あらすじ
仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける「ストーリーテラー」がいた――。さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、内気だけれど腕利きのシェフが作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。心を甘くやさしくときめきで包み込んでくれる、おいしい連作短編集。
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Posted by ブクログ
とっても軽やかにとても美味しそうな洋菓子とストーリーを織り込んだ本。
子どもでも楽しめる軽やかさかな?
ただただ、こんな洋菓子店があったらよいなと思う限りです…!
Posted by ブクログ
お菓子を作るのは私も大好きです。残念ながら乳製品アレルギーがあるので語部さんが来る前の月とわたしのお菓子のラインナップのような焼き菓子を作って食べることがほとんどです。ご飯の代わりにはならないけどスイーツには力が有るなと食べる度に思います。お菓子に込められたエピソードと作った人のお菓子に込めた思いを知ると更に元気をもらえます。
シェフとストーリーテーラーの今後も気になるところです。さあ、続編読みます。
Posted by ブクログ
一気読みしました。
美味しそうなお菓子と、それをさらに魅力的にする表現やストーリーがたくさんでてきます。話しは繋がっているけど、それぞれ短編になっていて読みやすかった。
九十九さんいい性格してて読んでてにやけました。
令二くん頑張れ
Posted by ブクログ
住宅街の中にある洋菓子店「月と私」には、お菓子の魅力を伝える執事のようなハンサムなストーリーテラーと、自分に自信の無くて内気だけど美人なシェフの作る極上のお菓子が悩みを抱えるお客様をお迎えする…っなんて眼福なお店か!
そして登場するお菓子が想像するだけで綺麗で素敵で美味しそうすぎる!
個人的には語部さんのように話せるようになれたら素敵だなぁと思って語部さんの言葉を追ってました。
聞く人の心を掴み、ポジティブなイメージを抱かせる言葉たち。
麦ちゃんの幼なじみの令二くんには同情の余地なし!
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可愛くて甘酸っぱくて美味しい小説。見た目が美しくて美味しそうなケーキが沢山出てきてそれだけで幸せになれた。「赤毛のアン」のアンがアラン夫妻に作った薬入りケーキの話が出てきて、赤毛のアンがバイブルの私は心が躍った。
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書店で購入3⃣
読んだ後、可愛くて綺麗なお菓子を紅茶と一緒に食べたくなる。
ものがたりに基づく「由来」を持っているものは、お菓子にしろそれ以外でも
特別に思えてくる。
ほっこりしたいとき、心が疲れたときに読みたい本
Posted by ブクログ
いつ読んでもおいしいケーキに囲まれて仕事するさまはとってもキラキラ輝きをはなっている感じがする。
おいしいケーキに美しい物語のストーリーテラーもいるなら尚更完璧。さて、おいしいケーキでも買いましょうかね
Posted by ブクログ
ケーキ屋さんを舞台に優しい短編集。
ケーキの描写を読んでる途中から、無性にケーキが食べたくなり、買い物ついでにケーキ屋さんに入ってしまった。
高校生たちのキャラもいい味が出てる。
Posted by ブクログ
スイーツの連作短編‼︎
美味しそうで、キラキラして見える‼︎
あったかいお話が多くてほっこり‼︎
しかし、恋を拗らせ過ぎるとここまでなるか…
令ニくんや、好きな人ビビらせちゃダメだよ(笑)
まぁ〜拗らせも程々にって思ってしまった。
Posted by ブクログ
最後まで読み終えた上で、やはり令二君の恋は応援できないなと結論づけた。
若気の至りとか悪ガキとかでは済まされないくらいのやらかししてるし、そこから逆転できると思っているのが若すぎるというか。
無理だってば。
そして、大前提として、想い人はとっくに別の人に恋をしており、その人もまた……勝ち目ないよ。
諦めてくれ。
そこまで洋菓子が得意ではない自分でも思わず美味しそうと唸ってしまうお菓子説明が巧みすぎるストーリーテラーと、そんなお菓子を作れてしまう女性シェフのいる洋菓子店で起きる色々話。
基本的には訪れるお客様視点、もしくはシェフの妹の麦ちゃん視点。
後半はストーリーテラーこと語部さんの過去が明らかに。
彼の語りでお客様の心のモヤモヤも、シェフの悩みも、そして自身の過去すら解消してしまうという……恐るべし語部さんのその才能。
ただ語部さんのややこしすぎるある一件のせいで、シェフは大いに上げられる一方で大いに下げられてもいるという。
もどかしいんだよ、この二人。
そして面倒臭いことになってるんだよ、この二人。
全てを知るのは麦ちゃんのみという。
取り敢えず、前述通り、令二君の勝ち目は微レ存もなし。
それは確かだ。
Posted by ブクログ
変わった名前の登場人物は、変わった人が多いのだろうかね…( ˘ω˘ )?
