【感想・ネタバレ】NHK 100分 de 名著 E・キューブラー・ロス 『死ぬ瞬間』 2025年12月のレビュー

あらすじ

そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。

一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。

■ご注意ください■
※NHKテキスト電子版では権利処理の都合上、一部コンテンツやコーナーを掲載していない場合があります。ご了承ください。

■終末期患者約200人と面談した著者が、その心理をまとめた『死ぬ瞬間』(原題“On Death and Dying”)。
人は死に直面すると「否認と孤立」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5段階を経るという。現代人が忌避する「死」について、この記録が示唆するものとは。

■講師:島薗進

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Posted by ブクログ

健康で新しい年を迎えることが出来たが、温かい部屋で年1回の「食っちゃ寝」生活をしている。外の天気が悪いので、運動もできない。そんな正月になることはあらかじめ分かっていたので、「当たり前」の日常に感謝しようと手に取った一冊。最近読んだ『ライオンのおやつ』『最後のオレンジ』『いのちの停車場』などを思い浮かべながら読んだ。
死に向き合う苦悩や受け容れ方について考察する「死生学」という分野は、宗教とは一線を画した学問である。死という最後の瞬間ではなく、病気の告知を受けてから長い過程があり、フェーズごとに心理的な経過が考察されている。
数多くの終末期患者にインタビューを行った超力作なのだが、患者に対して直接「死」について尋ねることは、当時はタブーとも言える行動と見做され、著者を取り巻く世間の目は厳しかったようだ。近代医療の発展と相反して、日常生活における宗教色が薄くなった20世紀後半、終末期患者が味わった孤独と苦悩に着目したのだろう。
著者が若い頃にナチスの収容所跡で「蝶」の絵を発見し、自らの運命を知った人が最後まで希望を持っていたことに気づいたエピソードや、“旅立ち”を「サナギから蝶へ羽ばたく」という表現したエピソードは、感動を超えて恐ろしさがあり、鳥肌が立った。
昨年、「デスフェス」というイベントに参加していた友人がいた。私は全然興味を持てなかったが、少し気持ちが変わった。いつか来る「その時」のために、死についてざっくばらんに仲間と語ることは貴重な機会である。まずはキューブラー・ロスの自伝から読んでみたいと思う。

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2026年01月01日

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