あらすじ
市場規模は1兆ドル時代へ――
社会インフラの中枢を支え
世界各国が奪い合う国際戦略物資となった半導体。
言葉は知っていてもその意味や役割は知らないビジネスパーソンに向けて、日本の半導体流通を牽引する著者が徹底解説
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スマートフォンやパソコンをはじめとした電子機器、自動車や電車、
インターネット通信を代表とする社会インフラなど、
半導体は今、私たちの身の回りであらゆるものに使われており、
生活は半導体によって支えられているといっても過言ではありません。
近年世界的な需要の拡大が続き、日本国内の生産高だけでも年間約5兆円、
世界全体では約72兆円にもなる巨大市場となっています。
さらに、5GやEVの普及、DXによる効率化、メタバースの発展など、
応用機器や応用システムの進化とさらなる需要拡大によって、
半導体への追い風はまだまだ続くことが予想されています。
しかし、そのような世界経済の中心的な存在である半導体について、
「なにやら重要そうなもの」というイメージをもっていても、
どういうものか詳しく理解していない人が多いのが現実です。
本書では、国内外で30万人以上に利用されている電子部品、半導体の通販サイト運営を行う著者が、
半導体とはそもそも何か、世の中に欠かせないものになるまでの進化の歴史、
半導体を巡る世界の動きなどを解説します。
時事問題を語る場やビジネスシーンなどで知らないと恥をかく
大人の教養としての「半導体」の知識が身につく一冊です。
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Posted by ブクログ
1980年代からパソコンを触ってきて、ICについてはそれなりの知識を持ってきたつもりでしたが、本書を読んで、あいまいだったり感覚的に捉えたりしてきた言葉が明確になったように思います。
最近の動向についても、それなりに知識を得ることができました。
あと、前提知識が多少あったからかもしれませんが、読みやすい文章・構成になっていると思いました。
Posted by ブクログ
半導体の今までの動向とこれからについて、また、世界情勢について書かれていた。
半導体産業が垂直産業から水平産業に切り替わっていったことにより日本が衰退してしまった事に関する内容もあった。非常に論理立っていてわかりやすかった。
ただ内容として"日本はまだ半導体産業において明るい"という事を頑なに伝えたいという意志が伝わってくるというか、どうしてもそう結論付けたいような気持ちが伝わってきて、少しだけ違和感を感じた。この本を通して実際に自分の目で半導体産業の動向を見て評価していく必要があると思った。
Posted by ブクログ
ふわっとした知識したかなった半導体のを知ることができる一冊です。 技術の細かなところは半分以下の理解度でしたが、グローバルで成長を遂げた産業だから日本が遅れたというのも納得です。これは半導体産業だけの問題ではないですね。良本です!
Posted by ブクログ
「世界的な半導体不足」
この言葉を使う人は多くても、その背景、意味を理解している人は多くない事実に対して、業界の今を紐解きながら核心へと導いてくれる。分かりやすい内容で、的確!
全く半導体を知らない人でも、半導体という言葉を使うのであれば、最低限は理解しておきたい内容で、読み応え良かったです。
Posted by ブクログ
かなり長期間に渡ってだらだら読んだのでかなり忘れてしまった、また読み返してもいいかも。半導体の基礎知識から、周辺知識まで得られると同時に今後の展望についても思案できるようなものです。
Posted by ブクログ
半導体って、何?というレベルですが勉強になりました!知らなかった、そうだったのか、今はそんな時代なのか、という驚きの連続でした。今、再読中です。
Posted by ブクログ
文章が端的で読みやすく、理解しやすかった。
タイトルの通り、半導体の科学というよりかは半導体ビジネスを解説した内容となっており、ニュースなどを理解するのに役立ちそうであった。
半導体ビジネスモデルは設計専門のファブレス企業、前工程専門のファウンドリ企業、後工程専門のOSAT、設計から製造販売まで行う垂直統合型(IDM)に大別される
