あらすじ
現代人気作家7人の豪華恋愛アンソロジー
恋という言葉では到底つつみきれない、たくさんの感情と人生のシーン。
第一線の現代人気作家たちの手で紡がれる、繊細で豪華なアンソロジー!
島本理生『最悪よりは平凡』 特別な名を持つ平凡な容姿の私。唯一無二の存在になるにはどうすれば。
綿谷りさ『深夜のスパチュラ』 バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘の結果は?
波木銅 『フェイクファー』 大学の手芸サークルで知った着ぐるみの魅力。数年後……
一穂ミチ『カーマンライン』 日米で分かれて育った双子のケントとアサミが19歳で再会した。
遠田潤子『道具屋筋の旅立ち』 容姿に関して隠したい過去を持つ優美は、初めての彼氏の言いなり。
桜木志乃『無事に、行きなさい』 アイヌの人気デザイナー・ミワと、シェフの男。レストラン改装を境に二人は。
窪美澄 『海鳴り遠くに』 夫を亡くし海辺の別荘地ですごす私は、彼女に出会ってしまった。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
かなりおもしろかった。個人的に好きだったのは最初のバーの男との話、お母さんに食べ物は残すなと言われて大食いを強制されてた女性の話、最後の海の同性愛の話でした。
短編ものなので面白い話と面白くない話と私には共感できないな、と感じる話もありましたが、どれも楽しく読むことが出来ました。
読みやすくわかりやすい読み物でとても良かったです。読み終わったあと、好きな人に会いたくなりました。
Posted by ブクログ
好きが詰まった盛り合わせ!めっちゃ良かった!
最悪よりは平凡 (岛本理生)
魔美のしんどさがしんどくて、それでも好きな人ができてこれから始まっていく感じに、人生捨てたもんじゃないよねと思えた。
深夜のスパチュラ (綿谷りさ)
ひとりで買物行く時のグルグルハイテンション感にめちゃくちゃ共感。スパチュラに泣けちゃう気持ちもわかりみしかなかった。
カーマンライン (一穂ミチ)
回想から始まるストーリー展開に安心感。「ホテル・ニューハンプシャー」読んでみようと思った。
無事に、行きなさい (桜木紫乃)
「アプンノ パイエ」の言葉の意味と2本の線のデザインがそのまま主人公へのメッセージになっていて良かった。ミワさんかっこいい!
海鳴り遠くに (窪 美澄)
主人公の恵美が、絹香と出会って自分の心にちゃんと向き合えたのが良かった。最後の携帯電話越しの波の音に新しい人生が始まる感じがした。
Posted by ブクログ
「二度目の恋」でらなく、「二周目の恋」って何? と思いながら手にとった。
恋愛小説のアンソロジー。
同じ人にもう一度恋をする、というより、過去の恋の色んなものを乗り越えて、振り出しに戻って新しい恋をスタートさせる、というイメージかな。だからといって、すべての話がそうとは決まっていない。
もうすでに「付き合ってる」ような感じだけど、明確にするために頑張る女子大生や、結婚を経験したのちに自分らしい恋愛をする女性。脱皮して一回り大きくなった人たちが出てくることは間違いない。
昔は居心地が良かったけど、新しい世界で生きていると、なんだか昔のことを違う視点から見られるようになっている、なんてことはよくある。憧れだったのか、恋をしてるふりをしていたのか、世間体を気にしていたのか。
登場人物たちは、縛られていた何かから放たれて過去を振り返らずに突き進んでいく。
一番良かったのは、一穂ミチさんの「カーマンライン」。空と宇宙の境界部分のことをカーマンラインというらしい。
時代設定が平成初期だけど、意外と良かったのが遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」。今も同じような男性はいるだろうな。どんな人もできるだけ自然な自分を出せる相手が何人かいるだけでずいぶん楽になると思う。
あとね、窪美澄さんって苦手かもって思ってたけど、ここでレズビアンの女性の話が出てきて、これが良かった。上手くどこがどう印象的だったのか分からいんだけど、幸せな気持ちになった。
目次
最悪よりは平凡 島本理生
深夜のスパチュラ 綿矢りさ
フェイクファー 波木銅
カーマンライン 一穂ミチ
道具屋筋の旅立ち 遠田潤子
無事に、行きなさい 桜木紫乃
海鳴り遠くに 窪美澄
そういえば、「フェイクファー」を読んでるとき、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の小説を思い出した。