シェフと語る人はさっさとくっついてくれたほうが平和になりそうな気はするw
月をモチーフにしたお菓子はレモン系が多めになりがちな印象だけど、それだけじゃない“語り”を含めておいしそうな気配がする
焼き菓子買いに行きたい
Posted by ブクログ
美味しそうなお菓子たちと、心温まるお話が揃ってます。けど令ニくん?だったか、とんでもなくモラハラやん!怖!高校生となりました…。
どんだけ反省しても嫌ー笑
Posted by ブクログ
爽やかウィークエンドに
ふんわりシャルロット
ジューシーピーチメルバに
三日月のバニラキプフェル
連作のタイトル見てるだけで
もうもう目は♡(笑)
住宅街の洋菓子店「月と私」で楽しめるのは
美しいパティシエが作る見目麗しいスイーツと
見目麗しいストーリテラーの素敵なおもてなし
提供される美味しそうなスイーツたちと
一緒に語られるストーリーによって
気づきがあったり
一歩を踏み出す勇気をもらったり
甘党には目の毒だけど(笑)
めちゃめちゃケーキ食べたくなるけど
いや、すぐ買いに行こう!(笑)
Posted by ブクログ
あなたは、『洋菓子』が好きでしょうか?
はい、大好きです!さてさては甘いものに目がないですし、こんな長いレビューはさっさと書き終えて、食べに出かけたい!それが今の正直な気持ちです(笑)。とは言え、レビューも気を抜いてはいけません。美味しい『洋菓子』を食べるためにも満足のいくレビューを書き終えないといけませんね。
まあ、そんな私の事情は置いておくとして、甘いものがお好きな方は誰でも普段からよく行く『洋菓子店』の一つや二つがあるはずです。
『ガラスのドアの向こうにある店内も、黄色と水色のリボンや袋でラッピングされたお菓子が並んでいて、きらきらしている』。
そんな光景を目にするとテンションが上がるのは誰でも同じだと思います。しかし、以前からあるお店に久しぶりに訪れたあなたをこんな声が出迎えたとしたらどう思うでしょうか?
『いらっしゃいませ。ストーリーテラーのいる洋菓子店へようこそ』
さてここに、『洋菓子店』に訪れたはずなのに『ストーリーテラー』に出迎えられるという不思議感漂う『洋菓子店』を舞台にした物語があります。美味しそうな『洋菓子』が次から次へと登場するこの作品。そんな『洋菓子』に『ストーリーテラー』が物語を重ねていくこの作品。そしてそれは、『商品の中から物語を見つけ』だす『ストーリーテラー』の語りに心囚われていく物語です。
『疲れた、もう会社辞めたい』と、『冷房でむくんで重くなった足を引きずるようにして、夕暮れの陸橋をとぼとぼ歩いていた』のは主人公の岡野七子。『大学を卒業した年はどこの会社も景気が悪く、就職できなかった』という中、七子は『パートで、今年で勤続十年』という今を生きています。そんな中、『しつこいクレーム客の対応をして、ぐったりしている』という今日の七子は、『転職しようかな…』と思うも『資格もなく特技もない三十過ぎの一人暮らしの』自分を雇ってくれる企業などないとも思います。『なら、結婚でもするか…』と思うも、『さして売れているわけでもないフリーランスのデザイナーという、将来にまったく希望の持てない相手』、しかも『もう一ヶ月も会っていないし、連絡もとっていない』という彼のことを思います。『はーっ、夕飯作りたくない。なんか買って帰ろう』と思う七子は『そういえば、この先にケーキ屋さんがあったっけ』と思い出します。『まったく繁盛していなそうな、しょぼくれた店』で、『薄汚れたしわしわのコックコートの女性』に応対された七子は、『カット売りのシンプルなパウンドケーキと、栗を焼き込んだタルト』を買って帰りました。『焦げていてまずそう』と思った見た目に反して『あれ?美味しい』と驚く七子でしたが、『でも、やっぱり地味』だと思います。そんな過去を思い出し『なんだか、行ったら不幸になりそう』と思うも『けどまぁ、今日はもうじゅうぶん不幸だし、久々に行ってみるか』と足を向けるとそこには『ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私は、こちらです』という立て看板があります。