あらすじ
「それは、そのうちね」そう、お妙がにっこり笑う。お花が
「料理を教えて」というと、お妙はきまってそう有耶無耶に
してしまうのだ。養い子のお花は、引き取ってくれた只次郎
とお妙の役に立ちたいだけなのに――。一方、かつてお妙と
只次郎の世話になった薬問屋「俵屋」の小僧・熊吉は十八歳
になり、手代へと昇進していた。出世頭には違いないが、小
僧とは距離ができ、年嵩には疎まれ、心労が半端ない……。
蕗の薹の芥子和え、タラの芽の天麩羅、ホクホク枸杞飯、そ
してふわふわの鰻づくし! 彩り豊かな料理と共に、若い二
人の成長を瑞々しく描く傑作人情時代小説、新装開店です!
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Posted by ブクログ
一気に読んでしまいました。
お花ちゃんの気持ちがよくわかる。自信が持てないんですよね。
お花ちゃんと熊吉くんがどう成長していくか、とても楽しみです(^-^)
Posted by ブクログ
お花中心こお話で、お妙と只次郎が少ないと困るというかつまらないなあと思っていたけど、2人も出てくるので嬉しい。5年後とはあっという間に過ぎてしまったけれど、2人が仲睦まじく過ごしてて本当に嬉しい。今後も2人の様子を知りたいから読み進める。お妙さんに子どもが出来たら幸せだなあ。
Posted by ブクログ
すみれ飴
花暦 居酒屋ぜんや
著者:坂井希久子
発行:2021年10月18日
ハルキ文庫(角川春樹事務所)
初出:「菫の香」「酒の薬」「枸杞の葉」「烏柄杓」はランティエ2021年6月~9月号、「夏土用」は書下ろし
先月初めて読んだ坂井希久子(「赤羽せんべろまねき猫」)は現代ものだったが、この人の時代小説、居酒屋ぜんやシリーズは読んでみたいと思っていた。先月、17冊目が出たようだけど、この本はその11冊目。5編の連作短編集。ただし、一つ一つなにか問題が起きて解決するというような話ではなく、各編に締めくくりはあるものの時差がなく前後がつながっており、限りなく長編に近い連作短編になっている。全てにほのぼのといい話。
どうして11冊目から借りたのか、自分でも不明。なお、官能小説も得意らしいので、そちらも読んでみたい。1977年生まれ、和歌山出身、同志社女子大卒(ということはお嬢様?)。
実の母親と暮らしていたお花は、9歳の時に捨てられた。出かけてくるといって出かけたまま帰らない母親。それを見つけたお妙に救われる。お妙は2年間様子を見た上、お花を養女にした。それから3年、14歳のお花と、居酒屋「ぜんや」女将のお妙、その夫である只次郎が主役の物語。
特徴は、お花は非常に鼻が利くということ。普通の人が気づかない匂いも分かる。とはいえ、この本ではそれで事件を解決するというような捕物帖やミステリー的な展開はない。
なお、この本の最初の1編「菫の香」は、適度に登場人物の紹介が盛り込まれ、初読者にも理解しやすい。毎回、こんなことをしているのだろうか。ぜひ一冊目の最初がどうなっているのか読んで確かめたい。もしかすると、最初はお花がいなかったのかもしれない。
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お妙:ぜんや女将、別嬪
只次郎:夫、旗本の次男坊から町人へ、鶯と商売の指南で稼ぐ
お花:只次郎とお妙夫婦に引き取られた娘、鼻が利く、14
お勝:お妙の前亭主・善助の姉、ぜんやの給仕、
お槇:お花の実母、お花を虐待し捨てた
