【感想・ネタバレ】竜の柩(2) ノアの方舟編のレビュー

あらすじ

ノアの方舟は、龍=ロケットではないか。この仮説を検証すべく、九鬼虹人(くきこうじん)は仲間とインドに向かう。古代遺跡モヘンジョ・ダロは、核爆弾の被災地だったという驚愕の真相……。だが、宿敵・鹿角(かづの)が迫るなかで、アララト山で龍を見つけるしか生き残る道はなくなる。人類最大の謎を解き明かす伝奇小説の金字塔。

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浮世絵研究家としても知られる、高橋克彦氏の著作。

氏はたびたび、荒唐無稽とすら思える超古代文明やそれにまつわる神やUFOなどの考察を書かれているが、オカルトブーム真っ只中で刊行された本作がそういった側面を期待されていなかったと言われれば嘘になるだろう。
確かに、偽書論争を巻き起こした「東日流外三郡誌」など、眉唾とも思える書物をもとに論拠を組み立て、ストーリーを形作っている部分もあるため、すべてを信じることはできない。

しかし、実際に読み進めていくと、もしかしたら…と思わされる箇所にぶつかることになる。
もしこれがばらばらに組み立てられた論拠であれば、その箇所のみ切り捨ててしまえばいい。
だが、巧妙に論拠につながりを持たせているため、それもできずにいつの間にか丸め込まれてしまい、作品に引き込まれていく。

ぜひご一読いただき、それが嘘でないことを確かめてもらいたい。

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