『こんな看板あったっけ?それに、ストーリーテラーとは?』と思いつつ進むと『地味で目立たない店の代わりに、綺麗な空色の壁が現れ』ました。『あのしょぼくれた店は、一体どこに?』と思いつつ『ガラスのドアを開けて店内に入る』七子の耳に『いらっしゃいませ。ストーリーテラーのいる洋菓子店へようこそ』という『深みのある声が朗々と響』いてきます。『どうぞごゆっくり、お買い物をお楽しみくださいませ』と言う『黒い燕尾服に身を包んだ男性』を見て『美形だ!そして執事だ!』と思う七子。『こ、ここってケーキ屋さん、でしたよね…執事喫茶になったとか?』と訊く七子に『私は執事ではございません。当店のヴァンドゥール ー 販売員であり、ストーリーテラーでございます』と返す男性は『当店では甘いお菓子と一緒に、ストーリーをお持ち帰りいただきたいと考えております』と続けます。そして、『こちらのケースをご覧ください…三日月の形をしたこちらは、ムラング・シャンティをアレンジしたお品でございます…』、『続いて、半月の形をしたこちら ー タルト・オ・シトロンのご紹介をさせていただきます…』とケースの中に並ぶ商品の説明をはじめた男性。それに、『美味しそう…うぅ、これも美味しそう』と魅かれていく七子。しかし、そのサイズ感に『ちょっと大きいかも』と呟く七子に『週末に大切な人と分け合ってめしあがっていただく』『とっておきのお品』という『ウィークエンド』の説明を始めた男性は、『これは、私が月から聞いたお話です』と、『深みのある艶やかな声で、まるで呪文のように』物語を語り始めます。まるで自分のことが語られているような物語を聞く先に七子に一つの”起点・きっかけ”が与えられるその先の物語が描かれていきます…という最初の短編〈第一話 甘くって酸っぱくて、しっとり爽やかな満月のウイークエンド〉。この作品の王道パターンを鮮やかに描き出す好編でした。
“さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、内気だけれど腕利きのシェフが作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。心を甘くやさしくときめきで包み込んでくれる、おいしい連作短編集”と内容紹介にうたわれるこの作品。続編も刊行済みの野村美月さんの人気シリーズです。そんな作品は「ものがたり洋菓子店」という書名そのままに『住宅街のはずれにひっそりと建っている』『洋菓子店』が舞台となります。食堂、レストラン、そして喫茶店といった飲食にまつわるお店を舞台とする作品は数多あり、私も数多く読んできましたが、『洋菓子店』を舞台とする作品は久しぶり!です。男性な私ですが、甘いものには目がないこともあって期待度MAXで読み始めることになりました。では、まずはそんな『洋菓子店』がどんなお店かを見てみましょう。
● 洋菓子店『月と私』の建物について
・『爽やかな水色にレモンイエローの円を組み合わせたデザインで、その円の上に、 「ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私は、こちらです」』という立て看板がある
・『綺麗な空色の壁』、『満月のように丸いレモンイエローの表札がかけてあって、そこに「月と私」と青い字で、お洒落に表記されている』
・『テーブルが二つあって、イートインができる』
軽やかな雰囲気感に包まれた如何にも『洋菓子店』なイメージが浮かび上がります。しかし、冒頭の短編〈第一話〉で主人公の七子が触れている通り、以前のお店は『まったく繁盛していなそうな、しょぼくれた店』だったというところが一つのポイントです。この経緯は物語の中で語られてもいく物語の主軸の部分でもあります。そして、物語は次のような一文で始まります。
『住宅地に凛とたたずむ、その洋菓子店には、ストーリーテラーと美しいシェフがいる』。
そんな一文が示す通り、この作品の『洋菓子店』には次に説明する二人の人物が働いています。
● 洋菓子店『月と私』の従業員について
