あらすじ
毛布にくるまって読みふけった
あの頃のあなたへ――
こんなファンタジーを待っていた!
待望の第三弾が早くも登場
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
今まで読んだ三作の中で一番良かった…。
結果的にリーアンとアーロウの入れ替わりによって、リーアンがアーロウとして死んでしまったけれど、
中盤までは、アーロウが死んでしまって、リーアンが年老いた後演出して喝采を浴びる…… みたいな描写だったので、
アーロウがあのまま、リーアンの呪いを受けたり、リーアンの罪を背負って、自分のことより他の人のことに心を砕いて亡くなるようなことがなくて本当に良かったと思った。それはたぶんリーアンの願いでもあったんじゃないかなと思う。
なので、巻末のその後の話も、いままでで一番ハッピーエンドに近かった気がする。
このシリーズの隠れた感動だなと思うのは、
2巻も3巻も過去のことを伝えてはいるのだけど、完璧ではなくて、語られない重要人物がいて、エピソードがあって、それを知るのが、レーエンデに何の力も持たない読者だと言うこと。
私たちはリーアンの部屋にいる蜘蛛みたいなものなのかもしれない。
Posted by ブクログ
リーアンとアーロウの絆がただただ尊い。
不器用で捻くれていて、虚勢を張って本音を...自分の弱いところを隠し続けてきたリーアンの一言
「行間を読めよ。言わせんじゃねぇよ。お前がいない世界を救って何になるって話だよ」
この一言の重みと、それを聞いて啼泣するアーロウの長年積もり積もった思いがたまらなく胸を締め付ける。
過去の断片がここに繋がってくるんだという感嘆。
月と太陽はただひたすらに苦しかった。
希望が見えた矢先の絶望に打ちひしがれた。
今作でそれを見事に引き継いでくれた2人の物語は最高に胸が高鳴った。
今作も最後の最後で理不尽な絶望を突きつけられたけれど...
光の見えない暗闇。
でももうどっぷり浸かってしまっている。
どうか最後には救いを...と願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
今のところ、シリーズの中で1番好き。
歴史における物語の役割とは何か。
それが描かれた3巻。
最初から、リーアンのこともアーロウのことも愛しくて仕方なかった。
23歳なのに、2人とも15やそこらの少年みたいに生きるのが下手くそで、なんともじれったい。
リーアンは言動も幼い。でも常に色んなことを考えてて、そう、頭では誰よりもたくさんのことを考えてて、家族のことを心から思ってるのに、それを伝えられない不器用な性格。
アーロウは一見して、そして同じ顔のリーアンと比べて、とても大人びている。一種の諦観のような。でも、根っこのところでは世界を諦めてない少年の心を持っている。それを必死に取り繕って、大人として振舞いながらも、大事なことには気づけない鈍感な青年。
お互いを憎たらしく、そして疎ましく思っているように見える2人だけど、本当は誰よりも愛している。
世界でたった1人の兄弟。魂を分けたような2人。
2人の魂は、最期まで共にあっただろう。
構成が、素晴らしいと感じた。
多崎礼作品のファンなら、馴染みのある構成なんじゃないだろうか。
私のバイブルとも言える「八百万の神に問う」の3巻と、同じ香りがした。
とても似ている。章の間に小話が挟まれるという構造もそうだし、ジッパーの両側が噛み合っていくような物語展開も、そして、「成り代わる」ところも。
中盤から、嫌な予感、死の香りは感じていた。
それでも、縋る思いで、どうにかこの双子を救ってくれと、ページを必死でめくった。
この結末を、私は救いがないとは言わない。
歴史における、物語の役割。
多崎礼の作家としての矜恃が感じられる一作だった。
八百万シリーズもそうなんだよね。
人の心を動かすのは、世界を変えるのは“ことば”だ、っていう、言葉を扱う人間の矜恃。
11年前、11歳の私が八百万シリーズを読んだあの日の、魂を揺さぶられた、あの思いをを思い出すような本だった。
ことばのちから、文筆のちから、物語のちから。
私の胸にある。
【追記】
八百万の神に問うの3巻、読み返してたんだけど、全く同じフレーズ出てきた…!!!!
これは、もう絶対、多崎先生わざとだよね!?
震えた…。
めちゃくちゃ好きだ…
Posted by ブクログ
『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』、今回も面白かった。特に印象的だったのは、「革命」を武力や政治だけではなく、演劇や芸術という形で描いているところ。人の心を動かし、過去の出来事を物語として次の世代へ伝えていく――そんな「物語の力」が、レーエンデの歴史を動かしていく展開がとても興味深い。
そして、2巻『月と太陽』とのつながりが随所に感じられるのも、シリーズを追ってきた身としては嬉しい。かつての出来事や人物が、時を経て別の形で物語に息づいていることに、レーエンデの歴史が確かに続いている実感がある。
序盤は少し静かに物語が進む印象だったが、後半からは一気に引き込まれた。散りばめられていたものが次第につながり、物語が大きく動き始める終盤は圧巻。単なるファンタジーではなく、「物語を語ること」そのものが持つ力まで描いているところが、このシリーズの魅力だと思う。読み終えた後、これまでの2冊もまた読み返したくなる一冊だった。
Posted by ブクログ
今まで読んだレーエンデのストーリーで1番、亡くなる人が少なかった。
時が経って、戦争がおさまって大量に人が亡くなるような事が減ったけど、人種差別は相変わらず酷い状態で平和とは言い難い。
けれど人々は演劇などの芸術や娯楽に触れる事ができるようになり、時代は移りかわる。
そんな中でも今回はテッサ達の物語が語られる。
歴史を紡いでいくって難しい事なんだなと思う。
誰かが何かに残したり語り継いでいかなければ真実なんて知りようがない。
私たちの知っている歴史も、真実なんだろうか。
そんなことを思った。
Posted by ブクログ
第2作の「月と太陽」が大好きだから、月と太陽で出てきたキャラクターの子孫達が登場したのが嬉しかった!
リーアンが亡くなってから、レーエンデ内での凱旋公演を行うまでの物語がすごく気になる
読めたら絶対面白いだろうなぁ
Posted by ブクログ
双子の劇作家と俳優が忘れ去られた『月と太陽』の物語を追う。これはもれなく順番通りに読んだ方がいい。『喝采か沈黙か』で次へのモチベが上がりました。『月と太陽』がこう活きてくる。前作で法皇帝エドアルドが戦争を終わらせたため、今作では文化が発展したが、レーエンデ人差別が色濃く残る。飼い慣らされることに慣れてしまっているというメッセージについて、現実にも当てはまると思う。政治に目を光らせなければ!!次『夜明け前』も読みます。ミラベル夫人が今作のMVPです!!
Posted by ブクログ
レーエンデ第三弾。
とりあえず、いきなり鉄道が出てきてびっくり。
そりゃ産業も発展してるだろうけど、今までそういった描写がなかったから面食らった。
ユリアの時代からテッサの時代ってそんなにイメージ変わらなかったよね?
レーエンデはずっとそのままいく世界観だと思ってた。
さて。
今作は武力による革命ではなく、天才劇作家リーアンが戯曲によって世界をひっくり返そうとする話。
題材はテッサ。
テッサについては徹底的に秘匿され、一部の支持者以外には名前も知られていない状態。
テッサがどんな人物でどんな人生を歩んだか、追い求め戯曲は完成する。
が、やっぱりそう簡単に世界は変わらず。
前作で教育の大切さ、みたいな話があったと思うけど、そこに繋がるのかな。
「喝采か沈黙か」というサブタイトル、めちゃくちゃ良い。