あらすじ
そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。
一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。
■ご注意ください■
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■今月のテーマ
近未来のアメリカを舞台に、女性の性と生殖が強制的に管理された社会を描いた『侍女の物語』とその続編『誓願』。アメリカ、そして世界中で右傾化や全体主義的傾向が強まるなか、この予見的な小説を読み解き、真の自由、抑圧的な体制や手法への抵抗など、「今そこにある危機」について考える。
■講師:鴻巣友季子
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今回は、一月で全部読み終えられた。
言葉を奪い、生殖を管理し、自由を奪う。ディストピアが現実になるかどうかの分水嶺に、我々はいるのかもしれない。
Posted by ブクログ
良い物語を読んだ後、強い映画を観た後に誰かと話し合いたくなる。
『侍女の物語』『誓願』の読後にこのEテレを見て翻訳者の鴻巣友季子さんの解説に触れられて、より感想が深まる。
意見の違いや細かい点で感想は違ったとしても、それは大した問題ではない。
もう、時間はほとんど残されてないのではないか。寓話が描く世界は遠くない。
Posted by ブクログ
この本を読みながら、国の最高法規である憲法というものについて考えていました。
この小説で描かれているディストピア国家は聖書を憲法のように扱っています。しかし、このディストピア国の聖書は、(1)国民に公開されておらず、(2)恣意的な解釈に基づいて統治を行っており、その点で日本国や他の国の憲法とは異なります。
当たり前のことだけど、憲法は、(1)誰でも読むことができ、(2)どのように解釈されているのか明らかにされていることが全体主義に抗うために必要なことなのだと思いました。
そして、最後に書かれていたクレア・キーガンの『ほんのささやかなこと』をとても読みたくなりました。
Posted by ブクログ
まさに現在に繋がるディストピアを考えさせられる名著だと思います。機会があれば原作を読んでみたいと思いました。それにしても、番組で解説していた鴻巣氏の理解度が凄かったです。
Posted by ブクログ
初読は1985年だった。
そのときの衝撃を忘れたことはなく、何度読み返したかわからないほど。
わたしにとっては、最高の作家のひとり。
常に著作を追いかけてきているが、機会をとらえて何度もおススメしてきたが、
「世界最高峰のディストピア小説」
というキャッチフレーズにしり込みする人も多く、けっこう寂しい思いをしてきた。
が!!
なんと、その『侍女の物語』が、2025年6月のEテレ「100分de名著」に選ばれましたよーーーー!!!
やったーーーーーー!!!
以前、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』が選ばれたとき、
「現在まだ存命の作家を選ぶのはめずらしい」
と話題になっていましたが、個人的には、マーガレット・アトウッドを選んだNHKの快挙と勇気に拍手喝采!!
テキストは、放送されないうんちくが盛りだくさんで、本当に読んでいて楽しい・うれしい♪
また、現在ハマっている村田沙耶香さんが、
「アトウッドの後継者」のひとりとして挙げられていたのもうれしかった♪
40年前にこんな世界を描き切ったアトウッド。
ほぼ同じ設定で、村田沙耶香さんは、また新しい結末と恐怖を提供してくれている。
天才って、本当に存在する。
天才たちの作品を読むことができるって、本当に幸せだとおもう。