古荘純一のレビュー一覧
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日本の子どもの主観的な幸福度は、他国と比べて突出して低い。
この現状に対して、児童精神科医の視点から診療・学校現場の事例を元に、本書を通して見つめ直していく。
✏自尊感情に影響を与える要因としては、社会的階層、人種、宗教などよりも、母子関係の緊密さ、両親の受容的態度、両親からの一貫したしつけ、子どもの意見・独立性を尊重する態度などが関与している
✏研究を行った研究者たちは、結果から、「日本人は、表向きは謙遜するが、本音では北米人と同様の自己評価を持っている」と結論づけている。
✏今の日本の現状では、小学校3.4年生くらいから自尊心が低下し始め、中学、高校とずっと下がりっぱなしになっていることが明らかになった。
✏オランダの子どもたちが自尊感情、学校生活に対して高い満足度を保っている理由の一つとして、一人一人の子どもが自分の発達に応じて個別の学習を進めることができる授業の仕組みが大きく影響してると考える
✏今後、子どもの健康状態をスクリーニングできるようにすること、そして、スクリーニングの結果を判断し支援に結びつけるシステムを構築する必要性があるだろう
✏わが国の現状として、「多くの国の労働市場からすでに消えつつある仕事の種類に適した人材育成を主に行っているというリスクを冒している」ことになる -
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■児童虐待の定義(児童虐待防止法§2)
①児童の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えること ⇒身体的虐待
②児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること ⇒性的虐待
③児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置,保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること ⇒ネグレクト
④児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応,児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者〔婚姻の届け出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む。〕の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと ⇒心理的虐待
■ネグレクトとは「子供が健全に発育するために必要な最小限の養育を施さない行為」
■「性的虐待」を受けていることを知りながら,それに対して何もしないでいることを「性的ネグレクト」という
■「代理ミュンヒハウゼン症候群」
・リチャードアッシャーが命名
・子供が病気だと装う症例
・周囲の注目を集めることや子育ての負担から解放されることが目的
■心理的虐待の定義(子ども虐待対応の手引き〔厚労省〕)
・ことばによる脅かし,脅迫など
・子どもを無視したり,拒否的な態度を示すことなど
・子どもの心を傷つけることを繰り返し言う
・子どもの自尊心を傷つけるような言動など
・他の兄弟とは著しく差別的な扱いをする
・子どもの面倒で配偶者やその他の家族などに対し暴力をふるう
■自尊感情は高過ぎず低過ぎず安定していることが望ましいが,日本では低過ぎて安定している
■例えばオランダなど子どもの自尊感情が高い国ではルールは最小限(日本は逆)
■対人緊張が強く達成感が乏しい
■教育虐待に走りやすい家庭の特徴
①両親ともに高学歴で社会的地位が高い
②親自身に経済的事情や家族の承諾が得られなかったために進学をあきらめた経験がある
③母親がやりがいのある仕事をやめて育児に専念せざるを得なくなった
④子どもの成績が優れないことを母親に責任転嫁する父親やその親族からの重圧がある
⑤母親が異常に教育熱心である一方で父親が無関心である
⑥父親(母親)の教育虐待行為に反論することのできない母親(父親)がいる
⑦親自身が自分の兄弟の間で成績の差にコンプレックスを持っている
■「授かり婚」は子どもの立場からするとネグレクトの危険性を孕む
■学校教育よりも宗教の教えを優先させるのも教育ネグレクト
■コンサルテーション・リエゾン
・予め密な連携をとり問題の早期発見につなげたり困難に至ることを予防
・無理せず関係者と連携 -
