あらすじ
ある日、香田家にすずの叔母と名乗る女性から電話があった。四姉妹は彼女と会うことになったけれど…。古都・鎌倉を舞台に、家族の絆や人と人の交流を情景豊かに描く大人気シリーズ。生と死をみつめた感動の第5巻!マンガ大賞2013受賞作!
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稲村ヶ崎、佐助稲荷、江ノ電のホーム…読むたびに潮の匂いが蘇る。鎌倉・湘南も吉田秋生さんも大好きな私にとって、まさに俺得な作品です。
29歳・22歳・19歳の姉妹と13歳の腹違いの“妹”が、父の死をきっかけに一緒に暮らすところから始まる物語。1995年発表の『ラヴァーズ・キス』と設定が一部リンクしているので、併せて読むのもおすすめです。
エピソードのそれぞれが、誰もがいつか直面する人生のワンシーンです。死にゆく人との向き合い方、実らぬ恋の終わらせ方、抗えない現実を受け入れる方法…と並べると深刻なようですが、吉田先生のタッチと相まって読後感はとても清々しいです。
モノローグの一つ一つが印象的で、中でも「死ぬために故郷へ帰ってきた人と 生きるために故郷を棄てようとする人 どちらもつらく悲しい」(2巻より)という一節は、ふるさとの意味を考えさせられます。それでも鎌倉は山も海もただ静かに在って、人々を見守り見送る街として描かれています。読めばきっと鎌倉を歩きたくなりますよ。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
・彼岸会の客
すずの母の妹(=叔母)が今さら鎌倉まで会いに来てお金を渡したい、と連絡があった。
ふだん呑んだくれてるぶん、佳乃がキリッと真面目にすずの保護者としての振る舞いをしてる凛々しい姿にはグッときちゃうな。話しながら手に「念のため」の缶ジュース持ってるのは笑えるけど。二日酔い対策
幸が30、佳乃が23、千佳が19だったっけ。すずが14だから、実は千佳とすずはそんなに離れてなくて、幸がかなり妹たちと離れてるんだな。
4人が並んだコマがある。すずと幸ってもう背丈一緒なんだな。ますます見分けがつきにくい。千佳だけ一回り高い。
陳謝している人に対して「どうか手をあげてください」? 「頭をあげてください」の間違いでは。
北川のおばさん35かー若いなぁ いい人そうで良かった
「すずというたからもの」
許さないこと、許されないことで通す親子の筋。
赦すことも赦さないこともあるように、途切れる縁も、また新たにできて長く続く縁もある。
・秘密
海猫食堂のおばちゃんやっぱりそうか…… うぅ……重い……辛い…… でも町の人々の人生を描くということは、大切な人の死までの道のりに付き添って看取るとこまでちゃんと描く必要があるんだよな。
そして裕也も…… 残念だけど仕方ないね。もう次の新たな道を歩き始めてるのほんと凄いよ。彼もまた、すずのように、同年代の他の子よりもキツい経験をして早く大人にならざるを得なかったということ。
“この際だからハッキリ聞くけど おれらといると…キツいか?”
“この際だからハッキリ言うけど それはない!”
マジで良い。
そしてすずと風太は、それぞれに話したくても話せない「秘密」を抱えながら逢う……満開の桜の下で……
・群青
うあ〜…… 泣ける……
まさか3週間であっさり逝くとは。長く描かれるより気が楽だけど。
山猫亭の福田さんとデキてたのかどうかは闇の中
いつもはおバカなとこしか見せない賑やかし要員のマサをこう使うのはずるいよ……泣くって。
幸も佳乃もマジでかっこいい。医療と金融、健康とお金。どちらも人の生活と人生に向き合う仕事であり、この職業設定のチョイスは必然的だと感じる。
上の姉ふたりがこうなってくると、千佳のおちゃらけマイペースさがまた沁みてくる。と同時に、千佳だけがあんまり「物語」の主役にはならないワケもよーく分かる。
裕也は辞めずに残ってくれてマジで良かった。風太がどんどん成長して尊敬できるやつになっていく。まぶしいよ……風太……
裕也と風太の男同士の関係がすごく良くて、なるほどだからこそ賑やかし要員としてマサが要るんだな、と納得した。(その上で、先述の通りマサ自体の奥行きも同じ話で見せてくるんだから構成が完璧)
マジで「人生」についての漫画だな
・好きだから
いやサブタイトルはブラフかーい! てっきり風太がいよいよ告るのかと……
幸の乳がん発覚からの良性診断までを1話で爆速でやる。前話のおばちゃんの件といい、かなり巻いてる?
この巻は、すずよりも幸が主人公だったな。緩和ケア病棟の主任に異動して、あらためて自身の仕事と向き合う。
医療者は「他人事」だからこそ役にたつ。よくいう話ではある。
てか、食べ物がいつも本当においしそうなんだよな。その土地の自然と文化と歴史と食を通じて人々の人生を丹念に描く。こういうところも国シリーズに似ている。
Posted by ブクログ
何故このサブタイトルなのかがしっくりくる。
長女の思い、次女の思い、四女の思い。。
(何故だろう、三女ってあまりメインにならずエピローグが少ない気が。。。)
お涙ちょうだい!というぐいぐい来る感じではなく、時が流れて、こうなって。。というむしろ静かな感じだけれど本作は辛くて泣ける。。
風太凄いなぁ。。
勉強が出来なくても、こういう上司とか学校の先生とか、「きちんとみてくれる」人というのは、小さい頃からそうなのだろうな。。。
当たり前に毎日がきて、当たり前に朝を迎えられることについて考える。。
Posted by ブクログ
この巻は、海猫食堂のおばちゃんが亡くなってしまう。
残された人達のそれぞれの気持ちがよく分かる。
多田くんが、サッカー辞めなくてよかった。
「海街」シリーズは、
普通に生きていて起こる悲しい出来事を
乗り越えていく強さと優しさを感じる。
>ひとごとでかまわんのとちゃう?
優しさが溢れてる。
すずのお母さんとお婆さん。
>許さないことで筋を通し
>許されないことで筋を通そうとしたんだろう
ここにも愛がある。
Posted by ブクログ
すずのおばあさんの遺産のことで、すずの叔母さんと会うことになった。叔母さんは意外といい人だった。
海猫食堂の二ノ宮のおばさんが病気になって、あっという間になくなった。アジフライの味を残して。
山猫亭のシラストースト。明日作ってみよう。
アジフライも食べよう。
Posted by ブクログ
知っている人、仲の良い人が亡くなる。
これは、かなりのストレスで。
頭では、人間はいつか死ぬとわかっていても、やはり受け止めきれないものがあり。。
でも、亡くなった後も、その人の痕跡は残る。
その痕跡を絶やさない限り、その人は、みんなの中で生きられる。
そう思う。
Posted by ブクログ
すずの叔母と名乗る人登場!
またもひと波乱ありか!?と思いきや、普通にいい人。
良い親族が増えるのはいいこと。
この巻のメインは海猫食堂。
ホント、人の生き死にってお金が絡むよなー。