あらすじ
アニメの原作・脚本・監督を手がける磯光雄が信頼を寄せる第一線で活躍する脚本家・宮村優子が、2人の少女の出会いと友情、仲間たちとの絆を細やかに描いたジュヴナイル小説第2巻。
今より少しだけ未来の202X年――。
子供たちの間でウェラブルコンピュータ“電脳メガネ”が大流行していた。このメガネをかけると、街のどこからでもインターネットに接続して情報を交換したり、データをダウンロードして必殺技を手に入れたり、生身の体はないけれど本物そっくりの電脳ペットを飼ったり…メガネをかけた子供だけの秘密の遊びをすることができる。ただし≪メガネ≫を楽しめる時間には限りがあって……。
小学6年、ふたりの転校生小此木優子と天沢勇子の出逢いを描いた第1巻に続き、フシギ都市・大黒市電脳世界での少年少女たちの冒険を描く。
ダイチ、デンパ、ガチャギリ、ナメッチの<大黒黒客>を味方につける勇子――イサコ、フミエと共に<コイル電脳探偵局>局員となった優子――ヤサコ、ふたりは貴重な電脳物質“メタバグ”をめぐり「バスの墓場」で争奪戦を繰り広げる!
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Posted by ブクログ
『身体が変わっているんだ。髪がのびるみたいに毎日』
イサコはダイチ率いる〈大黒黒客クラブ〉に、貴重な電脳物質メタバグの鉱脈を教えると持ちかける。〈コイル電脳探偵局〉の一員となったヤサコは、フミエと共にそのあとをつけていた。一行が向かったのは「バスの墓場」と呼ばれる不思議な場所だったーーーーー
メガネを卒業する、という思春期に思春期を上乗せするかのような設定を生かした、アニメより更に思春期真っ只中の切なさともどかしさが程よく乗っかった小説。これを思春期に読んでいたら危なかったなと思う。厨二病発症して卒業できなさそう。それくらい中毒性のあるストーリー展開だと思う。二人の“ユウコ“の対比がすごく良くて、読むのに間が空いたとはいえずっと惹きつけられる。フミエちゃんが男前すぎるな。アニメでは姉御肌な感じだったけれど、小説版ではサッパリして粋だ。
みんななにかを失って、ずっと取り戻したいと願っているのが切ない。