あらすじ
ホーキング博士の難解な宇宙論がブームになったことは記憶に新しい。そんな難解な理論の代表格が、ホーキング理論の基礎でもあるアインシュタインの「相対性理論」ではないだろうか。 実は、相対性理論は彼がいなかったら成立しなかったというわけではない。その発表とともに世界の学者たちが「ああ、そうだったのか」と、直ちに理解したのである。別の見方をすれば、相対性理論は天才しかわからないものではなく、素直に考えればなるほどそうだったのかと誰でも思えるものなのだ。 本書は、従来の解説書と違い、数式をできるだけ使わず、イラストや図解を多用することで、スラスラと理解できる入門書。あなたをアインシュタインの不思議で謎に満ちた世界へと誘います。 全体を10章に分け、「アインシュタインの生涯」「遅れる時間の不思議」「双子のパラドックス」などのテーマごとに解説。楽しく読み進むだけで理解できるように構成された画期的な一冊。
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Posted by ブクログ
重力によって光が曲がり、時間の進みが遅くなる。およそ想像の付かない現象が宇宙で起き、それが科学的に検証されている。
筆者の言う、相対性理論の美しさ、物理学が挑んできた謎と導き出される解の美しさを、この本は見せてくれる気がする。
アインシュタインワールドのグラヴィティハウスのくだりは特に好き。
しかし光というのは不思議だと思う、波でもあり粒でもあるという性質、重さがなく、唯一相対的ではなく絶対的な速さを持つ。
遠い宇宙の話ではあるものの、私たちの日常にもこの不思議さが溢れていると思うと、読んでいて楽しくなる。
反面、エネルギーは質量に光速の二乗をかけたものに等しいという数式は、美しさを持ちながら、歴史的には原子力を使った核兵器の開発に繋がってしまった。科学者が純粋に謎を追い求めていった結果に、人間の愚かさを露呈させてしまう危険性もあるということは、重い事実。
最終章、宇宙の始まりに関しては特異点という物理的に説明の付かない一点に行き着いてしまうが、始まりの初期からこれまでに、元素がどのように生成されたかは、こんなに解明されてるんだなと驚き。
個人的にはブラックホールやワームホールに興味があるので、続編も楽しみ。