あらすじ
武田勝頼をはじめ武田軍の名だたる武将の首が信長の元に届けられる。
戦勝祝いのために大名や公卿たちが次々に駆けつけ、安土城は賑やかだ。
しかし、朝廷では名実ともに天下人となった信長を排除しようと、
謀略が渦巻き始めるのだった。
秀吉が攻めあぐねている西国への進軍を決め、
京へと向かう信長に狙いは定められた――。
信長の旧臣太田牛一が著した『信長公記』に基づきながら、
大胆な発想で信長が本能寺に散るまでを描く大河小説!
大人気シリーズ『剣神』の岩室忍が一番書きたかった織田信長の生涯。
文庫書き下ろし。全八巻。
堂々完結!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いよいよ最終巻は、菊を守るための公家たちの謀略と、甲州征伐後の信長・村井貞勝の油断が描かれる。信長に仕える前は反信長派である足利義昭の近習だった明智光秀。光秀の謀反の動機が信長への反感だけとするのは弱い。その裏に、魑魅魍魎が跋扈する朝廷の陰謀によって信長暗殺計画が実行に移されたとする説は、私にとって説得力あるものに思えた。明智軍が、信長や信忠の警護の家臣と干戈を交える時の、互いの困惑が描かれるが、光秀の軍団の運用方法に不手際があったことが「三日天下」の例えを生んだと感じた。
Posted by ブクログ
朝廷は苛立っていた。とにかく朝廷の秩序内に信長に入っていて欲しい。太政大臣、関白、征夷大将軍の三職からどれでも好きなのになってくれと思っている。朝廷の秩序の中に入らないやつは許せない。もしかしたら南朝を称する人たちに挿げ替えられるのではとまでの被害者意識を持っている。
しかし信長は征夷大将軍を断られ続けて10年。もう朝廷には何も期待していないし、どんなに力をつけて武力や権力を得ても朝廷に命じられないと権力者になれない制度そのものに疑問を持っている。というか、別にもう認めてもらわんでもええねん。無位無官でも天下人やったろうやんけ。
というわけで、朝廷主導信長暗殺説をとっており、グランドフィナーレな登場人物との邂逅以外はその工作である。
(一つ星減点は私が陰謀説が好きじゃないから。光秀一人で思いたって信長殺して何が悪いねん)
以下、この8冊の著者の問題提起。ネタバレ。8巻全部読まない人、ぜひみていただきたい。
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信長はファーストペンギンで、どんなに頭が良くても予測できないことは多々あって、成功と失敗の塊なのは仕方ないからこそ、その生涯は面白いのだけど、惜しいことがいっぱいある。
信長の失敗
その1
義昭追放時に殺すか、征夷大将軍を罷免させなかったことで、信長が(秀吉もですが)征夷大将軍につきたい時に征夷大将軍になれなかった。信長は少なくともこれのせいで朝廷と完全に拗れた。拗れなかったら歴史は暗殺どうのは別としても変わっていた。
その2
普段から、寡兵で身軽に行動していたこと。
信長の性格はあるだろうし、朽木谷越えなどはこのおかげで助かったともいえるけど、やりすぎ。
その3
信忠が本能寺の変の時に、逃げずに(というのは二条御所から逃げて生存している人が多数いるのだ。長益とか)、戦って死んでしまったこと。
信忠が生きていたら結果は絶対に違った。これ以降、学習した家康は何かが起こった時に必ず長子秀忠と別行動を取っている。