お梅:16歳。日本橋本船町、魚河岸で賑わう中にある海苔店「宝屋」が誇る看板娘、親に捨てられた子供だったが、お妙に拾われて宝屋の養女に。宝屋の女将は他に5人の子育てをした豪腕。
<俵屋(薬種問屋)関連>
熊吉:18歳、薬種問屋「俵屋」手代、大柄で腕っ節が自慢、以前は「春告堂」の手伝いもしていた。ルリオの子のヒビキを飼っている。幼いときに俵屋を抜け出して彷徨っていてお妙に拾われた恩義がある、
長吉:俵屋の小僧、熊吉と同じ年、
留吉:手代頭
*取引先の三橋屋は亭主が癇性でけち、肝っ玉が小さい
<ぜんやの馴染み客>
「菱屋」のご隠居:大伝馬町にある太物屋の隠居、只次郎の養父になった
俵屋の主人:薬種問屋、熊吉を手代に8年で抜擢
升川屋喜兵衛:新川沿いに蔵を構える酒問屋の主人
・お志乃:妻、灘の造り酒屋の娘
・千寿:息子、8歳
・おつな:女中頭
三河屋主人:味噌問屋
三文字屋主人:白粉問屋
<ぜんやの近所>
おえん:ぜんやの裏長屋に住む、左官の女房、
おかや:7歳、おえんの子
お銀:ぜんやの裏店に住む怪しげな人相見
*************
(読書メモ、ネタ割れ注意)
1.菫(すみれ)の香
お花がどういうふうにお妙と只次郎の養女になったのか、そして、周囲にどういう人たちがいて、どういう人間関係を築いているのか、イントロ的な物語。11冊目でも、最初の1編ではこういう展開にする必要があるが、そのさじ加減こそ作家のテクニックと言える。
神田花房町代地に店を構える居酒屋「ぜんや」。別嬪女将のお妙が経営しているが、亭主の只次郎も経営に関わる。ぜんやの隣には只次郎の店である「春告堂」がある。鶯が預かりものだけで11羽、飼っているものを含めると14羽。鶯の鳴き声をよくする指南と、商いの指南の謝礼で生活費を稼ぐ。美声を誇った鶯のルリオは死んだが、それに代わる江戸随一といわれるハルオがいる。
お花は、9歳の秋に実母であるお槇に捨てられた。お槇は出たまま戻らず、あばらやで3夜を過ごしたお花。見つけたお妙と只次郎が面倒を見、戻ってくるかもしれないと2年は様子を見たあと、養女にした。お槇は男と江戸を出たという情報を知っていたが、お花本人には言ってない。
お花は虐待されていたが、少しでも好かれたいと言いつけはよく守ったつもりだった。日が暮れるまで帰ってくるなと言われれば、猛暑でも吹雪でもあてどなく歩き回って時を潰し、打たれどころがひどく腫れても「泣くな」と命じられ、夜着とも呼べぬ襤褸布にくるまって疼きに堪えた。「愚図、のろま、役立たず」と言われ続け、情を向けられることがなかった。
そんな体験があるからこそ、お妙の仕事(ぜんやの仕込み)を手伝おうとするが、一定のところまでしかさせてもらえない。魚のさばきもしたいのに、やらせてもらえない。春告堂の仕事も手伝い、鶯への餌やりなどもする。しかし、この日、寛政11(1799)年2月はじめの午の日も、稲荷神社の祭礼だったので、小遣い20文を持たされ、せっかくだから遊びに行くように言われた。店の給仕をしているお勝にも、飴でも買いなと5文握らされる。合わせて25文。遊びより手伝いをしたかったのだが、仕方なく外出。
日本橋本船町、魚河岸が並ぶ。海苔店「宝屋」でお梅にぼやくお花。お梅は16歳で、やはりお妙に救われてここの養女になる。養母は他に5人の子を育てた豪快な人。しかし、今日は首筋になにか赤くただれている。お花は指摘する。三軒隣の煮売屋の魚を食べたのでは?そうだと言うから、あそこは古い魚を使っているからそうなるんだ、とお花。嗅覚に優れているためそれに気づいた。その日、宝屋に来る客に、お花はあの煮売屋の魚は食べてはいけないと警告をした。