ファブレス企業はエヌビディア等の米企業、ファウンドリはTSMC等台湾をはじめとしたアジア企業が強い
日本も半導体製造装置や半導体材料においては高いシェアを誇る
半導体不足の原因は、製造に時間がかかること(前工程で3ヶ月)、ストックできないこと(大量生産品は需給バランスで値下がり、多品種の場合は保管が煩雑になる)、ある分野が特定の企業に偏っていることが挙げられる
Posted by ブクログ
半導体とは、電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間的な性質をもつ物質。ゲルマニウムやシリコンがある。ビジネスや経済を語る際に用いられる半導体という言葉は、このような物質そのものを意味しているわけではなく、シリコンなどを材料にして作られたトランジスタのほか、コンデンサ(電気を蓄える電子部品)、抵抗器などをまとめることで機能をもたせた集積回路(IC)、LED(発光ダイオード)やセンサのようなIC以外の機能をもった部品や素子(電気回路の構成要素)を慣例的に半導体と呼んでいる。
・半導体は、設計工程で内部の回路を設計し、前工程で半導体の回路そのものを作り上げ、後工程で半導体として使用できる形に組み立てている。
・水平分業型:設計専門「ファブレス企業」、前工程を担う製造専門企業「ファウンドリ企業」、後工程を担う「OSAT(outsourcing semiconductor assembly and test)」
・垂直統合型:垂直統合型デバイスメーカー/IDM(integrated device manufacturer)
・デジタルツイン:現実の世界から収集したさまざまなデータをまるで双子であるかのようにコンピュータ上で再現する技術
Posted by ブクログ
半導体について何となくは知っているが、知識を整理したかったため読んでみた。
半導体といっても、色々と種類があり、製造工程も設計工程、前工程、後工程と分かれている。
また半導体関連の事業はエヌビディアなどのメーカーだけでなく、半導体の材料メーカーなどもあり、この分野では信越化学工業などの日本企業もまだ存在感を示している。
また半導体の材料も半導体を作るためのものだけでなく、半導体製造装置向けの材料などもあり、半導体産業は非常に幅広いと感じた。
今後も新たな発明などが起きた場合には、さらに半導体の需要は高まっていくことも予想でき、今後も半導体産業には注目したいと思った。
Posted by ブクログ
半導体とは何か?すらわからなかった自分にとっては入門書になる良書。
ただ技術的な用語も多く、いまいち頭に入りきらない点もあった。
日本が過去半導体において世界シェアの半数を占め、それがなぜ今では凋落してしまったのか、世界情勢や半導体ビジネスの経緯からよく理解できた。
今後技術的な部分も含めて理解を深めていきたい。
Posted by ブクログ
半導体に関する基本的な情報や動向がわかりやすくまとめられた本。特に印象的な内容などもなかったが、市場/各社動向から製造工程、サプライチェーンなどポイントが押さえられていたので体系的に理解することができた。
Posted by ブクログ
NVIDEAの時価総額が1兆ドルを超え、TSMCが熊本に1兆円規模の工場を作り、日の丸ラピタスが5兆円以上の巨額投資で世界に挑む。いまや生活にもビジネスにも欠かせない半導体。でも半導体を説明しろ、と言われると…。本書は半導体の産業構造や仕組み、製造工程など基礎的な内容がまとまっている。特に素材含めた半導体サプライチェーンについてのコンパクトな説明がわかりやすい。
Posted by ブクログ
文字通り半導体に関する本。一連の半導体プロセス並びに各工程に関する概要と、プロセスに関わる材料メーカーや露光機などの装置のメーカーなども書かれている。
確かに基本的なことを網羅するためには良い一冊だと思う。興味がないと読みづらいのと、半導体に関わったことがある人は復習になるぐらいの感想しかないと思う。
Posted by ブクログ
「半導体戦争」という本があまりに面白かったので半導体についてもっと知りたいと思い本書を読んだ。日の丸半導体がまだまだ捨てたもんじゃないと知り安心した。解説だけでなく日本の半導体産業への熱いエールも盛り込まれた良書。頑張れニッポン!
