後の夏。
夏の終わりって、どこか寂しい気持ちにさせられますよね。

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2017年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チカちゃんの巻であり、すずの鎌倉・中学最後の夏でもあり。季節は移り変わっているのに表紙の空のブルーから何となく初夏を思わせる作品。チカちゃん(+上2人)の母が鮭を送ってきたの何となくわかるような気がしてしまう。何に対しても現実感のないふわふわした人っているわ。あとラバーズキスから続く月の光に動かされるというのは自然に近い世界にいるからかな。哀しいかなそれほど都会にいる訳ではないのにそういった感覚が失われてる。

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2017年06月07日

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ネタバレ

チカちゃんが妊娠し、すずは静岡の学校へ進学することが決まった。四人姉妹が離れ離れになる日は近い。鎌倉を恋の巡礼をするチカとすず。その気持ちを思うと、胸がいっぱいになる。

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2017年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それぞれの物語が順当に進んで行く巻。
幸と佳乃の姉貴っぷりがいつにも増して濃い目。
幸がすずに「頑張ってみてダメだったら帰っておいで」という場面は感動。
本当に家族なんだなあ、と。
こう言ってくれる人が家族に居るって、羨ましい。

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2017年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いのだけれども。
こういう形の結婚は私はどうしても受け入れられないかな。
絶対っていうことはないけれども
相手と子どもの人生を背負うわけだから。

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2022年07月10日

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