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主観的な幸福度が世界最低レベルの日本の子どもたち。何が子どもたちから自信や心の居場所を奪っているのか。QOL調査結果を元に診療や学校現場の豊富な事例を交え考察する。
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Posted by ブクログ
日本の子どもの主観的な幸福度は、他国と比べて突出して低い。 この現状に対して、児童精神科医の視点から診療・学校現場の事例を元に、本書を通して見つめ直していく。 ✏自尊感情に影響を与える要因としては、社会的階層、人種、宗教などよりも、母子関係の緊密さ、両親の受容的態度、両親からの一貫したしつけ、子...続きを読むどもの意見・独立性を尊重する態度などが関与している ✏研究を行った研究者たちは、結果から、「日本人は、表向きは謙遜するが、本音では北米人と同様の自己評価を持っている」と結論づけている。 ✏今の日本の現状では、小学校3.4年生くらいから自尊心が低下し始め、中学、高校とずっと下がりっぱなしになっていることが明らかになった。 ✏オランダの子どもたちが自尊感情、学校生活に対して高い満足度を保っている理由の一つとして、一人一人の子どもが自分の発達に応じて個別の学習を進めることができる授業の仕組みが大きく影響してると考える ✏今後、子どもの健康状態をスクリーニングできるようにすること、そして、スクリーニングの結果を判断し支援に結びつけるシステムを構築する必要性があるだろう ✏わが国の現状として、「多くの国の労働市場からすでに消えつつある仕事の種類に適した人材育成を主に行っているというリスクを冒している」ことになる
これまでの自分のこと、今まで出会った子どもたちのこと、これから親として子どもを育てる時のこと… 色んなことを思いめぐらせた。
「子どもたちには、プライドもあり将来もあります。 大人の不安に振り回されずに、子どもたち自身がたくましく、 目標、希望を持てるように支援することが大人の役目です。」 こんなことを、本に書いてもらわなければ解らない大人たちの作った社会で育つこと自体が不幸だ。 大人は皆、子供だったことがある筈なのに、...続きを読むどうして忘れちゃうんだろう。 それとも、大多数の大人は、子供の頃、何にも考えない、ただ元気で無邪気な生き物だったんだろうか…。 そうじゃなかった私が、今の子達のハシリだっただけなのか。 私の周りにいたコドモ達は、もっとずっと繊細で明晰だった…ように見えたけどな…。
「自尊感情」をめぐっては、まだまだ開発、研究、実践の余地があると感じた。 その上で、本書の優れている点は 1.子どもの側の小さな声を丁寧にくみ取っていること 2.子ども版QOL尺度の公表 3.オランダ式教育メソッドと海外日本人学校の運営の紹介 4.的確な事例の紹介と分析 ではないでしょ...続きを読むうか?
本書が「日本の子ども」と特定しているのは,大方の予想通り,「日本の子どもたちの自尊感情が他国に比べて低いと言われている」ことに関連して述べているからです。 特に,第6章「日本人の子どものセルフ・エスティーム」がおもしろかったです。 著者が修士課程で学んだときの心理学者ロバート・キーガンの「自己...続きを読む変革の発達段階」という捉え方を教えてくれます。その「ステージ3」と「ステージ4」の段階との違いが,日本人の場合には当てはまらないのではないかという話。 日本人は,『「達成動機」と「親和動機」との間に正の相関関係が見られる』ということです。これだけ書いても何の子とか分かりませんね。私の感想が舌っ足らずになってしまいましたが「何のこっちゃ」と思う方は手にとって読んでみてください。 私は本書を読んで,日頃の子どもへの対応の仕方や,今,職場で流行っている「自己管理目標」のことも考えてみました。
国際調査結果を比較すると、日本の子どもは他国の子どもに比べて、突出して自尊心が低いという。自分自身や学校の満足度に関する質問に対して、5段階の下から2番目「ほとんどない」を選択するのが、日本の子どもたちの標準だという。何故日本の子どもたちの幸福度、クオリティー・オブ・ライフは最低レベルなのか? ・...続きを読む情報、選択肢が多く、多数の情報の中から選ぶだけで脳が疲弊する。 ・食生活が乱れており、睡眠時間も短く不規則。 ・中高年となった団塊の世代あたりは元気だが、バブル崩壊の被害を被った子どもたちの父親、母親世代は自己肯定感が低く、不安を抱えている。親、特に母親の自尊心の低さが、子どもたちにも伝わる。 ・親が思っているより、子ども自身の自尊感情が高い場合はほぼなし。たいてい親が思っているより、子どもたちの自尊感情は低い。 ・自尊感情が高いと、つまずいた時、立ち直りが早い。子どもたちの自尊感情の低さは個人的、家族的要因より、環境的要因が強いので、社会で取り組むべき課題。 ・日本人は、メールやネット上の言葉のやりとりで傷つくことが、他の国の人よりも多いという。他国の場合、メールやネットの言葉は、所詮書かれた言葉なのだから、何か問題があったら、本人に直接会って話し合ったらいいと思うそう。日本は伝統的に手紙など書き言葉に価値をおく文化のようだ。逆に言うと、外国は話し言葉を書き言葉より重視する。故に意見主張が活発になるが、日本では、直接の意見表明をさけ、メールで意見を伝える傾向が強くなっている。 ・テレビゲームのやりすぎも問題。ゲームやネット上のコミュニケーションはパターン化しやすい。現実に人と話し合う機会をたくさん持って、パターンから外れたコミュニケーションを経験することが、自尊感情の育成に必要。
