あらすじ
昭和9年、浅草。神隠しの因縁まつわる「触れずの銀杏」の下で発見された男の死体。だがその直後、死体が消えてしまう。神隠しか、それとも……? 一方、取材で吉原を訪れた新聞記者の柏木は、自衛組織の頭を務める盲目の青年・朱雀十五と出会う。女と見紛う美貌のエリートだが慇懃無礼な毒舌家の朱雀に振り回される柏木。だが朱雀はやがて、事件に隠された奇怪な真相を鮮やかに解き明かしていく。朱雀十五シリーズ、ついに開幕!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
朱雀十五のキャラクターが実に良い。戦前でちょっと不気味な事件を解決するのですが、神隠し。本当に朱雀は目が見えていないのだろうか?次巻が物凄く楽しみだけど朱雀出るの遅いよっ。
Posted by ブクログ
中盤からのぐらぐらが読んでて心地よい悪夢。ベラドンナの時も思ったけど、不安定な視点の描写がすごく好きかも。バチカンと違い科学的な話はあんまりなく、文学的だったり民俗学的だったりな小話がチラチラ出てくるのも楽しい。でも意外なところで繋がってくるので油断ならない。
Posted by ブクログ
京極夏彦感をかなり感じる。時代設定が近いというだけでなく、登場人物の役割やら落ちの付け方なんかも似ているので、作者本人がかなり影響を受けているのではないだろうか。しかし、京極夏彦の方がずっとレベルが上だと云わざるを得ないかな。
集中できていなかったからかもしれないが、話がぽんぽん飛んですごく分かりにくかった。最後の種明かし部分読むまで、どういう流れで話が進んできたのかよくわからずイライラしてしまった。落ちもかなり強引。朱雀の盲目設定は今のところ特に必要性を感じないものだが、次巻以降何かあるんだろうか。多分読まないけど…
Posted by ブクログ
本を手に取り物語を読み始めた瞬間、読者は異世界への扉を開ける。
一冊の本に詰まっているのは、どこまで行っても終わりのないような異世界の出来事である。
舞台は昭和9年の浅草。
かつてこの地で起きた神隠しをプロローグに、幻想的な物語は幕をあける。
主人公である朱雀十五は盲目だがそれをまったく感じさせない立ち振る舞いと言動で、初めて会った柏木を翻弄する。
捉え所のない朱雀という人物が何を考え、何を手がかりに真相に迫っていくのかは描かれていない。
だが、鋭い洞察力で目には見えないものから真実を探りだしていく。
物語は怪奇小説のようでもあり、ミステリーでもあり、面白く読むことができた。
しかし気になる点がなかったわけではない。
歴史的な背景として描かれている「既定の事実」には現在では賛否両論がある。
物語が執筆された時期を考えると仕方がないのかもしれないが、それでも何となく引っ掛かりを覚えてしまった。
Posted by ブクログ
前置きが長いような気もしましたが、だんだんと進むにつれて謎が気になり一気に読んでしまいました。推理は少し強引なようにおもえました。全体としてはまぁまぁな印象です。
Posted by ブクログ
こういう小説は、ホラー要素と推理要素のバランスが大事だなぁと思いました。
結構怖かったです
場面転換が多く、伏線のちりばめ方やら、文章の書き方やらで頭が少々混乱するような印象
真相が二転三転して読めなくて面白かったけど
ちょっと無理やりな個所もあったのでそこはしっくりこなかったかな
切ない結末でした
Posted by ブクログ
うーん、なんだろう、このレトロな感じ……。
時代は時代として、古ーいミステリーを読んだみたいな…。
もちろん、そういう雰囲気を狙ったんだろうけど、ちょっと疲れた。
Posted by ブクログ
主人公の朱雀十五が出てくるまでが長くて、だるくて読み進めるのが辛かったけど、一番辛かったのは柏木。どうしても私には彼の性格が嫌で嫌でしょうがなかった。
政治色というのか実際の歴史にも忠実な面が多くて、バチカンが好きだからという理由で手に取るとちょっと厳しいかもしれないです。
