あらすじ
彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり……。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。文庫書き下ろし。
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Posted by ブクログ
「大丈夫、宮崎さんはどこへ行っても、何をやっても、きっと頑張れる」一番おいしい所を西岡さんが持っていった。今回も、頑張ってる姿に途中から涙が止まらない。
メディアミックスの難しさ、そして、奥深さが伝わる。
プロ、プロを知るではないけれど、クリエータを大事にする気持ち。それを大切にする関わる一人ひとりの想いに心揺さぶられる。だから、もの造りは止められない。だから、お金じゃないのかもしれない。
作品の持つ力と、メディア(媒体)の持つ力。本だけが全てではない。コミックも、アニメも、映画(アニメ・実写)も、挿絵も、音楽も。きっかけは何でもいい。作品に触れる機会があれば、あとは作品が引き込んでくれる。原作イノチかどうかは、微妙だけれども。
「本なんかいらないって言った子は、可哀想。本の楽しさを知らないんだな、と思って。」その点、私は、ラッキーだったのかもしれない。できれば、この喜びを誰かに伝えてゆきたい。
最後に、『世界はあなたのためにはない』でも、だからこそ自分を大事にしなければならないんですね。胸に刻んで、本を閉じた。
Posted by ブクログ
面白い!書店ガールの中ではこの巻が一番好きでした。
田中君の恋の行方・・・アグレシカと翔也と重なる。
木幡編集長、最後に気がつきましたね!
以下、本文より
会社の論理に従って、唯々諾々と閉店にできるほど、私は取手の店の仕事をいい加減にはしてこなかった。一生懸命やってきたから、悲しみは深いのだ。会社の決定に怒りを感じるのだ。
でも、どうせ短期間で閉店になる店なら、いい加減にやっていればよかった、とは思わない。取手の店を作るために考えたこと、行動したこと、スタッフとの関係を築いたこと、どれもみな自分の財産だ。
それで得た経験は私だけのもの。会社も消すことはできないのだ。
Posted by ブクログ
宮崎彩加
取手駅改札内「本の森」店長。最近意識してるのは地元との繋がり。
幸崎郁歩
藝大生。彩加の店にアルバイトで入った。
三田村慶信
「本の森」の本部の部長。彩加の直属の上司。
田中幹
彩加の店のアルバイト。疾風文庫の新人賞で大賞を獲った。シリーズ累計三十万部の『鋼と銀の雨がふる』の作者・原滉一。アルバイトスタッフの中でもいちばん信用できる。
小幡伸光
田中こと作家・原滉一の担当編集者。
安部真理恵
藝大生。妹とZINE(自作の絵や写真などを使って作った小ロットの印刷物)を作っている。
安部かのん
藝大生。真理恵の妹。
高田ふみ
多摩地区でも上位の進学校井の頭中学の生徒。女子四人、男子三人で編集部の見学に来た。
松川知弥
井の頭中学の生徒。
高野大介
井の頭中学の生徒。
森野哲平
疾風文庫の編集スタッフ。
松江和幸
疾風文庫の編集スタッフ。
上田徹
『少年アンビシャス』の人気連載『ジェッツ!』のコミック担当。原作至上主義。原作にないオリジナルな展開が気に入らない。
ZUNDA
『ジェッツ!』の原作者。
姫野紡
『ジェッツ!』のノベライズを手掛ける小説家。
篠原靖弘
『少年アンビシャス』の編集長。温厚な人物。
高梨愛奈
私立中学の学校司書に就職した。。学校の生徒が、彩加が紹介した疾風文庫の編集部を見学した。
大田英司
彩加にとって友達以上恋人未満といったような存在。沼津の駅前の商店街でトルコパン専門店を開いている。
相馬大輔
疾風文庫部長。
尾崎きい子
愛奈の前任者の先生。
小林良壽
メディアミックス事業部。五十代のベテラン。出版社側のプロデューサー。
郷田一弥
アニメ制作のスタジオGIGの敏腕プロデューサー。代表取締役社長。酒は一滴も呑めず、代わりに甘いものに目がない。
小泉謙介
フリーの演出家。
石破宏信
スタジオGIGの演出家。監督。でっぷりと恰幅がよく、眼鏡を掛けている。
郡司颯太
スタジオGIGのアニメーター。作画監督。
中肉中背で白いシャツが似合う感じのいい男。
河原市郎
シナリオ担当。脚本。服を脱いだらあばら骨までわかりそうな極端な痩せ型。
藤井慶子
「本の森」のアルバイト店員。ふだんから心遣いが細やか。
佐倉飛鳥
『鋼と銀の雨がふる』のコミック版を描く漫画家。
名取李夏
取次の担当者。
伊東はるの
女性のシナリオライター。
日下部茂彦
立川店の店長。彩加が吉祥寺店にいた時の副店長。
真壁ひろむ
『僕と妹の異世界放浪記』の作家。昨年デビューしたばかりの新人。以前はずっと漫画家のアシスタントをしていた。漫画ではプロデビューがかなわず、小説で花開いた。
瀧春香
『僕と妹の異世界放浪記』のイラストレーター。
藤川
スタジオGIGで演出担当として参加していたが、途中から監督になる。
西岡理子
新興堂書店の店長。吉祥寺の女傑と言われるほど優秀な書店員で、彩加のあこがれの存在。
Posted by ブクログ
さすがのシリーズ6作目の安定感。
今回はメディアミックス、彩加の進路が肝。
私の興味のあるところと離れていたのか他のシリーズと比べると中継ぎ感が強かった。
次はいよいよ完結。
それぞれの女性はどんな決断をするのか。
楽しみです。(終わってしまうのが少し寂しい)
Posted by ブクログ
第6巻は、取手の駅中書店に関わる人たちを中心に描かれている。
その書店でバイトをしながら、ラノベを書いている田中君の作品は30万部を売り上げ、アニメ化が決まる。
一方、田中君担当編集者の伸光は、アニメ化に向けた打合せなどのストレスから胃潰瘍で倒れるが、伸光とアニメ化担当とのこじれた関係を、田中君自身が間に立つことで修復するなど、引きこもりだった田中君が書店でのバイトを通じて社会性を身につけていくところがいい。
また、彩加がその店の店長になって1年あまり、バイトの力も借りつつ、フェアも実施するなど盛り上げてきたが、本社の方針で閉店が決まる。そんなとき、地元で本屋を営む伯母が、隣のパン屋、前田さんと彩加とで本屋カフェとしてやっていくことを提案し、彩加はこれを受け入れる覚悟を決める。この二人には新しい展開が起こりそうな予感。
"世界はあなたのためにはない"との言葉は、自分では一生懸命働いても会社や相手方の論理に振り回されるサラリーパーソンには堪えるが、最後は少し明るい兆しが見えて、少しだけ救われた気がした。