あらすじ
帝国東方辺境鎮定軍の冬季限定攻勢に大損害を与え皇都に帰還したのも束の間、今や政争にも影響を及ぼし始めた新城に怨嗟募る将家の顎が忍び寄る。国を過らしめるのは愛国者なのか、それとも逆賊なのか。残り数日で迎える凱旋式を境に暗雲漂う皇都の闇に蠢く無数の影が皇国の歴史を変えていく。
...続きを読む
人と龍が共存し、様々な取り決めを持った大協約世界。日露戦争を彷彿とさせる戦場が舞台の架空戦記小説です。世界観や人物像、戦記物には必要不可欠な戦略・戦術が細部まで深く作り込まれ、その説得力には感嘆のため息が出るばかり。
主人公・新城直衛は、剣牙虎(サーベルタイガー)を戦力として運用する実験部隊「剣虎兵」の中尉。圧倒的な戦力差を持つ「帝国」に攻め入られ、味方の撤退支援のため敗北必至の戦いに臨まなければならなくなります。
「莫迦と勇者は命の値段が違う」「嫌だ嫌だ。凄く嫌だ。英雄なんて冗談じゃない」……主人公は冷徹かつ現実主義なのですが、だからこそ余計に戦場の苛烈さを感じさせます。
ファンタジー要素も幻想的というより現実的な描写、例えば部隊員である導術兵の主な役割は通信や索敵など、実に実際的。どこまでも最悪な状況下、それでもその中の最善を求め実行する……彼らがどう戦い、どう進み、そしてどこへ辿り着くのか。戦記が好きな方はぜひお試しくださいませ!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
皇都に凱旋したはずの新城だが、帝国の攻撃後も自らの身は生き延び勢力を伸ばそうとする守原にとって彼は駒城以上に抹殺すべき憎悪の対象だった。 こちらから先に守原を攻撃しようとする進言を駒城篤胤に退けられ、皇都を制圧された後に生き残る準備を新城は密かに進める。 彼の友人−羽鳥・槇・古賀・樋高らも守原に狙われ、新城の側に立って行動し始める。 奇策、新城と麗子の婚約予定発表。 駒城篤胤は廟堂で守原一派を追放しようと画策する。 そしてまもなく十三月五日、凱旋式当日が到来する… それにしても私の想像ではキリンくらいの坂東くんが酔っぱらうためのお酒を毎回用意するのって大変そう…
Posted by ブクログ
この巻は政治の季節。まさに嵐の前の静けさ。それゆえ底知れぬ具合の悪さを感じる。戦場だけじゃなくて、戦争の周辺で蠢いている策謀を各々の視点で語る今作は、登場人物の過去さえも浮き彫りにする。いや、むしろ戦場という圧倒的な非日常よりも、こうした日常の中に潜む薄暗がりの中の方が人間性が曝け出されるのか
Posted by ブクログ
読んだきっかけ:漫画が面白かったから。
かかった時間:2/15-2/16(2日くらい)
内容:第7巻は、虎城戦勝利後皇都へ戻ってから、守原が「義挙」を策謀する。
話が前にすすみません。