すると、煮売屋が激怒しつつやってきた。ピンチだったが、なんとか熊吉に助けられたお花。熊吉は薬種問屋の手代だが、やはりお妙に救われた恩義があった。
すると、なにかお妙の匂いがする。まだ家の近くに帰ってきたわけでもないのになんだろうと思うと、天秤棒を背負った売り子がいた。見ると、菫(すみれ)の鉢植えがあった。値段を聞くと30文。25文にまけてもらってお妙のために買って帰った。熊吉は、そんなの売れ残りだから20文になったのに、とぼやくが、お花はどうせお金は使わないしどうでもよかった。
熊吉がぜんやまで一緒に来てくれた。お妙は、せっかくの小遣いだから欲しいものを買ったらよかったのに、といいながら、お花の優しさに感謝。お花にすれば、9歳のころまで小遣いなんかもらったこともなかったし、寝ていて朝餉が匂ってくることを知ったのもここに来てからだった。本当に感謝し、恩返しをしたかった。ところが、熊吉が煮売屋のことをお妙に話してしまった。お妙は叱った。いくら古い魚を使っていても、使ってはいけない物ではないし、そうして安く売られた煮売魚を食べられるから助かっている人もいると言い聞かせ、一緒に詫びにいくことを約束させる。
一緒に詫びると、意外にもあっさりと許してくれた。帰ると、只次郎が大きな鉢を持ってきた。お花が買ってきた菫を植え替えるという。菫は土の上に出ている部分は小さいが根が長くのびるから、大きな鉢に植え替えてやらないと枯れてしまうという。それは、お花の将来に向けるお妙と只次郎の目でもあったのである。
2.酒の薬
熊吉は丁稚10年で手代と言われているなか、8年でなった。主人に見込まれている。しかし、今回は同期の長吉(小僧)のミスで得意先(三橋屋)に謝罪に行った。戻ると主人に呼び出される。やっかみでベテラン手代たちが冷たい視線を向ける。熊吉におとがめがあることを願っているのか・・・
主人の部屋に行くと、只次郎がいた。只次郎は俵屋に商い指南をしていた。主人から、只次郎を案内してくれと熊吉は言われた。只次郎は新しいユニークな薬を俵屋も売るべきだと提案していたが、どのようにPRして売るかが問題だった。そこで、面白い売り方をしている薬屋を案内してやってくれということだった。
吉原には、格子ごしに美童ばかりを集めて薬を売る店があった。経営は禅僧だとういう。男色の小児性愛で売る気か?などと疑問を持つ。色々と回ると、2人はぜんやに。そこには「菱屋」(太物屋)のご隠居がいた。ご隠居はこの店のなじみ客であると同時に、只次郎の養父という関係でもある。夕餉を食べていくことになった熊吉は、遠慮して遠い席に座っていたが、ご隠居に促されて3人一緒に。
一杯やろうとすると、只次郎だけは不要と言う。今日、買い集めた薬のうち「酒禁丸(しゅきんがん)」を試してみるという。飲んでみると口にはっかのようなスースーする感覚が広がり、確かに飲みたくない。しかし、熊吉はその強がりをやめさせようと見せびらかすようにご隠居に酌をする。飲まない只次郎。結局、その酒禁丸の効力を打ち破ったのは、お妙の作った料理「鰆と筍の炊き合わせ」だった。震えるほど旨かった。ついに盃を頼む只次郎。
そこに現れたのは、俵屋の主人だった。驚く熊吉。
俵屋は言う。「どうか龍気(りょうき)養生丹を甦らせて、うちで売らせてもらえませんか」と、お妙に向かって頼んだ。熊吉もその名に覚えがあった。たしかお妙の亡き父が作り、前の良人(おっと)が売り歩いていたという精力剤だったはず。只次郎にとっても、これは寝耳に水だった。
3. 枸杞(くこ)の葉