・ストーリーテラー(語部九十九(かたりべ つくも)): 『黒い燕尾服に身を包んだ長身の男性』、『年齢は三十前後』、『黒髪をオールバックにしていて、彫りが非常に深い。 美形だ!』
・シェフ(三田村): 『清楚な白いコックコートを着て、ゆるめにウェーブのかかった品のある茶色の髪を頭の後ろで綺麗にまとめている』、『すっと伸びた首筋は白く、細い顎も、花びらのような唇も、通った鼻筋も、優しい眉の形も、おだやかな瞳も、すべてが美しく、清らかな輝きを放っている』、『とんでもない美人』。『月の女神のような美しい女性』
さて、こちらはいかがでしょうか?『洋菓子店』に『ストーリーテラー』がいるという状況は全くもって意味不明ですが、一方でシェフがいるのは当たり前です。しかし、このシェフとなる女性も以前のお店では『伸ばしっぱなしの黒髪をゴムで結んだ、猫背に黒ぶち眼鏡で、この世の不幸を一身に背負ったようなしょぼくれた女性』でした。この女性の変化が何を意味するのか?こちらも物語の主軸となる部分であり、それを読み解いていく面白さがあります。
一方で、『洋菓子』という食を扱う物語らしく、この作品には美味しそうな『洋菓子』が続々と登場します。次にそんな『洋菓子』を見てみましょう。
『お待たせいたしました。薔薇の香りをまとったピーチメルバでございます』。
運ばれてきた『ピーチメルバ』に男性はこんな説明を加えていきます。
『ピーチメルバは十九世紀の偉大なる料理人、オーギュスト・エスコフィエがロンドンのサヴォイホテルのシェフを務めていたおりに、歌姫ネリー・メルバに捧げたデザートだと言われております』。
そんな豆知識が紹介される先に美味しそうなデザートについての細かい説明が加えられていきます。
『当店では、薔薇のシロップに一晩ひたして冷やした桃のコンポートを、薔薇とワインの冷たいグラニテでふんわり囲んでおります。桃の下には、かために仕上げたカスタードクリームと、バニラのアイス。その下にカットした桃の…』
そんな風に紹介されていく『ピーチメルバ』は本を読んでいるだけなのに無性に食欲が沸いてきます。具体的な『洋菓子』のイメージ説明がとても秀逸だと思います。そして、いよいよ実食した側の表現が登場します。
『まずつやつやした桃にスプーンを差し入れた。器とスプーンが冷たい!肉厚の桃はみずみずしくてやわらかで、スプーンの先に弾力が伝わってくる…舌でも早く味わいたいという誘惑にあらがえず、口の中に差し入れると、う…わ…』
スプーンを持った感触までレポートされていく物語は、読者が『ピーチメルバ』を本当に食べているかのような感覚をもたらしてもくれます。舞台が『洋菓子店』ですから提供されるのは当然に『洋菓子』の数々なわけですが、バラエティに富んだ展開とリアルな”食レポ”によって飽きることなく読み通せます。やはり、”食”を題材にした作品とさてさては相性が良い、そんなことを改めて感じました。
そんなこの作品は、七つの短編が途中に〈ティーブレイク〉を挟みながら、最後に置かれた〈エピローグ〉とともに連作短編を構成しています。それぞれの短編タイトルは上記で〈第一話〉をご紹介した通り、『月と私』で提供される『洋菓子』をイメージしたものです。もう少し見ておきましょう。
・〈第二話 ふんわり可憐でみずみずしい、ときめきのシャルロット〉
・〈第五話 バターがじゅんわり、パリパリキャラメリゼのクイニーアマン〉
・〈第七話 ほろほろ甘ぁい三日月のバニラキプフェル〉
『洋菓子』がお好きな方はこのタイトルだけでもうたまらなくなると思いますが、甘いものが好きでも名前を覚えていない私にはちんぷんかんぷんです(笑)。ただ、なんだかとても美味しそうではある、これはわかります!物語では、それぞれにその短編で主人公となる人物に光が当てられていきます。そして、それぞれの人物は何かしら悩みを抱えている人物であり、そこに『洋菓子』が提供され、その人の今の思いにあった物語が『ストーリーテラー』である語部九十九によって語られていくという展開を辿ります。では、上記で冒頭をご紹介した岡野七子に語られる物語を少し見てみましょう。
『あるところに、仕事にゆきづまりを感じている女性がおりました』
