隆慶一郎のレビュー一覧

  • 鬼麿斬人剣

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    ロードムービーテイストの時代劇エンタテイメント。

    超人的に強い主人公は、隆ワールドではお約束だね。そこに違和感を感じさえしなければ、十二分に楽しめる。

    また、女の強さとサガとを魅力的に描くのも、隆作品の見ドコロの一つなのかも知れない。

    ★3つ、7ポイント。
    2017.03.24.図。

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    2017年03月23日
  • 吉原御免状

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    他の彼の作品と比較して、性的虐待の描写が生々しくて、若干不愉快をもよおす。

    生まれに謎を抱えた剣豪が一人、師匠である宮本武蔵の25歳まで山を出るなと言う遺言を守り、今日山から下りてきた。向かう処は吉原。

    ここで、花魁、吉原の店主などとの交際、そして狙い迫ってくる柳生家との対立を通して、彼の成長を描く。

    吉原は実は。。。という仮定で描いているが、女性としてもやっとくる。吉原は誰にとっても、地獄でしょう。

    流れ者をすばらしく書いたりする傾向が彼にはあるので、人によって好き嫌いは分かれると思う。ただ、出生の謎が明るみに出てくるまでのドキドキ感はある。

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    2016年05月29日
  • 死ぬことと見つけたり(上)

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    作者が葉隠をいかにし、戦争中に読みだしたかという紹介から始まる。
    どうして、なかなか、面白かった。
    短いエピソード集なんだけど、毎回が思い切りよく生き抜くことを信条に生き抜く侍であるため、波乱万丈が烈しいのなんの。作者が言うとおり、葉隠は元々読んでみたい本の一冊であったけれど、葉隠は面白いものなのではないかと思ってきた。

    引用した言葉は不満。
    私は、自分が痛い目に合わないためだけに、嘘をつくひどい人間を見たことがある。そいつは、自分が傷つけた人のことなどあっという間に忘れていく。こんなひどい人間は幸せになってはいけないとまで感じた人間だ。

    残念ながら、18話で完結の予定だったらしいが、作者

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    2016年03月31日
  • 影武者徳川家康(中)

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    隆氏によって書かれた「影武者徳川家康」全三巻の二冊目です。関ヶ原の戦いで石川三成方の忍者に命を絶たれた徳川家康の影武者が、家康以上の活躍をして、二代将軍となった秀忠と間接的に戦う(頭脳戦)のが、この二冊目の面白いポイントです。

    面白くて、米国出張の往復の飛行機で、ほとんど時間を費やしたような感覚です。最後の結末がどうなるのか楽しみです。

    また、これは小説の形をとっていますが、著者が信じている「徳川家康は関ヶ原で死んでいた」という学説を、小説の中で証拠(実際に起きている事件等)を挙げながら解説している、面白い形の論文だと思います。

    以下は気になったポイントです

    ・縁切寺とは、女の側からの

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    2015年09月23日
  • 影武者徳川家康(上)

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    物語は関ヶ原の戦いの真っ最中から始まり、関ヶ原の戦いの主役とも言える「徳川家康」が、石田三成の第一の家臣である、島左近が放った忍者により暗殺されてしまうところから始まります。

    大坂夏の陣が終わってから死亡したとされる家康がそれ以前に死んでいたのでは、という仮説が多くある中で、この本では、関ヶ原の戦いの最中に死んだという設定になっています。

    家康が殺された後、それまで影武者であった、この本の主人公である「世良田次郎三郎元信」が活躍するというストーリーです。

    秀忠は関ヶ原の戦いに遅れてきたというイメージしかありませんでしたが、この本では、秀忠もいい味を出しています。こういう歴史小説も楽しいで

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    2015年07月01日
  • 影武者徳川家康(下)

