【感想・ネタバレ】堂島物語1 曙光篇のレビュー

あらすじ

米が銭を生む街、大坂堂島。米問屋である山代屋へ、十六歳と遅れて奉公に入った貧農の倅・吉左には「暖簾分けを許され、店を持つ」という出世の道は閉ざされていた。しかし、刻々と変わる予測不能な米相場を舞台に、相場師としての才能を発揮していく。本格時代経済小説の登場!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

米相場を描いた時代経済小説シリーズ第一弾。

小作人の長男として生まれた吉左は義母との関係に悩んでいた。
義母は自分の子供に後継となって欲しい。その気持ちを露骨に示してくる義母に殺意を覚えた事もあるが、その気持ちも理解出来るのであった。それに兄として兄弟達も可愛い。
義母が死ぬか、それとも自分が死ぬかしか無いと考えた吉左は川に身を投げるがひょんな事で命を救われる。
命を救われた吉左は生まれた変わった気持ちに包まれていた。そんな時に庄屋の紹介で大阪への奉公する事に決まったのだった。
奉公先は米問屋。丁稚の仕事をやりながら商人としての勉強を続けて先代である隠居の月照様に薦められて相場の世界へと足を踏み出していく。。


吉左の過ごしてきた毎日はとてもとても悲惨でした。
義母に疎まれ寺へ入り、父親の体調が優れないと呼び戻され、体調が良くなるとまた疎まれる。自分を必要とされない辛さを噛み締め続けた毎日だったように感じます。
金。その力を思い知った吉左は商人として、そして相場師として才能を開化していく姿は救われる思いがしました。

この物語は吉左が成長していく物語ですが、吉左がとても親思いでどんな酷い仕打ちを受けようとも親への仕送りを心掛け、兄弟達の手習いをさせて自分の道は自分で決めれるようにさせている所がとても魅力的だと思えました。


「自分は堂島一の米仲買人になる。」その決意を元に吉左は明日と向かう。

0
2012年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸時代の経済小説とは面白そうだと思い読んでみました。
当時の米に関する商いを知る事が出来て、とても勉強になりました。こんなに昔から先物取引が行われていたのだなあと感心して調べてみたら、なんと”1730年に江戸幕府が、大阪堂島米会所に対し米の先物取引を許可したのが、先渡し契約の無い近代的な商品先物取引の始まりである”と書いてあって驚きました。
世界初というところに、江戸時代の安定と経済の活発さを感じました。
文章は読みやすく、さらさらと読む事が出来ました。登場人物は良い人達が多いです。主人公は素直ですが、素直過ぎて感情移入がし辛くも感じます。理由の無い素直さではないのですが。物語は、どんどん出世して行くのが爽快でもあり、上手く行きすぎではないかと釈然としない気持ちもあり、というところです。
先の展開がとても気になりますので、4巻まで読んでみようと思います。

0
2012年03月03日

「歴史・時代」ランキング