【感想・ネタバレ】疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクションのレビュー

あらすじ

狂気と享楽の世界に耽溺する――

10の名作が誘う、底なし沼へようこそ



(あらすじ)

山上の神社へ肝試しに訪れた、美しい少年士官が出逢った不可思議な出来事とは。(泉鏡花「妙の宮」) 病気療養中の少女には、女学園の後輩であり恋人の少女がいた。ある日、恋人が密室殺人事件に巻き込まれ——。(小栗虫太郎「方子と末起」) 下宿先の住人は皆奇妙な行動をする。(坂口安吾「蝉 あるミザントロープの話―」) 10名の文豪の名作が集った、耽美と幻想の世界に溺れる一冊。



<収録作品>

江戸川乱歩「鏡地獄」/谷崎潤一郎「人魚の嘆き」/小栗虫太郎「方子と末起」/泉鏡花「妙の宮」/木下杢太郎「少年の死」/坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」/夢野久作「死後の恋」/芥川龍之介「疑惑」/小川未明「百合の花」/中島敦「文字禍」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

■江戸川乱歩「鏡地獄」
既読を再読。

■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
未読のまま。
水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。

■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
初読。まさことまき。
百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
推理小説<恋愛小説。

■泉鏡花「妙の宮」 ★
初読。
たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。

■木下杢太郎「少年の死」
高原英理・編「少年愛文学選」で既読。

■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
Misanthrope はフランス語で「人間ぎらい」の意味。

■夢野久作「死後の恋」 ★
どこかで読んで、ポッドキャストで朗読を何度も聞いて、また読んだ。
グロテスクと美が結びついたらこうなる。

■芥川龍之介「疑惑」
初読。
まあまあ。

■小川未明「百合の花」
初読。
太郎。勇。独楽。泉。お花。百合の花。
言葉と絵で描く夢のような。

■中島敦「文字禍」 ★
再読、かもしれない。
いわゆる「ゲシュタルト崩壊」を、その概念が提唱されるもっと前に小説化している。
しかもある意味残酷童話的な話として。
これは面白い。

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2025年07月08日

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