あらすじ
対立するレジスとラトレイユ! 新皇帝に抗う一手とは――!?
レジスの奇策によりグレボヴァール市奪還は成功し、難敵ハイブリタニア王国との戦いは決着した。戦功を立てたレジスは総督ラトレイユに改めて軍師として請われるも、理想の違いから決別を選ぶ。だがその結果、暗殺の手を差し向けられることに。危険を察知した彼は《吊られた狐》傭兵団と共に帝国第一軍からの脱出を図るのだった。果たしてレジスはアルティーナと再会できるのか!? 覇剣の皇姫と読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第十一弾!
戦闘にはまるで向いてない落ちこぼれた軍人、それが主人公、レジス。そんなレジスが士官学校で唯一得意だったものは、生きがいの読書で得た知識を活かした軍略。その知識を見込まれたレジス、紆余曲折を経て辺境連隊に呼ばれ…。
そんな、ある意味では主人公らしくない一面を見せる彼が活躍していく戦記物がこの覇剣の皇姫アルティーナです。
この物語の面白さの一つは爽快な勝ち方!戦術書から仕入れるだけではなく、ときには空想の物語から裏に隠れる戦術を見いだし、真正面から立ち向かうのではなく勝利をもぎ取っていく軍師としてのレジスは圧巻。レジスを呼んだ辺境連隊の司令官やお付のメイドからの熱視線にも納得です。
むらさきゆきやさんの繋がりの良い物語の進み方も相まって読み進めるのが楽しくなってくるこの作品。ぜひ楽しんでください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ほぼ1年ぶりの新刊堪能させてもらいました。今回は軍を指揮しての戦闘などはなく、敵からの追跡から逃げながら政治的工作を仕掛けるような回で、作者の権謀術数を描く能力がこれでもかと生かされていた最高だった。
帝位争奪への要石
対ハイブリタニア戦争が前巻で決着し、今巻から本格的に動乱の中皇帝の座を狙う政治的な戦いが始まります。
これまで寄り道的に語られた人々が一同に会し、現状と理想の両方を見据えて理性的に話し合うさまは、いやおうなく今後への期待を煽ります。
前巻から間が空きましたが、焦らず大事に書いていってほしいですね。
なお、本書で触れられた庶子の王と王妃の物語は、本書と同時発売の最終巻で完結した野村美月さんの「楽園への清く正しき道程」です。繊細でかわいらしいハレムラブコメでこちらもおすすめです。