感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
香月さんが早逝されたとき、勢いで購入したまま積まれておりました。久々の香月節に感無量です。
世の中に蔓延る、どこか歪んだ「常識」に一括を入れる子気味良い風刺児童書。
この内容に躊躇う親御さんもいるかもしれません。
子どもたちの自意識を少し過剰に叱咤激励する内容は、思い通りに子育てをしたい親から見たら有害図書です。でも真実は確かに、この中にもあると思います。
幽霊や悪魔が登場するファンタジーですが、善悪の歪みに気づかない世論に一筋の風を吹かせます。
次巻からは高校生編とのこと。楽しみです。
Posted by ブクログ
小さいころは親のいうことは「絶対正しい」という、根拠のない思いにがんじがらめになっている。親の行動や考え方に疑問を呈するようになるのは…もしくは、なれるのはいつなんだろう?
そのきっかけは「思春期」なんだろうと、今なら思う。
この話の龍神(たつみ)は、男の子にしてはそんな思春期がちょっと早く来たと思われる子。祖父の幽霊と出会うことで、色々な考えを見に着けていき、すべてをそのまま飲み込んでしまわない思考を手に入れていく。
その動きが「う~ん、ふつうはこんな風にはいかないよね」って思うのだけど、親が思っている方向に簡単に流されずに自分のやりたいことを少しずつやっていく主人公に、思春期に入った子ならば、すんなりと同期できるのだろうか。大人になってしまった自分にはその感覚を今味わうことはできないが、自分にもこういう時期があったことを思い出させてくれる一冊。