Posted by ブクログ
実はイマイチ実態が掴めていなかった半導体と言うモノを分かりやすく説明。
2030年には1兆ドル規模の市場になると言われるこの業界構造や製造過程など、さわりは理解出来ました。
Posted by ブクログ
半導体を商材として扱う立場から、業界を俯瞰してまとめられた本。
1980年代の輝きは何処、すっかり日本の半導体事業は力を失ってしまった、、、と思っていたけれど、半導体事業の裾野の広さ、製造設備や材料では日本の存在感がまだまだあると知りました。
Posted by ブクログ
面白かった。一口に半導体といっても、種類・製造工程毎に細分化されていてプレイヤーも多いので、きちんと基本は勉強しておかないとよく分からない分野だと思う。サプライチェーン上の問題も基本的な部分は記載あってよかった。
Posted by ブクログ
著者の高乗正行氏は、日商岩井→シリコンバレーでVCの後、チップワンストップという会社を設立して、上場させて、現在は世界最大の半導体ディストリビューターのアロー・エレクトロニクスの100%子会社になっているという方。
感想。
半導体に苦手意識があるせいか、「教養としての」というタイトルが、「お前は教養足りてない」と言われている気がして、嫌な感じしたんです。正直あまり期待せずに手に取りました。
中身の方は、とてもわかりやすく、読んで良かったです。タイトル良くないと思います。
サプライチェーンの脆弱さ、アプリケーションの方もとても重要あたりが特に学び。
備忘録。
・半導体は他の何物にも変えられない。
・現在(2022年下期)の半導体不足は、コロナ禍だから起きた特別な事象ではない。元来、半導体のサプライチェーンは薄氷の上を歩くかのように危うい状態。
・半導体とは、導体や絶縁体に対する半導体という物質的な意味だが、現実的にはトランジスタやコンデンサ、IC、LEDなど、機能を持った素子やデバイスを慣例的に「半導体」と読んでいる。
・半導体を分類すると
デジタル半導体‥演算や記憶を行う半導体。メモリ、ロジック、マイクロなど。
アナログ半導体‥電気信号を処理や制御する半導体。
センサ‥物質量や化学量を検知し、電気信号に変換して出力する
パワー半導体‥取り扱える電力会社比較的大きい半導体。パワーMOSFET、ダイオード、IGBT、サイリスタ
・最近注目のパワー半導体。電力の消費量を抑えられる。EVやエコカーのキーデバイス。シリコンを材料にするのが一般的だったが、炭化シリコンSiCや窒化ガリウムGaNを使うものも実用化された。これらの方が、電力消費量削減や小型軽量化を実現できる。
・1970〜1980年ごろの日の丸半導体全盛期。世界を牽引できた理由は、当時の主力アプリケーションだったAV機器や家電製品が日本企業が強かったことと、半導体の設計からアプリケーションまでの垂直統合の効果。この本でたびたび指摘されてるのだが、アプリケーションが伸びることと、そこに販路があることが、半導体事業を伸ばす上でとても重要らしい。例えば中国は、中国国内だけでこの2つを揃え得る。
・日の丸半導体ご凋落したきっかけ、日米半導体協定。
・先端半導体の話ばかりメディアで取り上げられるが、それ以外の最先端でない半導体だってまだまだたくさん使われているし、むしろそっちだって伸びているし、需要の大半を占めている。
・シリコンサイクルの話は、特にこのタイミングだからか、とてもわかりやすかった。オリンピック前のテレビなどのアプリケーション特需に左右されて4年に一度くるサイクル、パソコンや携帯など電子機器に大きな主役交代が起こるのが10年サイクル。
・まずアプリケーションの大きな需要が発生。しかし、そこに向けてすぐに半導体は作れない。なぜなら、半導体メーカーのラインは、同じラインで複数種類の半導体を作るので生産工程がキツキツに詰まっている。今すぐ欲しいと言っても、順番待ちになる。なので、まず起こるアプリケーションの大きな受注を確認して、半導体メーカーは一斉に設備投資する。しかし、オリンピックの後などでアプリケーションの需要が落ち込み、半導体の需要も落ち込む。この繰り返し。
・それと半導体のサプライチェーンは、材料や、製造過程の資材など、あらゆるものが、どれも不可欠で、どれか欠けると供給が止まってしまう。そういう危うさがある。
・半導体メーカーも、ユーザー側も、半導体を在庫で抱えたがらない。そこに半導体商社の貢献価値がある。
・ファブレス企業、ファウンドリ企業、IDMの違いはしっかり抑えましょう。
Posted by ブクログ
半導体不足の英気を強く受ける業界のため、知識として知っておきたくて講読。
特にためになった知識としては以下。
①半導体が無い、というのはミスリードで正確には、半導体の必要予測を見誤った
②半導体製造は大きくわけて3つの会社がある
