あらすじ
商社マンとして生き抜くことを宿命と感じるようになった壹岐は、防衛庁の次期戦闘機選定に伴う商社、メーカーの熾烈な受注合戦に巻き込まれる。国防のため、真に優れた機を採用させようと奔走するが、背後には次期総裁選をめぐる暗闘が横たわっていた。壹岐は政界や防衛庁内の利害が複雑に絡み合う「黒い商戦」で水際立った手腕を発揮する。しかし、その代償もまた大きかった。
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初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
不毛地帯2巻。
商社に入社した主人公が、葛藤を抱えながらも、いくつかの商戦で活躍してゆく。
卓越した分析能力や人脈を駆使しながら勝ってゆく姿にはわくわくするものの、それにまつわる人と人との闇のようなものに、どこか悲しい気持ちになります。
しかし、これが現実なのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
壱岐のアメリカ出張はやはりFX選定に絡むものだった。入社時の社長との約束を反故にされるも商社マンとして突き進む。8年で嘱託から常務取締役に上り詰めるもかつての上司である副社長との軋轢に悩む。アメリカ出張時の細やかな情景の描写はさすが山崎さんという感じ。きっと事前に取材出張を行い小説のプロットを考えながら観察していたのだろうと感じた。