古井由吉のレビュー一覧

  • 木犀の日 古井由吉自選短篇集

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    自分の感性では少し難しかったような気がした。
    社会の中での自分の対比というのは、それは物凄く辛いことで文学的命題ではあるのだけども、少し生活に密着しているような気がして、それを自選して編集した妙なバランスの悪さを感じた。
    多分社会経験が足らないせいもあるのだろうけど。
    ただ田舎から東京に戻ってラッシュに違和感を感じる、なんて全く面白いとも思わなかった。
    そんなの思い付いても誰も書かないだろうと。
    あと会社で意図的に発狂した話も。
    興味深く読めたのは『椋鳥』。
    まあ竿姉妹の話なのだけど、こういうドロッとした女の情念が好きだ(あまり関わりたくはないが)。
    きっと40代後半からこの短篇集は共感を持って読めると思う。
    その時になってまた開きたい。

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    2012年01月14日
  • 人生の色気

    Posted by ブクログ

    前にある人が「文学とはエロスだ」というようなことを言っていて、その時は閉鎖的な囲いに違和感を感じ、「はぁ」とか「ふーん」だとか適当に思っていたのだけど、エロスに想いを馳せる古井の姿を見ていたら、あながちその通りなのかもしれない、とも思うようになった。しかしながら、この本の「人生の色気」という大きな題名から私が勝手に想像していた、終わりに向けた死の色気とは異なり、生への色気、続く色気であることに、男を感じさせるのだが正直少し物足りない。おせっかいながら題名を変えた方がいいと思う。

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    2011年03月04日
  • やすらい花

    Posted by ブクログ

    「夏のたそがれ時に縁側に坐って庭越しに正面の生垣を眺める老人の姿を、男は妻を亡くして一年ほどになり、そんな時刻に一人暮らしの五階の住まいから思い出して、見えるはずもないその昔の影を探すことがある。」
    という書き出しに、もう読むの止めようかと思いました。
    結局通読しましたが、「え、今何の話してるの?」と迷うことしばしば。
    著者は主語と述語の間をうんと遠くするのが好きみたいで、読点と読点の間に別の時制の話を入れ込むのが好き。まるで関係代名詞を省略した英語の和訳を読んでいるような、詩を読んでいるような、妙な気分です。

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    2010年10月05日