『彼女は自分のことを、とても小さく無力で価値のないものに感じていて…このまま今の仕事を続けるべきなのか悩んでいたのです』
『ある日、自分に絶望した彼女は、夜中に自転車で一人漕ぎ出しました。どこへ行くあてもなく、暗い道をペダルを踏んで、踏んで、踏み続けて、ひたすらに進んでいったのです』
物語は、悩みの中にいる岡野七子自身をあたかも主人公とした物語のように展開していきます。そんな内容に当初『それって、私のこと?』と動揺を見せる七子ですが、やがて『ストーリーテラー』の魔法にかかったかのように語部の語る物語に引き込まれていきます。そして、そこにその人物が前へと進むための”起点・きっかけ”が与えられていくのです…というのがこの作品の王道展開です。もしかすると、この説明だけで、なるほどパターン化されたよくある物語ね、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、読み進めるに従って単純にそうではないことが見えてきます。確かに基本的にはこの王道パターンが展開されはしますが、それだけでは決してなく、上記もした、『月と私』の店の変化の謎解き、シェフの変化の謎解きの物語がそこに鮮やかに組み込まれていくのです。そして、連作短編として語部とシェフ以外の人物も複数の短編に登場して、その人物に関する物語も並行して描かれてもいくのです。なかなかに複雑に編みこまれた物語がここには展開していきます。そして、そんな物語が行き着く結末、すべてが明らかになるその結末には、読者をほっこりと癒すような極めて前向きな清々しい物語が描かれていました。
『いらっしゃいませ。ストーリーテラーのいる洋菓子店へようこそ』
『商品の中から物語を見つけ、それをわかりやすく魅力的に伝え、商品を輝かせる職業』である『ストーリーテラー』がいる『洋菓子店』が舞台となるこの作品。そこには、七つの短編に登場するさまざまな悩みを抱えた主人公たちの心を解きほぐしていく”起点・きっかけ”となる物語が描かれていました。美味しそうな『洋菓子』の数々に食べたい気持ちが抑えられなくなるこの作品。『ストーリーテラー』語部九十九の饒舌な語りに思わず聞き入ってしまうこの作品。
『洋菓子店』を舞台にした作品をもっともっと読んでみたい!そんな思いにさせてくれた美味しい!物語でした。
Posted by ブクログ
販売員ではなく執事でもなく「ストーリーテラー」という仕事がとても新鮮。
お客様やシェフ、その周囲の人までも癒してくれる彼と腕利きかつ美貌のシェフが待っている洋菓子店。
なんて魅力的なお店…常連になりたい【定期】
Posted by ブクログ
美味しいスイーツが食べたくなる本。
こんな素敵なストーリーテラーがいるお店いいですね。
ストーリーにより更に美味しくなるスイーツ、そしてそのストーリーを思いながら食べると心が温かくなる。
素晴らしい洋菓子店。
月という柔らかい光を放つものをモチーフにしたスイーツという点も素敵。
シェフがこの先どのように変わっていくのかも楽しみ。
スイーツとこの本をプレゼントしたら喜ばれそう。
Posted by ブクログ
日々の生活に疲れた人々がカフェの美味しいメニューと店主との交流を経てちょっぴり元気になるっていう最近よくあるほっこりカフェ系のお話だろうなぁと思いつつも表紙のイラストが可愛くてつい惹かれてしまい購入。
1、2話はまぁ普通で上記の通りの感じだったんだけど、3話目で急に胸糞悪いな…⁉︎
令二心底気持ち悪すぎる…DV気質のヤンデレストーカー束縛モラハラ野郎じゃん…しかも幼稚園の頃からとか終わってんな…
ケーキ食べて改心してめでたしみたいに持ってってるけど、これからは優しくする以前に今までのことをしっかりきっちり謝罪しろ。許さんけどな。
もう二度と出てこないで欲しいけど位置的に多分出るんだろうな…(ー ー;)チッ
令二の気持ち悪さが強烈過ぎてその後の恥ずかしくてケーキ屋さん入れない凌吾がえらい可愛く感じる笑
語部さんも語部さんで思い込み強めだし令二とは違う意味で拗らせてんなぁ…^^;
こんな可愛い表紙でこんなにクセ強登場人物達がいたのは予想外だったけど、ケーキの描写は流石上手い!