自尊感情ということばには,ポジティブな意味もネガティブな意味も含まれているのですが,自分のいいところや悪いところ,得意なことや苦手なこともひっくるめて,自分自身をどう感じているか,ということ。 自尊感情というちゃんとしたことばで考えられてはいなかったけれど,私がこれまでこどもの患者さんとお会いする...続きを読むなかで感じていたことのひとつに「自分のことが好きだと思えていないこどもたちが多いなぁ」という思いがあったので,とても興味を惹かれてこの本を手に取ってみました。 こどもの時期に自尊感情をほどよく高くもつことって本当に大切なことだと思います。 だって,こどもの頃にうまく自尊感情を高めておかないと,おとなになってからほどよく自尊感情を高めていくことはきっと難しいことだと思うから。人生が後ろに進んでいくに連れて,自分のすることの選択は狭まっていくでしょうし(段々進むべき道が絞り込まれていくのだからあたりまえのことですが),周囲からの要求水準も厳しくなっていくでしょうし(たとえば算数が苦手でも走るのが得意なら運動会のリレーで活躍する機会があったりするこども時代と比べると,仕事でミスしたら職場での評価がガタ落ちするなどおとな時代はずっとシビアですよね)。 でも,ここでちょっと難しいなと思うのは,こども時代にその子の自尊感情を決める要素としてまわりのおとなからの評価が重要になってくることなんですよね。 こどもの失敗やつまずきがあったときに,「今回この場面ではうまくいかなかったかもしれないけど,あなたにはこんなステキなところがあるよね」ってメッセージをさりげなく,でもきちんとその子に伝えてくれるおとながいたら,その子は自尊感情をうまく保つことができそうです。 でも,こどもの失敗を厳しく責め立てたり叱りつけたり,そのひとつの失敗がその子の価値や人間性にまで大きく影響するかのような評価を与えたりしてしまったら,そのこどもの自尊感情は低くなってしまうように思います。 ということは,こどもに関わるすべてのおとなたち(おそらくおとなのほとんど全員ですよね)がこどもたちの自尊感情にちゃんと意識を向けながらこどもたちと接する必要があると言うことになるんじゃないのかな,と思うのです。 特に,こどもと関わることを職業とするひとたちと,子育てをしている「親御さん」や「保護者」たち。 学校の先生方などと比べたら,私が会うことのできる子どもたちの数は決して多いわけではないけれど,私自身もこどもたちと会うときには自尊感情を大事にした関わりをしていきたいな,と改めて思わされました。
特に子どもの主幹的な幸福度の中で、「孤独を感じる」と答えた子どもの比率は約30%と、他の国の5%〜10%に比べて突出して高い 自尊感情とは、ハンディキャップなど全ての要素を包括した意味での自分を、自分自身で考えるということ。高すぎても良くない。 自分を認めたいという思いを抱くという点では、文化や...続きを読む民族に関わらず共通であるが、事後報告式のテストで調べられる自尊感情は低い。本心を抑圧している傾向が強い。 自尊感情の高い子どもは、情緒が安定し、責任感がある。社会的適応力が高い、成績も良い、人間関係のトラブルが少ない、社会規範をよく守る。逆境に強い。 親が暴力行為や無視などで無力感を持って、その感情が処理できないと自分を大切にしたいというエネルギーが、より弱い相手である自分の子供に向くことがある。 子どもが自尊感情を保つには、親の影響、とりわけ母親の影響が大きいと考えられています。本人の先端的な要因も研究されていますし、環境の影響もありますが、親にどう見られているかで価値を推し量っていることが多い。 親がぴりぴりしていて、常に余裕がなく、子どもの心を受け止められなくなっている。 自分を理解してくれる人間との巡り合わせが重要です。巡り会う人の言動が、危険因子にもなるし補償因子にもなりうるのです。
児童精神科医で小児科医、医学博士である古荘純一先生の著書。子どもの自尊感情を低下させるような教育システムの日本。これからの時代、自分に自信を持って自尊感情を持つ人間でないと国際社会では通用しない。児童教育に関わっている人には参考になる点が多いと思います。
2009年出版だったが、この時から指摘されていながらも解決が難しい問題についての根本的な原因の理解が出来る。 「自尊感情」が、子どもたちにどういう影響をもたらしているのか、学校問題、カウンセラーの視点から述べられている。
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日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか~児童精神科医の現場報告~
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