(前話で)熊吉がお妙にと持って来た当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と言う薬。なにか意味があるとお花は思っていた。お妙に言われ、怪しげな人相見のお銀にそれを届けた時、お銀は、これを飲むということは、お妙は妊娠しているのか、とからかった。お花は本気にしてしまい、お妙の腹に子がいるのは本当かどうか確かめたかったが、口に出せなかった。夫婦二人にとって初めての実の子、生まれたら自分はどうなるのだろう、また捨てられたくはないから、どこか奉公に出してもらうように頼もう、などとあれこれ考えるばかりだった。それは、3人で枸杞の葉を採りに行った帰り道のことだった。危なそうなところに生えている枸杞は、身重のお妙に採りにいかせず自分で行ったお花。それで手も切ったが言えなかった。
そうこうしていると、升川喜兵衛の新造(新妻)のお志乃がぜんや前で駕籠から転がり出てきた。お妙を訪ねてきたのだが、駕籠に酔ったという。お妙はとりあえず2階に寝かせる。
熊吉もほぼ同時に来た。お志乃が駕籠に乗るのをみかけ、気になったので追い掛けてきたという。2階からお妙が降りてきた。お志乃は妊娠していて、つわりが酷くて食欲がないという。だから、枸杞ご飯をたべさせることにしたという。熊吉は、身重の時は枸杞をあまりたくさん食べさせてはいけないと教えた。
夜、只次郎が帰って来た。どうやらお志乃は喜兵衛の言葉に怒って家出をしてきたらしい。つわりで苦しんでいると、喜兵衛から「2人目なのに慣れねえものかねえ」と言われたので、この苦しさも分からずになにを言うかとカッとなったようである。しかし、息子の千寿が迎えに来て無事に帰った。
ぜんやのこの日の営業は終わり。残った枸杞ご飯は、お勝やお妙が持ち帰り、朝餉などに使うことに。お花は言った、お妙さんはそんなにたくさん枸杞を食べてはいけない、身重だから。熊吉の言葉を覚えていたのである。
お妙は子などいないことを話した。そして、お腹の中にいるかもしれない弟か妹を守ろうとしてくれたんだね、と只次郎とともにお花に感謝するのであった。
4.烏柄杓(からすびしゃく)
俵屋は5年働いて何らかの役がつかないと他所へ出される。8年で手代になった熊吉は、年上の手代たちから妬まれ、意地悪などもされていた。廁も覚えがないのに汚したと騒がれる。だから他の手代が起きてくる前に起きて廁を使う。そんな朝、若旦那が呼ぶ。どうしたのかと行くと、昨日、熊吉が若旦那に言いつけられ、抽斗に入れて置いた「杏仁(きょうにん)」がなくなっている。それが「桃仁(とうにん)」の抽斗に入っている。桃仁は桃の種、杏仁は杏の種を乾かしたもので、よく似ている。それが混在していた。見分けづらいから間違いのないように注意が必要。熊吉なら何とか分けられる。きっと誰かの嫌がらせだろう。若旦那もそれを見抜き、番頭の前で問題になる前に熊吉を呼んだということだった。
熊吉はその仕分けのために朝餉が食べられなかった。おたえがおにぎりを持って来てくれた。
熊吉が酒問屋の升川屋喜兵衛に頼まれた薬を届ける。そこで、精力剤の龍気養生丹を作って販売していたお妙の父の敵は、一橋様だったことが分かったと言う話になる。しかし、一橋様による今回の製造許可が出たとも。また、鶯のヒビキ(熊吉飼い)とハリオ(只次郎飼い)はともに八つで、そろそろ寿命。久世丹後守の用人・柏木様にもらわれた兄弟のタマオは冬を越えられずに死んでいる。10年生きたルリオは相当な長生きだという話題も出た。
熊吉は俵屋の主人に「ぜんや」で集合をかけられた。店の前では、お花が烏柄杓をしゃがみ込んで見ていた。初めて見るようだった。名前を教えてやった。一緒に店内に入る。すると喜兵衛が既にいて、味噌問屋の三河屋主人もいた。2人は一杯やろうとしている。熊吉も俵屋主人から昼飯をすすめられたが、酒はだめだと釘を刺される。