1、ファブレス(設計)
2、ファウンドリ(製造)
3、OSAT(後工程、組立品格とか)
4、IDM(全部1社でやる)
③日本は半導体製造では弱いが、半導体製造装置のシェアは高い。半導体が巨大なサプライチェーン出できていることを考えると、その影響力は小さくない
5、半導体はスマホなどをテコに今後も伸びるが、シリコンサイクル出浮き沈みは繰り返す。コロナの反動で生産数を増やしたせいで、今後は供給過多が起きるかも
Posted by ブクログ
半導体不足って大変なんだー…程度にしか感じていたかった。
そもそも半導体とは何か、どんな会社があるのか、半導体が経済成長にとってどれほど重要なのか、なぜ世界情勢の変化が半導体の供給に影響するのか、など勉強することができた。
日経新聞の理解度が深まりそうだ。
理工系人材が不足しているとのこと。
30〜40代からでもキャリアチェンジできる仕組みづくりがもっと広まればいいなと思った。
Posted by ブクログ
状況、歴史、展望についての基本情報が中心で、数時間で一気に読めました。
著者はチップワンストップの創業社長ですが(読んでて知った)、チップワンストップって、もうとっくの昔に上場廃止して外資傘下になってたんですね。
Posted by ブクログ
半導体って、めっちゃいろんな工程があって、すごい複雑でグローバルな産業ということが理解できた。
今まで使われていなかった所も機械化されていく。なので、これからの時代は半導体の時代になる。日本にも工場が建てられるので、半導体の波に乗りたいと思う。
Posted by ブクログ
半導体といえばNVIDIAが有名くらいの知識しかなかったが、NVIDIA自体はファブレス企業で開発と設計のみを行い、製造はまた別のファウンドリ企業が担うという垂直分業が成り立っていることを初めて知った。世界の半導体市場や日本の半導体事情をさらっとしれたことが良かった。
Posted by ブクログ
半導体産業は、暫く現状維持で、何に使うのか、それをベンチャー企業が考えるわけだが、日本では育たないので、安く作るとことだけに取り組まざるを得ず、日本中残業だらけである。投資家が居ないのか、企業が、国内のベンチャーに目を向けないのか、銀行が、投資する気がないのか、人材自体が枯渇しているのか。
Posted by ブクログ
なんとなくわかっているようでよくわからない、半導体のことを分かりやすく解説している。そもそも半導体とは「絶縁体と導体の中間」の物質のことを差し、さまざまな種類の半導体を使って作られた回路だったり部品だったりを総称して慣例的に「半導体」と一般的に呼んでいる。
技術の新陳代謝が激しい上に製造設備には巨額の投資と高度な技術と知識が必要で、簡単には増産も新規投資もできない。しかし国力を左右するほどの重要品であるのが悩ましい。
かつて日本が世界の半導体市場を席巻していた頃の「垂直統合型」の体制は廃れ、現在は「水平分業型」が潮流になっている。日本の文化の良し悪しが明暗を分けた感がある。
技術的な細かいことはわからなくても、知識としては頭に入れておきたい内容だった。
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
半導体の基礎知識、歴史、今後の見通しを解説した本。
2.よかった点を 3~5 つ
・半導体とはそもそも何なのか(p28)
→本来の半導体の意味と、慣例的に呼んでいる半導体とは意味の異なる物だということがよくわかった。
・ニュースでよく聞く前工程、後工程とは?(p40)
→設計工程、前工程、後工程、の違いがよくわかった。
・半導体メーカーにおける 2 つのビジネスモデル(p54)
→このビジネスモデルをよく把握しておく必要がある。半導体企業と言うだけでは誤解する可能性がある。
・半導体の供給は急に止まる(p142)
→サプライチェーンは非常に危ういバランスで成り立っているのがよくわかった。
・世界中で重要度が高まる半導体商社(p151)
→半導体商社の重要さがわかった。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・半導体の歴史の部分は、私にとってはあまり新しい情報はなかった。
・半導体商社の話は、著者のポジショントークの部分が少なからずあると感じた。
・日本の半導体業界の未来について、著者の考えは楽観的すぎるように感じた。
3.議論したいこと
・日本の企業は今後、半導体産業で生き残っていけるのだろうか?
・日本の企業でファブレス型企業がほぼ無いのは何故か?
5.全体の感想・その他
・著者は経営者としてかなり成功していると思われるが、私はこの人を知らなかった。
・半導体の知識を得るための入門書としてはよかったと思う。しかし、今後の日本の産業の未来を占う上では内容が物足りない印象がした。