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    関が原の戦いで家康は死に それ以降史実の「家康」は影武者だった、というお話。
    ものの見方でストーリーはまったく異なって捉えられるものだと改めて感じた。
    生まれたときから戦国時代の武将となるべく生きてきた家康ではなく、その日暮らしで厳しい世界を生き延び 影武者となった次郎三郎だからこそ平和を願い そのために争い、太平の世を残したいと思ったのかもしれない。
    平和のために争う。今の時代もどこかで紛争が起きているのもそれぞれの平穏な生活を求めているからなのを 忘れないようにしたい。
    7月から読み始めたのに今までかかってしまったのは読み始め当初はイスラエルとガザの紛争があり、関が原の戦いの生々しい表現に

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    2015年02月01日
  • 死ぬことと見つけたり(上)

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    ネタバレ

    初めてのちゃんとした?歴史小説でした。歴史小説ってちょっとズルいかもしれないな。題材が面白すぎますよね。そもそも佐賀県って私の中では全く印象になかったので、新しい知識も得られて二重に楽しかったです。
    徳川家光〜家綱くらいの時代の鍋島藩を舞台に、葉隠武士と呼ばれる戦士の中の戦士達を描いています。この小説は未完のまま作者がなくなってしまって、結末がどうなるのかわかりません。それが本当に残念です。
    歴史小説がめっちゃ面白いらしいことがわかったので、読み終わってすぐに吉川英治の「三国志」読み始めました。

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    2015年02月14日
  • 吉原御免状

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    徳川家康影武者説をバックボーンに「神君御免状」というモノを巡る吉原を舞台にした話。作者の歴史に対するスタンスや考えが判り、司馬史観とは異なる捉え方が斬新です。

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    2014年09月03日
  • 一夢庵風流記

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    宝塚雪組壮一帆さんの退団公演の原作である。観劇前の予習として読んだ。戦国時代の武将であり、時代随一のかぶき者、前田慶次の一代記。
    名前だけは聞いたことがあったものの、ほぼ何の知識もないまま読み始めたのだが、まるで少年漫画の主人公のようであり、戦国時代版桃太郎のようでもある前田慶次の人物像が、とにかく魅力的だった。豪放磊落、文武両道に秀で、常識に縛られずに真を見抜く目と自由さがあり、友情に篤く、強くて、熱い。同時に可愛げがあって、おおらかで、男女も身分も国籍も問わずに優しい。彼に傾倒する人間たちが周りに集まっていく様はワクワクするし、彼らがが慶次に惹かれる気持ちがよく理解できる。波乱万丈の彼の生

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    2014年06月22日
  • 新装版 柳生刺客状

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    音楽でいうところのB面。
    正直隆先生のも家康や柳生の連中が多く出すぎてどの話はどういう展開だったか忘れてしまう。

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    2014年06月04日
  • 一夢庵風流記

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    次の雪組公演の原作本なので、読んでみました。隆慶一郎の本を読むのは、同じく宝塚の舞台「野風の笛」の原作だった「捨て童子」以来かな? 話は読みやすいし、前田慶次も魅力的だけど、まっつの出番あるの?ってくらい、書き込み少ないんですけど… どうしてくれるの!

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    2014年05月04日
  • 吉原御免状

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    ネタバレ

    隆慶一郎の3作目。

    時代小説(歴史小説?)のハードボイルド、といった感。

    後作「影武者徳川家康」と通じる部分が多く、“道々の輩”なる生き方をした人々への筆者の強い想いが感じられらた。

    戦闘描写や色事の描写には、手に汗握り、生唾を飲まされた(笑)。

    ☆3つ、7ポイント半。
    2014.02.18.図。

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    2015年05月28日
  • 影武者徳川家康(下)

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    上中下
    全部
    いいですね!!

    かなり読み応えあります!!

    史実からどこまでかけ離れているかがわかりませんが
    とっても
    面白いです。
    徳川とは
    戦国時代の下克上時代から平和な時代に移るにあたって!?

