【感想・ネタバレ】季節風 春のレビュー

あらすじ

古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春篇。別れと出会いに胸震わせる、春の物語12篇を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

重松清、四季シリーズの「春」
出会いだったり別れだったり、季節の中でも切り替わりの季節。人生の節目は春ともいわれている。こういう季節だから色々な出来事があって、重松の筆でその人間模様が描かれるのだから間違いないわけで。

「ジーコロ」と「目には青葉」は間違いなく好き。「島小僧」はなんとなく千鳥大吾を思い出す。「せいくらべ」はちょっと卑怯やけど泣ける。

「ツバメ記念日」は考えさせられたなぁ。子供を可愛く思えない夫婦の問題は、個人の資質もあるけど社会環境にもあるってことか。
「子育て支援」って言うけど、育児はもっとプライオリティが高いものでどっちかというと「子育て世代の就業支援」という立ち位置で考えていかないと、少子化は解消されないのかも。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても寒い4月に読みました。

通勤中に半分は涙をこらえ半分は涙を流しながら読みました。
涙のあとは人にやさしくしたくなる気持になる心地よい短編集でした。

最新式の橋により廃止されるフェリー「しまっこ丸」、時代とともに移り変わる島の姿に出てゆくものと去るもの、現実に向き合う中で改めて島の素晴らしさに気づいてゆく『島小僧』

土いじりの懐かしい土の匂いで女手一人で土木作業をしながら子供を育てた母を思い出す主人公。大好きな母なのに、母を恥じ、おにぎりを土くさいと言ってしまった幼いころの悲しい思い出。よもぎだんごの味は思い出せなくても大人になるにつれ母の気持ちが痛いほどわかるようになりせつない話『よもぎ苦いか、しょっぱいか』

事業の失敗を理由に転居した幼い姉弟、環境の変化に戸惑いながらも小さな背中にたくさんの不安を背負い込む姉、絶望の寸前で迷子事件から突破口が生まれ、さまざまな思い込みが解かれ明るい暮らしが見えてくる爽快なお話「せいくらべ」

名シーンがたくさんの心温まるお話です。

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2013年04月25日

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