廣野由美子のレビュー一覧
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『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、展開していったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う。
半分くらいは未読だったんですが、気になりすぎて読みたくなっちゃった。子供の頃、こんな難しいことは考えずに読んでいたけれど、確かに女性が立ち上がって羽ばたく小説って海外ものが圧倒的に多かった気がする。海外小説にどっぷり漬かっていて、私があまりディズニーにはまらなかったのは、もしかしたら王子様を待つタイプより自分の力で何とかするタイプに憧れたからかもしれないな。いろんな文学を生み出した英国文学ってすごいな。 -
Posted by ブクログ
前著『批評理論入門』は主に批評家視点での読み方であったが、本書では批判的な読み方ではあるが一般の読者寄りの視点での読み方の解説になっている。今回は『ミドルマーチ』が題材。具体的な例を挙げながら解説するのは前著と変わらないが、より社会や経済など広い概念からの批評技法となっている。ただ、やはり批評のための読み方であり、素直に小説を読むことを許してはくれない。
前著、本書を通して批評的な読み方をみてきたが、どうも言い訳感が拭えない。世の中にはちゃんとした批評家もいるのかも知れないが、自分が書きたくても書けなかった小説を書いているのが悔しくて、批評家という立場を使っていちゃもんをつけて溜飲を下げているだけではないか?という疑問を払拭することは出来なかった。 -
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主要人物が登場し、いかなる性格で、どのようなことを考えているのか、どんな社会的地位にあるのか、家族関係や財産の多寡はどうなのかといったことが少しずつ明らかになってくる。
うら若き女性が、かなり年上の学問に打ち込む牧師と短期間で結婚に至るというまとまりが一つ。医学の道に進み、成功を目指して新しい地にやってきた医師を巡るまとまりがもう一つ。
登場人物の性格が会話のやり取りなどからクッキリと浮き彫りになってくるし、夫婦間、親子間、友人間などにおける認識や気持ちのズレなども実に細かく描かれている。
19世紀小説に良く見られる、随所に挟み込まれる"全知の語り手"による考察も、時代は変われども成程と思わされるところが多い。
どのように展開していくのか、先が楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
チャールズ・ディケンズ、ウィルキー・コリンズ、コナン・ドイル、G・K・チェスタトン、アガサ・クリスティを中心に取り上げ、イギリスのミステリの古典における人間に対するまなざしのありようを論じた本です。
「探偵小説とは人間を描くものであり、とりわけ人間性の暗部を描き出すうえで、特殊な方法論を有するジャンルである」と著者は規定し、こうした側面から、それぞれの作家が作品中でどのようなミステリの手法を用いて、人間についての探究をおこなっているのかを明らかにしています。
ミステリというジャンルが形成されるプロセスとミステリの特徴について一般的に規定した上で、個々の作品に立ち入って議論をおこなっています。ただし、文学史の中でミステリというジャンルを位置づける議論はあるものの、ミステリ史そのものに立ち入った議論はあまりなされていません。推理小説マニア向けの本というより、英文学史の中でミステリの位置づけを考察した本だと思います。