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「子どもたちには、プライドもあり将来もあります。
大人の不安に振り回されずに、子どもたち自身がたくましく、
目標、希望を持てるように支援することが大人の役目です。」
こんなことを、本に書いてもらわなければ解らない大人たちの作った社会で育つこと自体が不幸だ。
大人は皆、子供だったことがある筈なのに、どうして忘れちゃうんだろう。
それとも、大多数の大人は、子供の頃、何にも考えない、ただ元気で無邪気な生き物だったんだろうか…。
そうじゃなかった私が、今の子達のハシリだっただけなのか。
私の周りにいたコドモ達は、もっとずっと繊細で明晰だった…ように見えたけどな…。 -
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本書が「日本の子ども」と特定しているのは,大方の予想通り,「日本の子どもたちの自尊感情が他国に比べて低いと言われている」ことに関連して述べているからです。
特に,第6章「日本人の子どものセルフ・エスティーム」がおもしろかったです。
著者が修士課程で学んだときの心理学者ロバート・キーガンの「自己変革の発達段階」という捉え方を教えてくれます。その「ステージ3」と「ステージ4」の段階との違いが,日本人の場合には当てはまらないのではないかという話。
日本人は,『「達成動機」と「親和動機」との間に正の相関関係が見られる』ということです。これだけ書いても何の子とか分かりませんね。私の感想が舌っ足らずになってしまいましたが「何のこっちゃ」と思う方は手にとって読んでみてください。
私は本書を読んで,日頃の子どもへの対応の仕方や,今,職場で流行っている「自己管理目標」のことも考えてみました。 -
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国際調査結果を比較すると、日本の子どもは他国の子どもに比べて、突出して自尊心が低いという。自分自身や学校の満足度に関する質問に対して、5段階の下から2番目「ほとんどない」を選択するのが、日本の子どもたちの標準だという。何故日本の子どもたちの幸福度、クオリティー・オブ・ライフは最低レベルなのか?
・情報、選択肢が多く、多数の情報の中から選ぶだけで脳が疲弊する。
・食生活が乱れており、睡眠時間も短く不規則。
・中高年となった団塊の世代あたりは元気だが、バブル崩壊の被害を被った子どもたちの父親、母親世代は自己肯定感が低く、不安を抱えている。親、特に母親の自尊心の低さが、子どもたちにも伝わる。
・親が思っているより、子ども自身の自尊感情が高い場合はほぼなし。たいてい親が思っているより、子どもたちの自尊感情は低い。
・自尊感情が高いと、つまずいた時、立ち直りが早い。子どもたちの自尊感情の低さは個人的、家族的要因より、環境的要因が強いので、社会で取り組むべき課題。
・日本人は、メールやネット上の言葉のやりとりで傷つくことが、他の国の人よりも多いという。他国の場合、メールやネットの言葉は、所詮書かれた言葉なのだから、何か問題があったら、本人に直接会って話し合ったらいいと思うそう。日本は伝統的に手紙など書き言葉に価値をおく文化のようだ。逆に言うと、外国は話し言葉を書き言葉より重視する。故に意見主張が活発になるが、日本では、直接の意見表明をさけ、メールで意見を伝える傾向が強くなっている。
・テレビゲームのやりすぎも問題。ゲームやネット上のコミュニケーションはパターン化しやすい。現実に人と話し合う機会をたくさん持って、パターンから外れたコミュニケーションを経験することが、自尊感情の育成に必要。 -
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自尊感情ということばには,ポジティブな意味もネガティブな意味も含まれているのですが,自分のいいところや悪いところ,得意なことや苦手なこともひっくるめて,自分自身をどう感じているか,ということ。
自尊感情というちゃんとしたことばで考えられてはいなかったけれど,私がこれまでこどもの患者さんとお会いするなかで感じていたことのひとつに「自分のことが好きだと思えていないこどもたちが多いなぁ」という思いがあったので,とても興味を惹かれてこの本を手に取ってみました。
こどもの時期に自尊感情をほどよく高くもつことって本当に大切なことだと思います。
だって,こどもの頃にうまく自尊感情を高めておかないと,おとなになってからほどよく自尊感情を高めていくことはきっと難しいことだと思うから。人生が後ろに進んでいくに連れて,自分のすることの選択は狭まっていくでしょうし(段々進むべき道が絞り込まれていくのだからあたりまえのことですが),周囲からの要求水準も厳しくなっていくでしょうし(たとえば算数が苦手でも走るのが得意なら運動会のリレーで活躍する機会があったりするこども時代と比べると,仕事でミスしたら職場での評価がガタ落ちするなどおとな時代はずっとシビアですよね)。