読んでると洋菓子店に走りたくなる✨
Posted by ブクログ
お菓子の袋やカップの書かれている説明や材料はよく読み込む派。味覚に自信がないわけではないがその説明からしか味わえない気持ちもあると思うから。
ストーリーテラーがいる洋菓子店なんて最高。1個だけ買う予定が気がついたら2個3個と増えていそう・・・。
登場するお菓子がどれも美味しそうで我慢できず仕事帰りに寄り道。しかも大手ではなく個人営業の町のケーキ屋さんへ買いに行ったあたり完全に影響されいてる。
タイトルからも美味しそうなのに語部さんの巧みな話術で夜に読むとお腹が減った。
目次にちょこっと添えられてるイラストも可愛い。
お話全体はお菓子とストーリーテラーが語る月のものがたりが登場人物の心境にマッチしていて癒しを与えていた。
ちょっと波乱もあるがあっさり解決する。
スイーツも恋愛もとってもあまーい本だった。
Posted by ブクログ
あまねってぃさんやさてさてさんの本棚で見つけて、手に取りました。
装丁から、”美味しそう“と心奪われました。
甘酸っぱい〜
あぁ、なんてじれったい〜
ごちそうさま〜
本の中に出てくるお菓子たち、どれも美味しそう。食べること大好き スイーツには目がない私にとっては、欲との闘いでもありました。読み終えるまでは、なんとか耐えましたよ。
特にp171 のクイニーアマンの紹介場面では、読んでいてヨダレたれてないか確認した程。
Posted by ブクログ
出てくるお菓子の描写が秀逸でどれも食べてみたくなる。最初ら辺はお店のお菓子で気分を上げて頑張ろう!みたいなお話だったけど、段々なろう小説の「地味女子でしたがスパダリに愛されすぎて人生逆転?!」みたいな話になってコレジャナイ感…。お菓子の描写は良かったから一応続編も読もうかな。
Posted by ブクログ
きれいなイラストの表紙に惹かれ購入。
どんなケーキなんだろう、と想像するだけで
ワクワクするような美味しそうなケーキがたくさん出てきます。
スイーツをきっかけに動き出す、その人の物語になんだかほっこりさせられました。
この本を片手に実際のケーキを食べに行っちゃおうかな♡
Posted by ブクログ
装丁に惹かれて購入しました。
個人的には、前半2話が好きでした。
でも、だんだん後半になるにつれて、お話の軸となる方の口調とか展開とかが、ザ・少女漫画!って感じになっていったのが、とても残念でした、、
歪んだ愛情も怖すぎるし、自分の美しさに気付いてない主人公もあるあるだなと。そもそもの設定はいいのに、もったいないなあ。漫画とかアニメの方が向いてるお話かなと思います。
Posted by ブクログ
久しぶりの野村美月さん。
スイーツの描写がおいしそうで、とにかく食べたくなる!というか、買ってきてしまった(最近太ってきたからお菓子を控えようと思っていたのに)!
設定も面白いし、シェフとストーリーテラーの今後には注目していきたい。
ただ、令二を応援できなくて、もやっとしたまま終わった。幼稚園児そんな深い闇かかえてたら怖い……。あと大人になれ、って。
続編もあるので、そちらに期待したい。令二を(読者としての私が)許せる日が来るといいな。
Posted by ブクログ
表紙が綺麗で可愛くて飯テロ?そうだったからつい買った本だったけど、短編集のようになっていて小説をあまり読まない人でも飽きずに見れそうな感じぜす。ただ、飯テロ?系の小説だからお菓子の挿絵くらいは欲しかったです。初めて聞くお菓子の名前も沢山でてくるのでいちいち調べながら読んでました。
Posted by ブクログ
ストーリーテラーのいる洋菓子店、月とわたしが舞台。ケーキや焼き菓子からストーリーを取り出し、商品選びのお手伝いをしてくれる。
いわゆる接客をしてるだけなんだけど、ストーリーテラーと言われて説明されると何だかキラキラした気持ちになるから不思議。
ケーキに詳しくないから、出てくるものを検索しながら楽しく読めた。