【感想・ネタバレ】NHK 100分 de 名著 フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 2025年7月のレビュー

あらすじ

そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。

一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。

■ご注意ください■
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■近代以降、飛躍的な発展の裏で進んでいた学問の空洞化。人が生きる意味や価値という学問の原点に立ち返るために、フッサールが提唱した「現象学」とはどのようなものなのか。そのエッセンスと、現象学を用いた哲学対話の手法を学びながら、よりよい生き方、よりよい社会のあり方を考える。

■講師:西研

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Posted by ブクログ

「人は⚪︎⚪︎であるべき」という”べき論”を打ち立てると、そのあるべきに当てはまらない生き方が否定される。一方で、「みんな違ってみんないい」という相対主義だと、誰も否定されないが道標もなく、社会は前に進めない。

この世界を知覚するのは主観なのだから、主客を一致させることはできず、各人の主観によって世界は認識されている。その前提に立つと、あらゆる事象は各人の意識(主観)の中で現れたもので、対話を通じて、その事象の本質を取り出し、お互いが妥当と思える共通理解を構築し、それを道標に社会を前進させていくしかない。

目新しい結論ではないし、共通理解の構築にはかなりの時間と労力がかかりそうだが、相対主義が跋扈している現在でも説得力のある話だと感じた。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

ざっくり『危機』の内容を押さえ、最終章は哲学対話への応用を記述する。

マルクス主義への反動から生まれた相対主義をどう乗り越えていくか。人々の間に共通理解を作っていけるか?その可能性をフッサールの説いた現象学に求める。

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2025年09月20日

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