梓崎優のレビュー一覧
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ジャーナリストである主人公が、取材に赴いた世界各国で遭遇する謎を描いた連作短編集。
梓崎優さんのデビュー作です。
ミステリ要素のみに着目すれば、少々物足りなさを感じてしまうかもしれません。
でも、その土地に根ざした文化や価値観が、謎と深く関わっているところに、他のミステリ作品とは一線を画する斬新さがあるように思います。
それに加えて、風景描写と情景描写の巧みさは新人離れした印象で、他の国々を舞台にした作品も読んでみたくなりました。
10年以上前の作品とのことで、今更シリーズ化するのも難しいかもしれませんが、物語としての整合性の高さと、ミステリの新たな可能性を感じる一冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
『叫びと祈り』が最高だったので、続けて買ってしまった。主人公のミサキがカンボジアでストリートチルドレンとなった経緯や、ストリートチルドレンの日常や周囲からの認識を、かなり細かく書かれていて胸が苦しくなる場面も結構あった。精緻に書かれたそれらの描写によって、事件の真相を知った時、読み手は異国の論理を受け入れることが可能になっている。構成が丁寧なので、事件が始まるまでのやや長い前フリを超えれば、もうノンストップで続きが読みたくて仕方なくなるのではないか。
殺意は避けられぬ衝動(叫び)であり、その殺意に対して理解を試みることが祈りなんだなと解釈していて、この『リバーサイド・チルドレン』でも主人公の心 -
Posted by ブクログ
何かすっかりお馴染みとなった書き出し(^ ^;
「一応ミステリに分類したけど」(^ ^;
一冊通して、何とも「高貴な」印象を受けた。
テーマ、ストーリー、推理、人間模様、
そして文体や繊細な感性がにじみ出る表現。
すべてが「俗」を超え、神々しく光っている。
一応殺人事件が起きたりもするし、
「探偵役」による「謎解き」もきちんとある。
が、それは決して物語の主流ではない。
日本人には馴染みの薄い、海外の特殊な環境の中、
価値観やものの考え方がまったく違う人々との邂逅と齟齬
みたいなものが大きなテーマかと。
高貴な文体ながら、ハンマーで頭を殴られるような
インパクトの強い内容が次々と現れる -
Posted by ブクログ
世界をまたにかける語学堪能なジャーナリスト。まぁたいがい日本人でバリバリ外国語をしゃべるって時点でなんかイラッとしますね。何故なのか。やはり日本人なら日本人英語をしゃべるべきではないか、という謎の先入観があるからでしょうなぁ。まさに出る釘を打つという日本人の精神。
しかしこの出木杉君みたいな男の行くところ行くところ、事件が起きる!コナンや金田一ばりのトラブルメーカーなわけですね。というか死神です。こういういけすかないやつには酷い運命が待っている、という神様はちゃんと見てるんだな、とほっとしますね。でもそんなひどい目にあってもイチイチ哲学臭いというか、あれですな、中二病?的な難しい話をすぐ持ち出 -
Posted by ブクログ
このミスベスト10、2011年版3位、本屋大賞2011年6位。良質の小説。独自性の高いテーマ、意外性のあるストーリー、高尚な文学的表現、工夫を凝らした構成。連作短編集だけど全体が一つのストーリで構成されてる。お話も面白く飽きさせない工夫があるのですが、自分にとっては少しリズム感に乏しく、一気読みといった感じではない。こんなのが好きっていう人もいると思うけど、若干難解で読みにくい。読んでるときに意識を失ってしまうこともたびたび。村上春樹とかも毎年文学賞候補なるぐらい文学的だと思うんだけど文章はとても読み易いですよね。もう少し平易な文章で文学的な香りを出してもらえるとありがたい。まあ、こういった丁
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ネタバレ【収録作品】
美しい雪の物語
重力と飛翔
狼少年ABC
スプリング・ハズ・カム
夏、冬、秋、春……四つの季節の物語。
「美しい雪の物語」 アフガニスタンに行った父親を案じつつ、ハワイの叔父夫婦のもとで暮らすことになった少女。彼女が見つけた古い日記の謎。
「重力と飛翔」 映画に夢中だった高校生の死。彼が最後に撮った写真の謎。
「狼少年ABC」 男子大学生が子どものころ、出会ったという喋る狼の謎。
「スプリング・ハズ・カム」 高校の卒業式以来15年ぶりに集まった同窓生たち。タイムカプセルに入っていた犯行声明から蘇る放送室ジャックの謎。
一つ一つ積み上げて組み立てられたミステリ。