あらすじ
昭和13年、浅草。人気の歌舞伎一座・猿田屋には、物の怪が憑いているという噂があった。
襲名式の取材で猿田屋を訪れた新聞記者の柏木は、一座の内儀の凄惨な遺体を発見する。
遺体の状況は、巷を騒がせる連続通り魔事件の犠牲者と酷似していた。
襲名式でのみ披露される幻の演目『猿神』と猿田屋が祀る御柱様という神木の謎。
柏木は吉原を守る盲目の青年・朱雀十五とともに、御柱様の正体に迫っていく――大人気シリーズ第6弾!
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Posted by ブクログ
久々の朱雀十五シリーズ。
馬場刑事、柏木さんが多めで。でも、朱雀さんが良いところをネチネチと捲し立てていく、いつもの展開。
歌舞伎は興味はあるものの見た事ないのですが、歌舞伎場面の描写は臨場感があり一気にそそられました。
一族で完結しているし、事件が繋がって仕舞えば何となくあっけなかった感じですが、なかなか不穏な終わり方でした。
5作目からだいぶ空いての6作目。次も期待していいのかな。
Posted by ブクログ
久しぶりのシリーズだったけど、朱雀は後方って感じで今までの傲慢な?振る舞いは弱いなぁと思ってしまったんだけど、こんなもんだったかな?(←肯定はしていない)
間接的であったし、新聞社の面々が前面だったから、そう見えてしまっただけかな?
今回はホラー色が強く、かつ猟奇的、怪奇的…目を背けたくなるような描写もあり、読破出来るか不安だったし、歌舞伎の演目も読むのにくどくならないかとも思ったけど、良い中和剤になってくれて、何度か今誰の心情を述べているのか分かりづらいところもあったけど、思いの外流れるように読み進められた。
結果として、これは怨嗟だったのか祟りだったのか、彼らの血筋に起こった不運として片付けてよいものなのか…。
道徳、倫理、不条理なことまでして守らなくてはならないことか…どこかで断ち切るタイミングがあったのでは?と考えさせられた。
最後の馬場の言葉がこの物語の複雑さを表現していた。