    平和を望む人
    国をよくしたいと思う人
    はたまた
    将軍なのに自分の欲望に突き進む人
    人をひきつける何かを持っている人
    夢、現実、時代の勢いと時流、妬み、欲望、復讐、恨み、戦略
    戦国時代から
    関が原の戦いになり
    ここから徳川政権300年が始まる礎の基礎

    徳川についての疑惑を皮切りに
    物語を作り上げた作者にスゲーの賛辞です

    面白かったです!

    ここに出てくるのが本当だったら
    秀忠は、好きでないな

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    2014年01月16日
  • 影武者徳川家康(上)

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    すごい解釈ですわ
    なかなか興味そそられます

    徳川家康が関が原の戦いから
    どうなっていったのか
    この歴史的背景も細かく描かれていて
    わかりやすい描写ながらも
    わたしにとっては難しい(笑)

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    2014年01月12日
  • かくれさと苦界行

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    「吉原御免状」の続編。主要登場人物は数人を除いてほとんど変わらない。まぁ、その数人が荒木又右衛門や義仙の従妹だったりするが、設定、展開ともかなり強引。続編で新鮮味が薄れた分を人間関係で補えなかった感じ。それでも、最後のまとめ方は好みだった。続々編があっても、おかしくないけど・・間に合わなかったのかな。

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    2013年12月27日
  • 吉原御免状

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    この人の作品は2作目。
    1作目は「影武者」

    この人の歴史物って現実の歴史と上手くリンクさせて話が進んでいくから、フィクションであっても「実際はそうだったかもしれない。」と思わせてしまうものがある。

    そこがこの人の作品の魅力かな?

    ちょっと生々しい所もあるけれど、読みだしたら(文字小さくて言葉づかいとか難しい言葉が度々でてくるけど)割と嵌まって読んでしまうのであった。

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    2012年09月02日
  • 吉原御免状

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    誠さんは限りなく強くてかっこいい!
    話しも面白いし良かったけど、なんと最後が尻切れトンボ----
    エエッって感じで終わった。
    残念----

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    2012年07月13日
  • 時代小説の愉しみ

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    「編集者の頃」小林秀雄の思い出。酒が入ると毒舌をふるい、ベテラン編集者さえ泣かせてしまったという。
    「叡山焼亡」「織田信長」比叡山の焼き打ちと一向一揆時にジェノサイドを断行した信長についての考察
    「武田信玄」、「北条氏康」他若干のエッセイ
    ドラマも含め、彼の作品を読むのはこれが初めてだが、歴史上の人物のとらえ方が実にいい。これならドラマが面白くないはずがない。

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    2012年06月27日
  • 吉原御免状

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    最初の100ページから200ページくらいまでぐいぐい惹きつけられ、どうなるかと期待していたが、伝奇性が色濃く表れ始めてから途端に印象が散漫となった。
    後半もパーツパーツでは興味深いのだが、物語としての一貫性に欠けている感あり。
    前半の期待感からすると少々歯痒い結末。

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    2012年06月09日
  • 鬼麿斬人剣

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    全1巻。
    死んだ師匠に頼まれて、
    過去に打ってしまった
    駄作な刀を打ち壊す旅に出る
    刀鍛冶の超人な弟子の旅って話。

    めずらしく舞台が幕末。
    源清麿(死んだ師匠)を書きたかったらしく、
    必然的にその時代になっただけだけど。

    超人的な主人公がチャンバラってく
    スタンダードなつくり。
    ただ、上記のように死んだ師匠を書きたかったらしく、
    若干主人公の影がうすい気がする。
    著者の他作品と比べて。
    超人なんだけど。

    そのせいか、
    それなりに上手くまとまってたけど、
    なんとなくそれなりな印象。

    ただ、たまたまこの前に読んでたのが
    同じく刀鍛冶、虎徹の話だったので、
    ちょいちょいかぶってて興味深かった

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    2011年07月25日