でも,ここでちょっと難しいなと思うのは,こども時代にその子の自尊感情を決める要素としてまわりのおとなからの評価が重要になってくることなんですよね。
こどもの失敗やつまずきがあったときに,「今回この場面ではうまくいかなかったかもしれないけど,あなたにはこんなステキなところがあるよね」ってメッセージをさりげなく,でもきちんとその子に伝えてくれるおとながいたら,その子は自尊感情をうまく保つことができそうです。
でも,こどもの失敗を厳しく責め立てたり叱りつけたり,そのひとつの失敗がその子の価値や人間性にまで大きく影響するかのような評価を与えたりしてしまったら,そのこどもの自尊感情は低くなってしまうように思います。
ということは,こどもに関わるすべてのおとなたち(おそらくおとなのほとんど全員ですよね)がこどもたちの自尊感情にちゃんと意識を向けながらこどもたちと接する必要があると言うことになるんじゃないのかな,と思うのです。
特に,こどもと関わることを職業とするひとたちと,子育てをしている「親御さん」や「保護者」たち。
学校の先生方などと比べたら,私が会うことのできる子どもたちの数は決して多いわけではないけれど,私自身もこどもたちと会うときには自尊感情を大事にした関わりをしていきたいな,と改めて思わされました。 -
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ネタバレ境界知能の人たちの実態をしっかり知ってもらうため、著者はこの本を書いたとのこと。
『ケーキの切れない非行少年たち』による社会の誤解や偏見に対する不安を書かれていて、確かに自分もそういう偏見があるかもとドキッとした。
事例がリアルで具体的。
『境界知能の人の混乱さは、単に社会性の乏しさや自己責任と捉えられてしまう可能性もある。』これは危ない。
本人が楽になる対処法を知りたいけど、問題山積で支援が進んでいないことがわかった。
法の線引がなくてもいろんな支援を利用できるようになればいいってことかな。
あとAAIDDというマニュアルがあることを初めて知った。
前書きにあった『ケーキの切れない非行少年たち』の著者、宮口幸治さんが開発したコグトレも紹介してくれてた。 -
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身近にそれらしい傾向がある人がいたのでこの機会に読んでみました。(自分自身もグレーゾーンの可能性があると思い元々興味を持っていた分野ではあったんですが、、)
第2章では具体的な人物事例を用いていたので、非常に分かりやすく拝読できました。文章も分かりやすくて興味深くすぐに読めてしまった。
境界知能以外にも発達障害などの様々な複合パターンもあるので、それぞれの人によって対応は異なってしまう部分もあるが、巻末のリストは境界知能の人を見分けるためのある程度の指標にはなると思いました。(注意書きにもあったけど鬱病症状の場合だったり、環境や一時期な精神状況に応じてみんなそうなってしまう可能性は多分にあると思います)
周りの身近な人が理解や配慮を示すとともに、長期的・献身的な対応が求められると思いました。
仕事だったり一定の環境では、人員やコストが足りずにどうしても全面的にサポートしてあげられることはできないかもしれないですが、、 まずは境界知能で困っている人がいると認識することが大切だと思います。 -
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境界知能という言葉は知ってはいたが、よく理解をしていなかったので購入して読んでみました。
ざっくりとした理解で詳しく知りたい人は読むべきです。主に以下のように思ってる人↓
・境界知能がそもそもわからんって人
・知的障害と同じではないのか?と思ってる人
・知ってるが、現状どのような問題が起きてるか知りたい人
・境界知能に該当する人を知りたい人
ネタバレになるかどうかはグレーな感想ですが、自分は知らなかったので、勉強になったことと、現代人が理解すべき時知問題であることだなと思いました。まず境界知能の人は思ったよりいるということです。14%の人が境界知能であるということは7人に1は該当するということです。そういった人たちに対しての今後の取り組みや課題などを上げてます。もし今後、周りにそういった人がいた場合対応も変わってくるとは思うので、本書をお薦めしたいです。自身の一つの知識として蓄える際は読んでみてください。