あらすじ
醜い椅子職人は、椅子の中に潜んでいる。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派な屋敷に納品された。革一枚を隔てて味わう女体の淫靡な感触に溺れる日々を送った男は、女を愛し始め、女との接触を試みる……
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Posted by ブクログ
私が大好きなお話です。
初めて江戸川乱歩の作品に触れたのがこちらでした。読んでいて独特の気持ち悪さと恐怖が背中を走りました。でも、面白くて読みながら1人でニタニタしてました。どんなもの食べたら人間が椅子に入るなんて考えるのでしょう。変態ですね。素敵です。
Posted by ブクログ
単純に男がキモすぎる描写、現実との一致で小説なのか実体験なのか分からなくてヒヤヒヤする描写が巧すぎる。
時を経ても読まれる作品ってこういうものなのだろうと感じた。
※オーディブルで作品鑑賞済
Posted by ブクログ
奇妙、奇天烈!そして普通であったはずの登場人物達にさしこまれる「魔」が狂気や悪意へと駆り立てる描写がピカピカすぎてよかったです。
表題作の『人間椅子』がやっぱりお気に入りですね。オチで、ちょっと和らげて露悪コメディみたいにしてるのも、あー、ゾッとした…みたいなお化け屋敷から出た後みたいなある種心地よいスッキリ感すら感じられました。
・目羅博士の不思議な犯罪
鏡写しのマンションで暗示的に殺人をする…
奇妙ーッ
・断崖
探偵小説風でもありながら、鋭く人間の底知れぬ悪毒を感じられる一作
・妻に失恋した男
10ページしかないとは思えない密度の探偵小説
・お勢登場
人間椅子の次にお気に入りの一作。
フッと魔が差し込んでしまったお勢の心の移り変わりと、閉じ込められてしまった夫の気も狂わんばかりの描写が見事すぎました。
・二癈人
作中の物語のオチは読めたが、大オチは読めませんでした。
・鏡地獄
発狂具合がたまりませんね
・押絵と旅する男
世にも奇妙な話に出てきそうなのが、こんな前から作られてたんですね
Posted by ブクログ
人間椅子は噂にのみ聞いていて、実際にお目にかかったことは無かったものの、ストーリーはなんとなーくこんな感じかな?と想像してから読んだ。思ってたのと全然違った。
切ない…!やってる事が気味悪いから仕方ないが、彼の中での“恋人”に対してなるたけ不快感を与えないことに終始しているのが良い。性欲を満たしたいなどの欲求ではなく、ただただ、愛した人に愛されたかったのだろうな。そして拒絶される事も承知の上だったから予め、恋文を創作物としてしまおうとする手紙も用意していたんだろうな…切ない話。
これ、恋文を受け取った夫人が岸辺露伴だったらこの男に会ってみただろうなぁと思うし、私も会ってみたいと思う。
後の短編作品もそうだが、語り部がどこか浮世離れしていて、きっと目の前に居たら触れ合うのを躊躇してしまうのだろうな、という空気感が絶妙で良い。今まで普通だった人間が狂っていく様が淡々と、絵画のように展開されていく。
特に二癈人の虚脱感、たまらん。