それからタイトルの探偵という文字から、ミステリーを想像するのもダメですね。かといってレーベルのホラーというのも首をかしげたくなるレベル。
じゃあなんだろうかと考えても、良いたとえが思い浮かばない。
なんか別の作家で読んだことあるような中途半端な雰囲気とウンチクが散りばめられた、ホラーのような小説って感じでした。
Posted by ブクログ
昔から神隠しの噂がある、吉原の花魁弁財天で目撃された死体が消えた
取材に来た新聞記者・柏木は軍に目をつけられ担当を外されてしまった
花柳界担当となった柏木は吉原自衛組織の頭で元検事の朱雀十五と出会う
消えた死体事件を調べる柏木には現実のものとも思えない不思議なことばかりが起きていく
神隠しの正体と消えた死体にまつわる陰謀…
Posted by ブクログ
話としては面白かったんですが…
登場人物が全然好きになれなくてなかなか読み進められなかったです。
特に柏木が好きじゃない…というかむしろ嫌いな感じで、彼には苛々させられっぱなしでした。
でも最後の謎解き辺りは面白くてあっという間に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
ストーリーは面白くて雰囲気は京極堂シリーズに似ていました。そこまでは何も問題はないのですが、個人的に柏木くんがとても嫌いです←
何かにつけてすぐにキレて「うそだ!」とか「僕は行かないっ!!」とか言い出すので数行読むたびにイラついてしまいました。ただストーリーや事件の謎は複雑怪奇で面白く和洋が良い感じに混ざり合った時代設定も好きです。だから柏木くんもうちょっとキレる回数とか駄々こねる回数減らして欲しいな。
Posted by ブクログ
新しいものと古いものとが交差する昭和初期。
神隠しや吉原、士官などが上手く絡んできて面白いなと。
東さんの性格が学生の頃とかなり変わってしまっていたことが、さみしくもありましたが、それがこの時代なのかな。
Posted by ブクログ
藤木さんのお話に共通するのは、中盤なぜか数ページ読み飛ばしたくなること。推理は一切しない前提ミステリーとして読んでるからか、種明かしが早くよみたくなってしまう。種明かしっていうのは、金田一みたいなトリックの明かしではなく、その背景。陰謀とか政治とか。実際の歴史とつながって終わるのがいつもたまらない。バチカンはヨーロッパ、このシリーズは戦前日本。私、こっちのがたまらなく好き。本筋とは違うが終盤に出てくる「いまの政治家には欲だけでビジョンがない、それが問題なんだ。しかし軍は頭は悪いがビジョンを持っている。」という部分がかなり印象的。
奇妙な粗雑感
相当雑駁ではあれ時代背景の設定と掌握は、小説としては悪くはない。
だが肝腎のホラーのほうが。雑というかこじつけというか、末尾部分のタネ明かしにつながる伏線の設定が乱雑すぎる。
そのために通奏低音としての猟奇の浮き上がりが弱い。 もともとは短編向けの着装だったものを、乱暴に膨らませすぎた結果だろうか。
登場人物を三分の二程度にして、場面も三割方削って、丁寧に書き込んでいけばホラーとしての仕上がりも良くなっただろうに。
出来の悪い大正昭和の極彩色浮世絵の覗きからくりを見せられただけに終わった気分。著者好みの「おどろおどろ」がたたみ掛けて来すぎて、却って味が単調になってる、という感じかな。 駄菓子を食べ過ぎたとでもいうか。 後味が悪いのではなくて、ただただ舌が爛れただけとでもいうか。 年齢のせいで日本では使用禁止になったサイクロミン酸の味は覚えているけれど、それに似てるかな。子供相手の駄菓子やの店先を思い出すというか・・・子供だましの詰め込みすぎというか。
一応前作揃えては見たけど。次作三作が楽しみになるというよりは、もうちょっとしっかり書き込まれたホラーを読んで口直ししないと、という気分。
該当するタグがないけど、「雑い」「盛り込みすぎ」というのがあったらチェックしたと思います。