俵屋主人は龍気養生丹の試作品を作ってきて、それをお妙に見せた。三河屋は以前に飲んだことがあるという。作って分かったことは、非常に高くつくこと。8粒で400文にもなる。お妙の亡父である佐野秀晴はどうしていたのだろう。医師でもあったが商人でもあったので、売れないものは作らない。きっと安く売ったはず。その謎解きをし始めた。もしかすると、高くつく材料を省いた廉価版も売っていたのではないか?金持ちには高いフルスペックを売り、上がった利益で廉価版を売って金のない人を喜ばせる。
では、何を省けば廉価版ができるのか、という話になった。そのなかで、海狗腎(かいぐじん)、鹿腎(ろくじん)、驢腎(ろじん)が節操なく入っているという話が出た。お花が聞いていて、それは何だと質問した。ちゃんと答えてやらないとへそを曲げてしまうと思い、俵屋の主人は、膃肭臍(おっとせい)、鹿、驢馬の、陰茎と睾丸であることを伝える。お花には通じたようだった。どうしてそんなものを飲みたがるの?と聞いたので、れっきとした薬だからだと教える。高麗人参の話も出た、自分たちが食べているニンジンとは違うことも教える。するとお花は外へ出ていき、烏柄杓を採ってきてこれを買ってくださいと俵屋に言った。熊吉から烏柄杓も生薬の一つだと聞いたからだった。
俵屋は確かなものしか使わないから、確かなところからしか買わないと断ったが、お金を稼ぐ手伝いをして貢献しないと置いてもらえないというお花の健気な態度にグッとくる熊吉だった。
おたえ:俵屋に春から奉公に上がった女中、16歳
三河屋:味噌問屋、龍気養生丹を飲んだ経験がある
佐野秀晴:お妙の亡父
熊五郎:熊吉の父親
5.夏土用
6月、大暑だった。お花は店の手伝いをしながら眠たさを堪えていた。ちょっと寝てきなさいというお妙のすすめも無視して。5年前の大暑、客が取れたお槇に家を追い出されて暫く帰ってくるなといわれ、暑さで朦朧としているなかで只次郎と会い、救われた。この時季に匂うのは枝豆。お槇も夏になると枝豆を売り歩いていた。貧しい女たちの仕事だった。お花を罵る息も、頰を打つ手も、足蹴にして乱れる着物の裾からも、枝豆の青いにおいがした。それは痛みとともに記憶にすり込まれており、好き嫌いのないお花は今でも枝豆が食べられない。
最近、お花は額にできたニキビが気になっていた。熊吉が廁を借りに来た時にそれを言うと、今度、薬を作って持ってきてやると言った。
ぜんやの常連たちから、そういえばぜんやは鰻だけは出ない、食べたことない、いや少しはある、というような話になった。なぜ鰻が出さないのかと聞くと、鰻は鰻屋で食べる方がうまいからだと答える。蒲焼き以外では美味しいものが出来ないし、いまさら蒲焼きを仕込んでもかなわない、と。しかし、料理のうまいお妙ならと、6日後の土用に鰻づくしをしようということになった。
お花は自分も料理がしたいと思っていて、何度もお妙に料理を教えて欲しいと頼んでいるが、そのたびに「そのうち」とはぐらかされる。さて、今回の鰻づくしについて、お妙は悩んでいた。何を作ったらいいのやら。そうしていると、お花のアイデアがヒントとなって、次々にメニューが決まっていった。
当日は大好評だった。そして、料理はみんなお花が考えてくれたんだとお妙は言った。そして、「お料理って、面白いな」とぽつりとお花が言うと、「じゃあ、覚えてみる?」とお妙。どうする?やる、教えて!なら明日から、少しずつね。やった!